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みんなで学ぶポストモーテム Lunch LTに登壇しました

2023/02/21に公開

この記事は、2023/02/09に開催された インシデントにどう対応してきたか?みんなで学ぶポストモーテム Lunch LT のフォローアップ記事です。

発表時のtwitterでの反応はこちらを御覧ください。インシデントにどう対応してきたか?みんなで学ぶポストモーテム Lunch LT #LT_findy - Togetter
また、Findyさんに登録すると、アーカイブ動画の再生もできるようです。私の発表スライドはこちらです。

「ポストモーテムはじめました」

by 株式会社スリーシェイク nwiizo(@nwiizo)さん
ポストモーテムはじめました - Speaker Deck

このLTセッションの冒頭を務めるnwiizoさんによるポストモーテムとはなにか?の紹介セッションです。
原典ともいえるGoogleのSRE本を引用しつつ、どんなことを重視しているのかを10分ほどでわかりやすく解説されて、後続のLTが非常にスムーズになったと思います!

「ポストモーテム運用を支える文化と技術」

by 株式会社リクルート Takeshi Kondo(@chaspy_)さん
ポストモーテム運用を支える文化と技術 / Culture and Technology Supporting Postmortem Operations - Speaker Deck

このLTセッションでは、特にポストモーテム文化をリクルートで始めたchaspyさんによるセッションで、「ポストモーテムを定着させるために、とにかく自分が率先して書いていく」であったり、「ポストモーテムのテンプレートはSRE本を引用しているが、今までほとんど更新する必要がなかった」話など、実際に導入し始めて定着した今だからこそ語れるような血の入った内容で非常に参考になりました!

「All for Oneなポストモーテム運用と工夫」

by 株式会社メルカリ Kuu🍣(@Fumiya_Kume)さん
All for One なポストモーテム運用と工夫 - Speaker Deck

このLTセッションでは、リクルートのchaspyさんと同様に、メルカリさんでのインシデント対応全体の話が具体的に記載されています。例えば、障害発生時に専用のSlackチャンネルを作っている話であったり、Blameless等を導入して効率化している話を聞くことができました。興味深い点としては、Engineering LadderでOwnershipの項目として、ポストモーテムの作成が明記されていることでしょうか。発表時にも触れられていましたし、発表タイトルにもありますが、SREだけではなくすべてのエンジニアでポストモーテムに注力している点が非常に興味深かったです!

「Postmortem as a textbook」

by LINE株式会社 maru(@maruloop)さん
Postmortem as a textbook - Speaker Deck

最後にLINEから私が、ポストモーテムを教材として活かしていくための品質向上方法について発表しました。具体的には、開発者がポストモーテムに書くフォローアップタスクの検討やレビューの会議をSREがファシリテーションしていく方法です。課題や会議の進め方、意識している点など、この会議を設計するにあたって意識した点を重点的に紹介しました。

総括して...

今回のLTイベントを通して、ふと「水は低きに流れる。人は易きに流れる」という言葉を思い出しました。
この言葉は、現代では「安易な方向に流れるな」という戒めとして使われているそうなのですが、原典の孟子では、低い方向に流れることをポジティブに捉えられ、むしろ外圧で無理して流れが変わってしまうのは人の本質ではない、という考えなようです。ここでいう人の本質とは性善説で、人は基本的に善だが、外圧で時々は悪いこともしてしまうよというニュアンスだそうですね。
また、水繋がりでいうと老子では「上善水の如し」という言葉もあるようで、水は万物に分け隔てなく恵みを与え、無理をせず、自然のままにいることから、最上の善として扱われています。

今回のイベントで、すべてのLTセッション通して共通しているのは、「人に無理をさせない」「仕組みで自然とそのように動けるようにする」といった点だと感じました。
「水が低きに流れる」ように、サービスの信頼性を改善するために、自然とポストモーテムを書くような仕組み・インセンティブを整えるためのHowToが詰まったイベントだったなと思いました。

イベントを企画運営してくださったFindyの皆様もありがとうございました!

参考

水の低きに就くがごとし(みずのひくきにつくがごとし)とは? 意味や使い方 - コトバンク
故事百選

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