GPT-5の発表まとめと使ってみた感想
2025年8月7日、OpenAIからGPT‑5が正式に公開されましたので早速内容の確認と、利用してみた感想を書いていきます。
公式発表のポイント
まずは、公式内容のまとめから確認します。
統合モデル+リアルタイムルーティング
- GPT‑5は、「高速応答用モデル」と「複雑問題用モデル(GPT‑5 thinking)」という二つのモデルを統合
- ユーザーの意図や質問の性質に応じて、モデルが切り替わる
- これまでのように、GPT-4.1、4o、o3とモデルを切り替えなくてよい
各分野での顕著な性能向上
- GPT‑5は、各分野で最高性能(SOTA)を達成している
- 数学(AIME 2025):94.6%(ツールなし)
- コーディング(SWE-bench):74.9%、(Aider‑Polyglot):88%
- マルチモーダル理解(MMMU):84.2%
- 医療(HealthBench Hard):46.2%
- 高度専門問題(GPT‑5 Pro・GPQA):88.4%(ツールなし)
ハルシネーション・欺瞞の大幅な削減
- GPT‑5は、従来モデルと比べて事実誤認が標準モードで約20%減少、thinkingモードで約70%減少
- 推論中の欺瞞率(存在しない画像に自信を示すなど)も、従来の86.7%からわずか9%に減少
安全性と「セーフコンプリーション」の導入
- ユーザーのプロンプトに対して、拒否だけではなく、ユーザーに有益な範囲で答える「セーフコンプリーション」方式を採用
- 安全域を逸脱しない範囲で可能な限りユーザーに役立つ回答を返すよう学習されており、質問の一部だけに答えたり、抽象度を上げて説明したりするようになった
- デュアルユース領域や曖昧な意図にも柔軟に対応し、過剰な拒否を減らしている
カスタマイズ性の強化
- ChatGPTユーザー向けに、4種類のプリセットされたパーソナリティ(皮肉屋、ロボット、聞き役、ナード)を選択可能に
- 表現スタイルやトーンを柔軟に変えられるようなった
利用範囲
- GPT‑5はChatGPTの新しいデフォルトモデルとなり、全ユーザーに提供
- 無料版と有料プランの違いは、送信可能なメッセージ数の上限の違い
- 無料版のユーザーがGPT‑5の利用上限に達すると、自動的にGPT‑5 miniに切り替わる
- Proプランは、GPT‑5を無制限で利用でき、GPT‑5 Proにもアクセスも可能
- Enterpriseやeduプランでは、提供開始が1週間後
実際に色々試してみた
ここからは、GPT-5を色々試してみた結果と感想を記載します。
ライティング
まずは、ライティングを確認。
プロンプトとしては以下の通りです。
あなたは製造業の経営者・技術者・DX推進担当者など、いずれかの立場になりきってください。
次のテーマについて、日本語で2,000〜3,000字程度の文章を書いてください。
テーマ: 「製造業における生成AIの活用と、その効果・課題」
必須条件
導入文で製造業が直面する課題(人手不足、熟練技能の継承、設計効率、品質管理など)を簡潔に提示する
生成AIが解決に貢献できる具体的な活用事例を3つ以上挙げ、それぞれの効果を説明する
活用によるメリットだけでなく、導入に伴う課題・リスク(情報漏洩、精度、現場適応など)も整理する
最後に、生成AI導入の成功に向けた提言や今後の展望を述べる
評価ポイント(採点者視点)
専門的な背景説明のわかりやすさ
構成の論理性と説得力
専門用語と一般的な表現のバランス
文法・語彙の正確さと豊かさ
独自性のある視点や具体例
補足
読み手は製造業の関係者だけでなく、一般ビジネスパーソンも想定しています。専門知識をわかりやすく説明する工夫をしてください。
GPT-5の結果
製造業における生成AIの活用と、その効果・課題
- はじめに ― 製造業が直面する構造的課題
私は長年、製造業の経営に携わってきました。近年、業界全体で耳にするキーワードは「人手不足」「技能継承の難しさ」「設計開発のスピード競争」、そして「品質の安定確保」です。
日本の製造業は世界的に見ても高い技術力を誇りますが、少子高齢化の進行により現場の熟練工は減少し、若手育成にも時間がかかります。また、製品のライフサイクルは短縮し、設計や試作段階での効率化が強く求められています。さらに、グローバル市場では品質問題が一度でも発生するとブランド価値が大きく損なわれ、企業存続に直結します。
こうした状況において、私は「生成AI」が製造業の変革における大きなカギになると確信しています。単なる自動化や分析ではなく、言語・画像・設計データを扱いながら“新しい提案”や“創造的支援”を行える点が、従来のITツールとは一線を画しているからです。
- 生成AIの具体的な活用事例と効果
事例1:設計支援とアイデア創出
設計部門では、製品仕様書や過去の図面データを生成AIに読み込ませ、新規設計案や部品レイアウトの提案を得ることが可能になりました。例えば、自動車部品メーカーである当社では、エンジン部品の冷却効率向上を目的に過去の熱解析データをAIに学習させ、新しいフィン形状の案を複数生成しました。その中には従来設計者が思いつかなかった形状が含まれており、試作品の性能評価で有望な結果を得られました。
