地図はHeading upか、North upか?
Mapboxにはこんなノベルティシールがあります。
カーナビを北上固定で使う人は、(一部少数のマニアックな人たちの中で)「Northupは男前」と言われます。
もちろんいじりも入った冗談ですが。
North up, Heading up とは
社会科の授業で、「オーストラリアでは南が上に書かれている。」という話を記憶の片隅に持っている方もいるかもしれません。実際には、お土産品などでそういうものはあれど、"逆さの地図"などの表記がされているそうです。
このように、地図というものは北を上に作成する、という基準は世界共通で存在しています。私のように地図を眺めること自体を趣味にしている人にとって、地図は必ず北が上になっているものでした。これがNorthup(北上)の地図です。
そんな地図を'読む'ものとしてきた私は今でもカーナビやスマホで見る地図を必ず北を上にしてみる癖がついています。一方現代の地図アプリや、カーナビで北を上にしている人はきっとあまりいませんね。(Northupの方友達になりましょう)。きっと多くの人は、自分の向いている(進行)方向を上に設定して地図を見ているのではないでしょうか。これがHeadingUpです。
尚、コードの実装上では、Bearingを0に設定したらNorthupとなり、GPSが教えてくれる今向いている方向の角度を設定したらHeadingupに設定することでそれぞれを対応できます。
男女の脳で空間把握に違いがあるのは有名な話ですが、性別に限らず、"地図が読めない人"、などの例でよく、紙の地図をくるくる回してしまう人の話を聞きます。これは自分でNorthupをHeadinUpに変えている人たちでしょう。もしかするとHeadingUpに限らず何か自分にとって基準になるものに向けている人もいるかもしれません。(自宅や職場など)
UIとして、サービスやアプリにHeadingUpが生まれたのは当然のことなのだと思いますし、地図が苦手と言ってきた人の中には、これならわかりやすい、と思える人もいるのではないでしょうか。
そして、どちらが良い悪いということではもちろんなく、これは地図とは?、エンジニアやデザイナーがどう役に立てるのか?ということを考えるいいストーリーだと感じます。
私は「地図」が、それを読む(あるいは作る)ことができる特定の人たちだけのものから、誰もが使い、楽しみ、作ることができる、ものになって欲しいと思っています。地図情報を取り扱う上での基本を抑えることは必要ですが、決して1種類の地図だけが正解である必要はないと思います。
その為に、エンジニア、デザイナーができることはなにか?がこのNorth UpとHeading Upの話には詰まっていると感じます。
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