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【データ分析】順解析と逆解析について整理する📝

[化学ドメイン/解析手法] 順解析と逆解析について整理 📝
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順解析
指定した実験条件における物性値を予測する解析手法
例 : ○○ の配合の時の物性値は? (byAI で予測) -
逆解析
求める物性値を指定し、その物性値を達成するような実験条件を導く解析手法

順解析/逆解析とは📝
順解析は、原因となる入力値(設計変数など)から結果(性能など)を求める手法で、逆解析は、結果から原因となる入力値を推定する手法です。
逆解析は、実験データとの照合や最適形状の発見に有効です。
順解析(Forward Analysis)
- 既知の入力(設計変数、初期条件、材料特性など)を使い、シミュレーションや解析で結果(変形、応力、速度など)を求める方法です.
- 例えば、構造解析では、初期形状と荷重を与えて変形後の形状や応力を計算します.
逆解析(Inverse Analysis)
- 既知の結果(観測値、実験データなど)から、その結果を導いた原因となる入力値を求める方法です.
- 逆解析は、実験データとの一致や最適形状の設計に役立ちます.
- 例えば、構造解析では、変形後の形状が既知の場合、変形を引き起こした荷重(入力)や初期形状(設計変数)を求めるために逆解析を行います.
- 逆解析は、逆問題と呼ばれます.
- 逆問題は、入力(原因)から出力(結果)を求める順問題を逆にした問題です.
逆解析の応用例
- 実験データとの照合:逆解析で実験結果と解析結果を一致させ、解析モデルの精度を向上させます.
- 最適形状の設計:逆解析で、特定の性能を達成するのに最適な形状を見つけます.
- 材料特性の推定:逆解析で、材料の特性を推定します.
- 工学や物理学の分野で広く用いられています.

順解析/逆解析とは? by o3
概念をひと言で
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順解析(forward analysis)
既知 のモデル + 入力条件 → 未知の結果 を求める。 -
逆解析(inverse analysis)
実測 または所望の 結果から → 未知のモデルパラメータや入力条件 を推定する。
CAE や材料力学、気象シミュレーション、機械学習の ハイパーパラメータ推定 など、分野を問わず現れるペア概念です。(cybernet.co.jp, msiism.jp, datachemeng.com)
1. 順解析の流れと特徴
ステップ | 内容 |
---|---|
① モデル準備 | 連続体方程式、有限要素モデル、機械学習モデルなど |
② 入力設定 | 材料定数・境界条件・初期値・ハイパーパラメータ |
③ 解を求める | 数値解法(FEM、CFD、ODE ソルバ、推論など) |
④ 結果解釈 | 変位、応力、温度場、予測ラベルなど |
- 目的: 設計案や仮説が妥当かを事前評価
- メリット: 手順が安定・一意的(通常)
- 例: 橋梁 FEM 解析で最大たわみを計算、ニューラルネットで未知データを推論
2. 逆解析の流れと特徴
ステップ | 内容 |
---|---|
① 実測結果の取得 | 実験値・観測値・目標分布など |
② 最適化問題へ変換 | 「モデル出力」と「実測値」の誤差を目的関数化 |
③ パラメータ探索 | 勾配法、遺伝的アルゴリズム、ベイズ最適化、MCMC… |
④ 検証 | 推定パラメータを使った順解析で再計算し誤差確認 |
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目的:
- 実験では直接測れない物性値(ヤング率・熱伝導率など)を同定
- 目標形状・応答を実現する入力パターンを逆算
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難しさ:
- 非一意解(同じ応答を与えるパラメータが複数)
- 不適切性(測定誤差を含むと解が発散しやすい)
- 計算コスト(順解析を何百〜何万回も呼び出す)
3. 逆解析でよく用いられる代表手法
手法 | 概要 | 特徴/適用場面 |
---|---|---|
出力誤差法(最小二乗法) | 目的関数=実測値と解析出力の二乗誤差 | 一般的。Scipy や Optuna でも実装容易 |
逆定式化法 | 微分方程式を直接逆向きに解く | 解が安定しにくい。限定的に使用 |
ベイズ最適化 | 予測モデル(ガウス過程等)で探索 | 順解析が高価な時に有効 |
逆強化学習/逆問題学習 | パスやポリシーを推定 | ロボット制御・経路計画 |
カルマンフィルタ/拡張カルマン | 時系列で逐次同定 | リアルタイム推定、航法 |
4. Python で最短体験 ― 1 次関数の逆解析
import numpy as np
from scipy.optimize import curve_fit
# 仮想実測データ (y = 2.0*x + 5.0 + ノイズ)
x_data = np.linspace(0, 10, 50)
y_data = 2.0 * x_data + 5.0 + np.random.normal(0, 0.3, x_data.size)
def model(x, a, b):
return a * x + b # 解析モデル
# 逆解析:a,b を同定
(a_hat, b_hat), _ = curve_fit(model, x_data, y_data)
print(f"推定 a={a_hat:.2f}, b={b_hat:.2f}")
実測 ��出力間の誤差を最小化して 未知パラメータ a, b を推定。
順解析はmodel(x, a_hat, b_hat)
を再度呼び出すだけで評価可。
5. 用語を使い分けるポイント
こう言いたいとき | 選ぶ言い方 |
---|---|
設計案の性能を試算したい | 「順解析で応答を計算する」 |
実機テスト結果から物性値を推定したい | 「逆解析で同定する」 |
NLP で前向き/後ろ向き探索を区別したい | 「順方向解析/逆方向解析」や「forward/backward parsing」 |
まとめ
- 順解析 … パラメータ → 結果。設計検証や予測に最適。
- 逆解析 … 結果 → パラメータ。実測値の解釈、条件同定、制御パラメータ設計に必須。
- 逆解析は最適化アルゴリズムや統計的推定を併用して 計算量・不適切性と戦う のが鍵です。
これで「順解析/逆解析とは何か」がイメージできると思います。ご不明点や具体的な適用例(材料同定、熱源推定、パラメータチューニングなど)があれば気軽にお知らせください!