効果としては、設計案の幅が広がることによる開発スピードの向上、そして若手設計者でも高度な発想を取り込める点が挙げられます。
事例2:熟練技能のデジタル継承
溶接や組立など、熟練作業者の経験に基づく「暗黙知」は数値化が難しく、従来は現場での直接指導に頼ってきました。生成AIは作業映像や工程記録を解析し、ポイントや注意点を文章や図解でまとめることができます。当社では熟練溶接工の作業動画をAIに解析させ、技能マニュアルを自動生成。新入社員はそのマニュアルを見ながらシミュレーション訓練を行い、習熟期間が従来比で3割短縮されました。
効果は、技能伝承の効率化と属人化リスクの軽減です。
事例3:品質異常の早期検知
検査工程では、画像認識を組み合わせた生成AIが強力な武器になります。例えばカメラで撮影した製品画像と過去の不良データを学習させることで、表面の微細な傷や寸法のわずかなズレを人間より早く検知できます。当社では半導体部品の外観検査に導入し、不良検出率が15%向上。さらに、AIは不良の傾向分析も行い、原因特定に役立つヒントを提示しました。
効果としては、不良流出の防止、生産ライン停止リスクの低減、顧客信頼の維持が挙げられます。
事例4:調達・生産計画の最適化(補足)
原材料価格や為替の変動、需要予測の不確実性は、製造業の利益率を左右します。生成AIは過去の購買データや市況情報、営業部門の受注見込みを統合的に分析し、発注タイミングや生産スケジュールを提案できます。これにより在庫過多や欠品リスクを減らし、キャッシュフロー改善にもつながります。
- 導入によるメリット
生成AIの導入により、次のような利点が得られます。
開発リードタイムの短縮
設計・試作のサイクルが加速し、競争力を維持しやすくなる。
技能伝承の効率化
暗黙知を形式知化し、教育コストを削減。
品質の安定と向上
微細な異常検知や傾向分析による不良削減。
経営判断の高度化
市場や生産データの統合分析による迅速な意思決定支援。
人材不足の緩和
AIが補助的役割を担うことで少人数でも高水準の生産活動が可能。
- 導入に伴う課題・リスク
一方で、生成AIの導入には無視できない課題も存在します。
情報漏洩のリスク
設計図面や顧客情報などの機密データを外部AIサービスに送信する場合、適切な匿名化やオンプレミス運用が必須です。
生成結果の精度と信頼性
AIが提案した設計案や判断は、必ずしも正しいとは限らず、人間による検証が不可欠です。誤った出力を鵜呑みにすると品質事故につながります。
現場適応の難しさ
操作方法や結果の解釈に慣れていないと、せっかくのAIも使われなくなる可能性があります。
初期投資とROI(投資対効果)
システム導入費用、教育コスト、データ整備にかかる時間を考慮すると、短期的には負担が大きい場合もあります。
法規制・倫理的配慮
特に海外取引では、AI活用に関する規制や輸出管理に抵触しないよう注意が必要です。
- 成功に向けた提言と今後の展望
生成AIの導入を成功させるには、次のポイントが重要です。
小規模かつ高効果領域からの導入
いきなり全社展開ではなく、設計補助や品質検査など効果測定しやすい分野から始める。
現場との連携強化
IT部門やDX推進担当だけでなく、現場の作業者や技術者を巻き込んだ運用設計が必要。
データガバナンスの確立
セキュリティポリシー、アクセス権限管理、データ匿名化ルールを整備。
AIリテラシー教育
出力の限界や適切な使い方を全社員が理解することで、リスク低減と効果最大化が可能。
継続的改善
AIは導入して終わりではなく、学習データの更新や運用改善を続けることが成果につながる。
将来的には、生成AIは製造業のあらゆる工程に溶け込み、設計から調達、製造、販売、アフターサービスまで一貫して支援する“デジタル同僚”のような存在になるでしょう。
私たち経営者に求められるのは、技術そのものよりも、それを現場で生かすための文化づくりと仕組みづくりです。生成AIは魔法の杖ではありませんが、適切に活用すれば、日本の製造業が再び世界をリードする原動力になり得ると確信しています。
GPT-4oの結果
製造業における生成AIの活用と、その効果・課題
製造業が直面する課題
現代の製造業は、急速な技術革新とともにさまざまな課題に直面しています。まず、人手不足です。特に日本では少子高齢化が進む
中、若年労働者の減少により、製造現場での人手不足が深刻化しています。次に、熟練技能の継承です。長年にわたり培われてきた
熟練工の技術が若手に伝承されにくくなっています。さらに、設計効率や品質管理の面でも、競争が激化する市場において高い水準
が求められています。これらの課題に対し、生成AIがどのように貢献できるのか、具体的な活用事例を挙げつつ説明します。
生成AIの活用事例とその効果
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設計プロセスの最適化
生成AIは、CADソフトウェアと連携することで、設計プロセスを大幅に効率化します。例えば、AIが過去の設計データを学習し、
