メモ 「1兆ドルコーチ - シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え-」
Chapter2
マネジャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる——「人がすべて」という原則
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「どうやって部下をやる気にさせ、与えられた環境で成功させるか?
独裁者になっても仕方がない。ああしろこうしろと指図するんじゃない。
同じ部屋で一緒に過ごして、自分は大事にされていると、部下に実感させろ。
耳を傾け、注意を払え。それが最高のマネジャーのすることだ。」 -
マ-ネジャーの権威は「部下や同僚、上司と信頼を築くことによってこそ生まれる」
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「君がすぐれたマネジャーなら、部下が君をリーダーにしてくれる。リーダーをつくるのは君じゃない、部下なのだ」
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「1on1を正しくやる」と「スタッフミーティングを正しくやる」が、彼のマネジメントの最重要原則の筆頭
人がすべて
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どんな会社の成功を支えるのも、人だ。
マネジャーのいちばん大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことだ。
われわれには成功を望み、大きなことを成し遂げる力を持ち、やる気に満ちて仕事に来る、とびきり優秀な人材がいる。
優秀な人材は、持てるエネルギーを解放し、増幅できる環境でこそ成功する。
マネジャーは「支援」「敬意」「信頼」を通じて、その環境を生み出すべきだ。 -
あらゆるマネジャーの最優先課題は、部下のしあわせと成功だ。
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マネジャーは「決着」をつけよ最適解が生まれない場合、マネジャーは決定を促すか、みずから決定を下さなくてはならない。
「マネジャーの仕事は議論に決着をつけることと、部下をよりよい人間にすることだ」とビルは言った。
「『この方針で行くぞ。下らん議論はおしまいだ。以上』と宣言するんだ」
「第一原理」で人を導く
- その状況における「第一原理」、すなわち会社やプロダクトを支えている不変の真理を明らかにし、その原理をもとに決定を下せ
「天才」とうまく付き合う
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ハイパフォーマーだが扱いのむずかしい「規格外の天才」には寛容であれ。
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守ってやりさえすべきだ。
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だがそれは、倫理に反する行動や人を傷つけるような行動を取らず、経営陣や同僚へのダメージを上回る価値をもたらすかぎりでのことだ。
カネはカネだけの問題ではない
- 高い報酬は愛と敬意の証であり、社員を会社の目標に強く結びつける。
プロダクトがすべてに優先する
- 会社の存在意義は、プロダクトのビジョンに命を吹き込むことだ。それ以外のすべての部門は、プロダクトのためにある。
去る者に敬意を払う
- 誰かを辞めさせなくてはならないときは、手当をはずみ、手厚く扱い、功績に感謝せよ。
Chapter3
「信頼」の非凡な影響力 - 「心理的安全性」が潜在能力を引き出す -
「心理的安全性」が高いチームをつくる
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第1に、彼はコーチングを受け入れられる「コーチャブル」な人だけをコーチングした。ひとたび彼のテストにパスした相手に対しては、じっくりと耳を傾け、誠実に徹し、偉大なことを成し遂げられると信じ、誠意を尽くした。
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「私が知りたいのはただ一つ。君はコーチングを受け入れられるか?」
ジョナサンは反射的に、そしてまずいことにこう答えた。
「コーチによりますね」まちがった答えだ。
「利口ぶるやつはコーチできない」ビルはぴしゃりと言った。 -
自分は一緒に働く人を謙虚さで選んでいる
コーチされるのに必要な資格
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「コーチとは、自分がなれると思っている人物になれるように、聞きたくないことを聞かせ、見たくないものを見せてくれる人だ」。
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コーチとの関係から最大の価値を引き出すには、教えられる側がコーチングを受け入れる姿勢でいなくてはならない。
ビルのコーチングの根底には、人の価値は肩書きや職務ではなく、心の持ちようで決まる、という考えがあった。 -
ビルが求めたコーチャブルな資質とは、「正直さ」と「謙虚さ」、「あきらめず努力を厭わない姿勢」、「つねに学ぼうとする意欲」である。
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はるかに赤裸々に自分の弱さをさらけだす必要がある。
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コーチは教える相手がどれだけ自己認識ができているかを知る必要がある。
彼らに自己認識を促し、見えていない欠点に気づかせるのが、コーチの仕事だ。 -
自分自身とコーチに対して正直になり、自分が完璧でないことを自覚できるほど謙虚になれなければ、コーチとの関係を深めることはできない。
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正直に弱点を認められるか。
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謙虚さが重要な理由は、リーダーシップとは会社やチームという、自分より大きなものに献身することだと、ビルが考えていたからでもある。コーチャブルな人とは、自分よりも大きなものの一部になれる人
正直で謙虚な人材を見きわめる
- コーチャブルな資質とは、正直さと謙虚さ、 あきらめず努力を厭わない姿勢、つねに学ぼうとする意欲である。
「フリーフォーム」で話を聞く
