クレジットカード決済などのStripe利用について
Stripeとは
Stripeは、ウェブサイトやモバイルアプリにオンライン決済機能を簡単に統合できる決済プラットフォームです。
クレジットカードやデビットカードをはじめ、Apple PayやGoogle Payなど多様な決済手段に対応しています。開発者向けに設計されており、強力なAPIやドキュメントを提供しています。
クレジットカード決済の仕組み
Stripeを利用したクレジットカード決済の一般的なフローは以下の通りです。
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顧客が商品やサービスを選択
ウェブサイトやアプリで購入したい商品やサービスを選びます。 -
決済情報の入力
顧客はクレジットカード情報(カード番号、有効期限、CVCなど)を入力します。Stripeでは、これらの情報を安全に収集するためのツール(Stripe ElementsやStripe Checkout)を提供しています。 -
トークン化
入力されたカード情報は、Stripeのサーバーでトークン化されます。これにより、実際のカード情報をサーバーに保存せずに決済を処理できます。 -
決済の承認
トークン化された情報をもとに、Stripeはカード発行会社や決済ネットワークと通信し、取引の承認を求めます。 -
決済結果の通知
承認が得られれば決済が完了し、顧客と販売者に結果が通知されます。承認されない場合は、エラーメッセージが返されます。 -
資金の移動
決済完了後、資金はStripeアカウントにプールされ、指定されたスケジュールで販売者の銀行口座に振り込まれます。
セキュリティ対策
- PCI DSS準拠: Stripeは国際的なセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠しています。
- SSL/TLS暗号化: データ通信は常に暗号化され、安全な経路で行われます。
- 3Dセキュア対応: 不正利用を防ぐための追加認証プロトコルである3Dセキュアをサポートしています。
他の決済サービスとの比較
項目 | Stripe | PayPal | Square |
---|---|---|---|
対応決済手段 | クレジットカード、デビットカード、Apple Pay、Google Payなど | 同左 | 同左 |
開発者向けツール | 強力なAPIとドキュメント | APIはあるが制限的 | 限定的なAPI |
手数料(国内取引) | 3.6% + 30円 | 3.6% + 40円 | 3.25% + 10円 |
国際決済の対応 | 多数の国と通貨に対応 | 同左 | 対応国が限定的 |
資金の受け取り速度 | 通常7日程度 | 即時(ただし引き出しに時間) | 翌営業日 |
顧客の支払い方法 | カード中心 | PayPal残高、カード | カード中心 |
*手数料は2023年10月時点の情報です。最新の手数料は各サービスの公式サイトをご確認ください。
類似用語の説明と比較
決済ゲートウェイ(Payment Gateway)
説明: オンラインでのクレジットカード決済を安全に処理するためのサービス。顧客のカード情報を取得し、決済プロセッサーに伝達します。
Stripeでの扱い: Stripe自体が決済ゲートウェイの機能を提供しています。
決済プロセッサー(Payment Processor)
説明: 決済ゲートウェイから受け取った取引情報をカード発行会社や決済ネットワークに送信し、承認や清算を行います。
Stripeでの扱い: Stripeは決済プロセッサーの役割も果たしています。
マーチャントアカウント(Merchant Account)
説明: クレジットカード決済のために必要な銀行口座。通常、取得に審査が必要です。
Stripeでの扱い: Stripeはマーチャントアカウントを必要とせず、代わりにStripeアカウントを通じて資金を管理します。
用語 | 説明 | Stripeでの役割 |
---|---|---|
決済ゲートウェイ | オンライン決済の安全な処理と伝達を行うサービス | 提供 |
決済プロセッサー | 決済情報の承認と清算を行うサービス | 提供 |
マーチャントアカウント | クレジットカード決済のための銀行口座 | 不要(Stripeが代替) |
まとめ
Stripeを利用することで、複雑なクレジットカード決済の仕組みを簡略化し、安全かつ効率的にオンライン決済を導入できます。他の決済サービスと比較しても、開発者向けの柔軟なツールや国際的な対応力が強みです。類似する用語やサービスを理解することで、より適切な決済ソリューションを選択することが可能になります。
Stripe情報まとめ
クレジットカード決済などのStripe実装について
React Stripe.js リファレンス
ES モジュール Stripe.js SDK
React × Stripe
Next.js × Stripe で月額課金を実装する場合
Stripe の入金サイクルについて
Stripeの入金サイクルは、デフォルトでは毎週金曜日に設定されています。入金日の4営業日前からさかのぼり、1週間分のお支払いが入金対象となります。
Stripeでは、週1回または月1回で入金スケジュールを設定でき、Stripeダッシュボード上で変更することも可能です。
ほとんどのStripeアカウント所有者は、希望する入金スケジュールを指定できますが、国によっては入金スケジュールに制限があります。日本では日次の入金は利用できません。
入金が完了したとStripeから言われても、銀行口座に届いていない場合は、次の点を確認してください。
多くの銀行では、資金を受領したその日のうちに反映されますが、場合によっては、銀行が資金を反映するまでにさらに2~3日かかることがあります。
入金日が週末や銀行の休日にあたる場合は、次の営業日まで銀行口座に反映されません。
NestJS ✖️ Stripe実装について🌟
React ✖️ Hono ✖️ Stripe 実装について
React、Hono、Stripeを使用してクレジットカード決済機能を実装する手順を以下に整理します。
1. 概要
- React:ユーザーインターフェースを構築するためのJavaScriptライブラリ。
- Hono:TypeScriptで書かれた軽量なWebフレームワークで、バックエンドAPIを構築するために使用。