新規設計において最適なパラメータを提案することが可能です。これにより、設計者はアイデアの検討や試行錯誤にかかる時間を削 減し、短期間で高品質な製品設計を実現できます。結果として、製品開発のリードタイムが短縮され、市場投入までのスピードが向 上します。 -
品質管理の向上
製造業における品質管理は、製品の信頼性を確保するうえで不可欠です。生成AIは、製造ラインの各工程でリアルタイムにデータを監視し、不良品の検出や予測を行います。例えば、画像認識技術を用いて製品の微細な欠陥を検出し、即時に是正措置を講じるこ とができます。この結果、製品の品質向上のみならず、歩留まりの改善にも寄与します。
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熟練技能のデジタル化
熟練工の技術をデジタルデータとして蓄積し、AIがそのパターンを解析することで、技能の継承が容易になります。例えば、熟練工が行う作業の手順や判断基準をAIが学習し、新人に対するトレーニングプログラムを自動生成します。これにより、技能の伝承が 効率化され、技能不足による生産性の低下を防ぐことができます。
活用に伴う課題・リスク
生成AIの導入には数々のメリットがある一方で、いくつかの課題やリスクも存在します。
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情報漏洩のリスク
AIの学習には大量のデータが必要ですが、その中には機密情報も含まれることがあります。これらのデータが外部に漏洩するリスクは常に存在し、情報セキュリティ対策が不可欠です。
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AIの精度と信頼性
AIの判断が誤る可能性もあり、特に品質管理においては誤検出や過剰検出が問題になることがあります。AIの精度を向上させるためには、継続的なデータのフィードバックとアルゴリズムの改善が必要です。
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現場適応の難しさ
新しい技術の導入は、現場の作業者にとって負担となることがあります。AIシステムがどれほど優れていても、現場で効果的に活用されなければ意味がありません。現場のオペレーターに対する教育やサポートが重要です。
生成AI導入の成功に向けた提言と今後の展望
生成AIの成功的な導入には、技術面だけでなく、組織全体の体制整備が重要です。まず、データの一元管理とセキュリティ対策を徹 底することが必要です。また、現場の意見を積極的に取り入れ、AIシステムが実際の業務にどのように貢献できるかを明確にするこ とで、現場の理解と協力を得ることができます。
さらに、AIの導入はあくまで手段であり、目的は業務の効率化と品質向上にあります。したがって、AI導入の成果を定期的に評価し 、必要に応じて柔軟に調整していくことが求められます。
今後、生成AIはさらに進化し、より多くの製造業のニーズに応えることが期待されます。特に、IoTやビッグデータと連携することで、より高度な予測分析や自律的な生産管理が可能になるでしょう。これにより、製造業全体の競争力が向上し、持続可能な成長が実 現することが期待されます。生成AIは、製造業の未来を切り拓く重要な鍵となるでしょう。
GPT-4oでは、字数が1500字程度で守れていませんでしたが、GPT-5では字数制限をきちんと守れました。必須条件にも順守しており、内容もGPT-4oに比べより具体的になっている気がします。
キャリア相談
次にキャリア相談の結果を比較してみました。
添付ファイルは私のこれまでの経歴です。
今後のキャリアについて提案してください。
GPT-5の結果
あなたの経歴とスキルから判断すると、今後のキャリアでは以下の方向性が考えられます。
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プロジェクトマネジメント系へのシフト
理由- 上流工程から下流工程まで一貫して経験
- 中規模開発プロジェクトのリーダー経験
- 要件定義〜提案〜進行管理〜予算管理まで対応可能
具体的キャリア例 - ITコンサルタント(業務改革・DX推進)
- プロジェクトマネージャー(PM)
- PMO(Project Management Office)
メリット - 技術力+マネジメント力の両方を活かせる
- 年収レンジが高い(特にPM・PMO)
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AI・自動化領域の専門家
理由- Pythonによる業務効率化スキル
- ドキュメント作成力と顧客折衝力
具体的キャリア例 - RPA・業務自動化コンサルタント
- AI活用エンジニア(生成AI導入支援など)
- データ分析エンジニア
メリット - 市場成長中で案件単価も高い
- あなたの強み(業務理解+技術)が活きる
