私がアマチュア無線を始めた経緯【大学無線部 Advent Calendar 2024】

この記事は「大学無線部 Advent Calendar 2024」の記事です。

はじめに

Zennでははじめまして。東大無線部JA1ZLO所属のmasa-zehnと申します。コールサインはJL1BMCです。暫定的には3アマですが、先日(12/7)1アマの試験を受けてきました。自己採点では法規138点、工学147点なのでよっぽと致命的なマークミスをしていない限り大丈夫だと思います。早く1kWの電波を出してみたいです。

本題

さて、自己紹介はこれくらいにして本題に移っていきます。

私がアマチュア無線を始めたのは、主に友人と小説の影響が大きいです。

1.友人

大学に入るまでアマチュア無線を一切知らなかった私がアマチュア無線の存在を知ったのは、ZLOメンバーの一員であるJK1QAQがきっかけでした。彼とは前期教養のクラスが一緒で、1Aセメスターの必修で同じ班になってから急速に仲が良くなりました。そんな彼からZLOの話だったりアマチュア無線の話だったりを聞くうちに興味を持ち出して、何度か駒場部室にお邪魔するようになりました。2Aセメスターを迎える頃には部室に入り浸るようになり、10月20日には第3級アマチュア無線技士になりました。

3アマに合格してから知った話なのですが、どうやら叔父もかつてやっていたようです。開局したことを叔父に伝えたら、昔買っただけで使っていなかったFT-4600Hと144MHz用GPをくれました。大学でできた友人と自分の叔父がまさか同じ趣味を持っていただなんて知らなかったので、世界は狭いものだなぁなんて思いましたね。

2.小説

QAQと仲良くなり始めた頃にちょうど呼んでいた小説が、「世界の終わりの天文台」(著:リリー・ブルックス=ダルトン/Lily Brooks-Dalton、訳:佐田千織)でした。終末世界やディストピアを描いた作品が昔から好きでして、タイトルだけ見て買ったのでまさか作中にアマチュア無線が出てくるとは思っていませんでした。

この作品では、地球側(北極圏の天文台)と宇宙側(木星探査船「アイテル」)で視点が切り替わりながら話が進んでいきます。北極圏の天文台には年老いた天文学者のオーガスティンと謎の少女アイリス。天文台の備蓄を切り崩しながら2人は食いつないでいましたが、オーガスティンは天文台の無線設備を使って誰かと連絡が取れないかと思いつきました。幼い頃、無線通信に強い興味を持って無線機やアンテナを自作してアマチュア無線を楽しんでいたオーガスティンは、当時を思い出しながら無線機に耳を傾けます。
無線設備の前でひたすらに周波数を変えながら誰かいないか聞いていたオーガスティンでしたが、少し離れたところにある測候所を思い出しました。「測候所ならここよりいい設備があるだろう」、そう思ったオーガスティンはアイリスを連れて旅に出ました。
測候所の無線設備で誰かからの通信を探し求める生活を続けていたある日、とある信号をキャッチしました。それは、「アイテル」の搭乗員サリーが発していた電波でした。地球の管制センターとの通信が断絶してから通信担当だったサリーはずっと地球からの電波を探し続けていました。ときには自ら電波を発して地球からの応答がないか注意深く聞いていましたし続けていました。ときには自ら電波を発して地球からの応答がないか注意深く聞いていました。。
両者ともようやく交信相手を見つけたことに喜びますが、彼ら以外には地球上に電波を発するものはおらず、「アイテル」も問題に気づき...

大まかにはこんなストーリーです。かなり情報量を落としたので面白さが伝わるか不安ですが、無線家にとっては面白い小説だと思うのでおすすめです。読んでいた当時と比べれば私も多少は知識が増えたので、休日にでもまた読み返そうと思います。

この小説を読んで、もし終末世界が訪れるようなら無線家になっておいたほうが良さそうだなと思ってアマチュア無線を始めることにしました。災害時に使える点や遠くの場所とも通信できる点がかなり魅力的でした。幸いなことに大きな災害に見舞われていないので活用してはいませんが、いずれ訪れるであろう災害には常に備えておきたいです。

おわりに

1,2年前のことを思い出しながら記事を書いていたら、当時の生活や悩みなどまで思い出して懐かしい気分になりました。理論もよくわからないまま3アマをとって部員たちからいろいろと教えてもらっていた日々、初めて自分の無線機を買ったこと、初めてコンテストに参加して電波を出したこと、叔父から無線機とアンテナをもらったこと、JJ1FXH(同じくZLOメンバー)の母校で放置されていた無線機をもらったこと。思い出がどんどん出てくるものですね。無線家になって1年とちょっとしか経っていない新参者ですが、これからもアマチュア無線を楽しんでいきたいと思います。
それでは、73/88。