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「いま向き合っている相手に細心の注意を払うことの大切さ。……相手に全神経を集中させ、じっくり耳を傾けることの大切さを〔ビルから〕学んだ。そうしてから、初めて本題に入る。順番があるんだ」
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自分から多くの質問をして、相手の状況を多面的に理解しようとする。そうすることで、用意された質問(や答え)に囚われずに、問題の核心を明らかにすることができる
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相手に全神経を集中させ、じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを 先まわりして考えず、質問を通して問題の核心に迫れ。
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すぐれたボスになるために必要なのは「相手を大切に思っていることをわかってもらえるようなかたちで本音を伝える」ことだと言う。
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「コーチは瞬間を捉えてコーチする」
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「相手と正面から向き合い、もっとできるだろうと挑むのが、ビルの自然な状態だ」とジェシーは言う。「ビルのすごいところは、ネガティブなフィードバックを与えるとき、攻撃的で容赦のないところだ」
「完全な率直さ」を身につける
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フィードバックは徹底的に正直で率直に、 そしてできるかぎり早く与えよ。ネガティブなフィードバックは人目のないところで与えよ。
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ビルは質問をし、耳を傾け、尻を蹴飛ばしてから、ほとんどの場合、何をすべきかを指図しなかった。ビルは、マネジャーはこうしろああしろと頭ごなしに言うもんじゃないと考えていた。何をするかを指図するな、なぜそれをやるべきかという物語を語れ。
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ビルは物語を語り、ジョナサンに持ち帰って考えさせるのだ。そして次のセッションでビルは、ジョナサンがそれを消化し、物語の教訓や伝えたかったことを理解したかどうかを確かめた。
「すべきこと」を指図するな
物語を語り、自力で最適解にたどりつけるよう導け。
Chapter4
チームファースト -チームを最適化すれ問題は解決する-
問題そのものより、チームに取り組む
- 問題や機会に直面したら、最初のステップは、 適切なチームを適所に置いて問題に取り組むことだ。
ビルは4つの資質を人に求めた
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まずは「知性」。
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これは勉強ができるということではない。
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さまざまな分野の話をすばやく取り入れ、それらをつなげる能力を持っていることだ。
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ビルはこれを「遠い類推」〔かけ離れたものごとをつなげる発想〕と呼んだ。
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そして「勤勉」であること。
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「誠実」であること。
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そして最後に、あの定義のむずかしい資質、「グリット」を持っていること。
- 打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と根気強さだ。
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ビルは代名詞にも注目した。
「私」(自分第一主義の証)と「私たち」のどちらを多く使うか? -
ビルは貢献意欲、それも個人的な成功だけでなく組織の大義に貢献する意欲を持っている人を求めた。
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自分の成功が他人との協力関係にかかっていることを理解している人、ギブアンドテイクを理解している人、つまり会社を第一に考える人」を探す必要がある。
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パフォーマンスの高いチームを築いて未来の基盤づくりをするには、経験だけでなく潜在能力をもとに採用することが欠かせない。
「正しいプレーヤー」を見つけよ
- 人に求めるべき最も重要な資質は、知性と心だ。
つまり、すばやく学習する能力と厳しい仕事を厭わない姿勢、誠実さ、グリット、共感力、そしてチーム・ファーストの姿勢である。
正しく勝利せよ
- 勝利を目指せ。だが献身、チームワーク、誠実さを持ってつねに正しく勝利せよ。
リーダーは先陣に立て
- 物事がうまくいかないとき、いつにも増して「誠意」「献身」「決断力」がリーダーに求められる。
Chapter5
パワー・オブ・ラブ -ビジネスに愛を持込め-
「やさしい組織」になる
- 人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない。
プライベートな生活について尋ね、家族を理解し、大変な時には駆けつけよ。
人を助けよ
- 時間や人脈などの資源を、人のために惜しみなく使え。
創業者を愛せ
- 強力なビジョンと情熱を持つ人々に敬意を持ち、彼らを守れ。
エレベータ・トーク -雑談の偉大な力-
- 職場の同僚を愛することは、そう簡単にできないかもしれない。それでも自然にできるようになるまで、練習を積め。
Chapter6
ものさし -成功を測る尺度は何か?-
「人間的な価値」が成功につながる
- 人間的な価値を高めることがビジネスの成果をもたらす。
自分の成功を測る「ものさし」
- 自分のために働いてくれた人や、自分が何らかの形で助けた人のうち、優れたリーダーになった人は何人いるだろうと考える。
それが自分の成功を測るものさしなのだ。
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