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業務系システム × 特定業界のスペシャリスト
理由- 業務系システムの開発・維持保守の豊富な経験
- 業界知識を活かした提案が可能
具体的キャリア例 - 特定業界向けの業務システムコンサルタント
- ERP(SAP、Oracle EBS)導入支援
メリット - ニッチ分野で希少性が高まり、継続案件が見込める
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フリーランス × 高単価案件特化
方向性- 上記①〜③いずれかを軸に、月単価80〜120万円クラスの案件を狙う
- エージェント経由+直契約の組み合わせ
戦略 - 保有資格やマネジメント経験を前面に出した営業資料を作成
- AI・自動化の事例をポートフォリオ化
メリット - 自由度が高く、収入の最大化が可能
GPT-4oの結果
あなたの経歴は非常に多様で、IT業界での経験が豊富であることがわかります。特にシステム開発の上流から下流までの工程を経験
し、プロジェクトリーダーとしての役割も果たしてきたことは、今後のキャリアにおいて大きな強みとなるでしょう。また、Python
やAI関連の技術を活用したプロジェクトに関わった経験も、現代の技術トレンドに沿ったものであり、非常に価値があります。
以下のキャリア進路を提案いたします:
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プロジェクトマネージャー/リーダー職への進化:
- 既に中規模プロジェクトのリーダー経験があるため、さらなるプロジェクトマネジメントスキルを磨くことで、大規模プロジェクトのマネージャーを目指すことができます。PMP(Project Management Professional)資格の取得も検討してみてください。
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データサイエンティスト/AIエンジニア:
- PythonやAI関連のスキルを活かして、データサイエンティストやAIエンジニアとしてのキャリアを深めるのも一つの道です。特に、データ分析や機械学習のプロジェクトに関わることで、ビジネス価値を引き出すことができるポジションを目指せます。
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コンサルタント職:
- 多様な業界でのシステム開発経験を活かし、ITコンサルタントとしてクライアントに最適なITソリューションを提案する役割に挑戦することも可能です。特に業務プロセスの効率化やデジタルトランスフォーメーションを支援するコンサルタントとして活躍で きるでしょう。
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技術スペシャリスト/アーキテクト:
- 技術的な深堀りを進め、特定の技術分野でのスペシャリストやシステムアーキテクトを目指すことも考えられます。特に、クラウド技術やAI技術の専門家としての地位を確立することができます。
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スタートアップや新規事業の立ち上げ:
- 自身のスキルと経験を活かして、スタートアップ企業での新規事業立ち上げや、自分自身で起業することも視野に入れてみてください。特にAIやデータ分析を基にしたサービスやプロダクトの開発は、今後も成長が期待される分野です。
これらの道の中から、あなたの興味や長期的な目標に合ったものを選び、次のステップを考えてみてください。どの方向に進むにし ても、あなたの経験とスキルは大きな武器となるでしょう。
4oでも的確なキャリアアドバイスができていましたが、GPT-5になるとより具体的になった気がします。
ゲーム作成
OpenAI公式にもゲーム作成の事例があったため、自身でも試してみました。
簡単なシューティングゲームをを作成してください。
以下のようなゲームが作成されました。
本当に一瞬でゲーム作成ができ、しかもバグの少ないゲームを作ってくれます。
前回のモデルからコーディング技術は大幅に上がっていることがわかりました。
Webコーディング
最後に、Webコーディングについても確認してみました。
私のキャリアシートをもとにプロフィールサイトを作成してください。
作成されたサイトが以下の通り
適当なプロンプトですが、それなりのサイトを作成してくれました。
プロンプトを作りこめば、簡単なWebサイトはもうAIで十分作成可能という感覚です。
デザイン性についてもかなり改善されているように思います。
まとめ
GPT-5が発表されたため、まずは内容の確認と、色々と試してみました。
これまでのGPTシリーズより、全体的に性能が上がっている印象でした。
この後は、APIなどについても確認していこうと思います。
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