- Stripe:オンライン決済処理サービスで、クレジットカード決済を安全かつ簡単に実装できる。
2. Stripeのセットアップ
- Stripeアカウントの作成:Stripe公式サイトでアカウントを作成します。
- APIキーの取得:ダッシュボードから公開可能キー(Publishable Key)とシークレットキー(Secret Key)を取得します。開発中はテスト用のキーを使用します。
- テストモードの確認:開発時にはテストモードを使用し、テストカードで動作確認を行います。
3. バックエンド(Hono)のセットアップ
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プロジェクトの初期化:
mkdir hono-backend cd hono-backend npm init -y npm install hono stripe dotenv
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必要なパッケージのインストール:
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hono
:Honoフレームワーク。 -
stripe
:StripeのサーバーサイドSDK。 -
dotenv
:環境変数を管理。
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環境変数の設定:
.env
ファイルを作成し、シークレットキーを設定します。STRIPE_SECRET_KEY=sk_test_************************
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エンドポイントの実装:
// src/index.ts import { Hono } from 'hono'; import Stripe from 'stripe'; import { config } from 'dotenv'; config(); const app = new Hono(); const stripe = new Stripe(process.env.STRIPE_SECRET_KEY!, { apiVersion: '2022-11-15' }); app.post('/create-payment-intent', async (c) => { const { amount } = await c.req.json(); const paymentIntent = await stripe.paymentIntents.create({ amount, currency: 'jpy', }); return c.json({ clientSecret: paymentIntent.client_secret }); }); export default app;
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サーバーの起動:
npm install -g hono-cli hono dev src/index.ts
4. フロントエンド(React)のセットアップ
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プロジェクトの初期化:
npx create-react-app react-frontend --template typescript cd react-frontend
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必要なパッケージのインストール:
npm install @stripe/react-stripe-js @stripe/stripe-js
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Stripe Elementsの設定:
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Stripeコンテキストの設定:
// src/App.tsx import React from 'react'; import { Elements } from '@stripe/react-stripe-js'; import { loadStripe } from '@stripe/stripe-js'; import PaymentForm from './PaymentForm'; const stripePromise = loadStripe('あなたの公開可能キー'); const App = () => ( <Elements stripe={stripePromise}> <PaymentForm /> </Elements> ); export default App;
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決済フォームの実装:
// src/PaymentForm.tsx import React, { useState } from 'react'; import { useStripe, useElements, CardElement } from '@stripe/react-stripe-js'; const PaymentForm = () => { const stripe = useStripe(); const elements = useElements(); const [amount, setAmount] = useState(1000); const handleSubmit = async (event: React.FormEvent) => { event.preventDefault(); const res = await fetch('http://localhost:3000/create-payment-intent', { method: 'POST', headers: { 'Content-Type': 'application/json' }, body: JSON.stringify({ amount }), }); const { clientSecret } = await res.json(); const result = await stripe?.confirmCardPayment(clientSecret, { payment_method: { card: elements!.getElement(CardElement)!, }, }); if (result?.error) { console.error(result.error.message); } else { if (result?.paymentIntent?.status === 'succeeded') { console.log('支払いが成功しました!'); } } }; return ( <form onSubmit={handleSubmit}> <input type="number" value={amount} onChange={(e) => setAmount(Number(e.target.value))} /> <CardElement /> <button type="submit" disabled={!stripe}> 支払う </button> </form> ); }; export default PaymentForm;
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バックエンドとの通信:フロントエンドからバックエンドの
/create-payment-intent
エンドポイントにリクエストを送信します。
5. 支払いフローのテスト
- テストカードの使用:Stripeが提供するテスト用クレジットカード番号(例:4242 4242 4242 4242)を使用します。
- 支払いの確認:Stripeダッシュボードで支払いが正しく処理されたか確認します。
- エラーハンドリング:無効なカード情報でテストし、エラーが適切に表示されるか確認します。
6. 本番環境への移行
- APIキーの切り替え:テスト用のAPIキーから本番用のAPIキーに変更します。
- Webhookの設定:支払いの成功や失敗を検知するためにWebhookを設定します。
- 最終テスト:本番環境で実際のカードを使用してテストします。
7. セキュリティ考慮事項
- APIキーの保護:シークレットキーは環境変数で管理し、コードリポジトリに含めないようにします。
- データの検証:バックエンドで受け取るデータは必ず検証します。
- PCI DSS準拠:カード情報を直接扱わないことで、PCI DSSの要件を満たします。
まとめ
以上がReact、Hono、Stripeを使用してクレジットカード決済機能を実装する手順です。これらの手順を順に進めることで、安全かつ効果的な決済システムを構築できます。
Stripeの仕組みと、他の決済サービスの比較 by Felo🌟
Stripeを使ったクレジットカード決済の仕組みは、オンラインでの支払いを簡単かつ安全に行うためのプロセスを提供します。
以下にその仕組みを整理し、関連する用語や比較表を作成します。
Stripeを使ったクレジットカード決済の仕組み
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取引の開始:
- 顧客が商品やサービスを選択し、決済ページに進みます。
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カード情報の入力:
- 顧客はクレジットカード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコードなど)を入力します。
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認証リクエスト:
- Stripeは、顧客のカード情報を安全に処理し、カードネットワーク(Visa、Mastercardなど)に認証リクエストを送信します。
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取引の承認:
- カードネットワークは、カード発行銀行に取引の承認を求めます。銀行が承認すると、カードネットワークはStripeに承認結果を返します。
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取引の完了:
- Stripeは、取引が承認されたことを顧客と商業者に通知し、取引が完了します。
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資金の移動:
- 取引が完了すると、資金が顧客の銀行口座から商業者の口座に移動します。このプロセスは通常数日かかります。
関連用語の説明
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アクワイアラー: クレジットカード決済を処理する金融機関。商業者の代理として取引を処理します。
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インターチェンジフィー: カード発行銀行が商業者から受け取る手数料。取引ごとに発生します。
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決済ゲートウェイ: オンライン決済を処理するためのシステム。Stripeはこの役割を果たします。
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デジタルウォレット: Apple PayやGoogle Payなど、オンラインでの支払いを簡単にするためのサービス。Stripeはこれらの支払い方法にも対応しています。
比較表: Stripeと他の決済サービス
特徴 | Stripe | PayPal | Square |
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手数料 | 2.9% + 30セント/取引 | 2.9% + 30セント/取引 | 2.6% + 10セント/取引 |
入金サイクル | 約7日 | 即日または数日 | 即日または数日 |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
対応する決済方法 | クレジットカード、デビットカード、デジタルウォレット | クレジットカード、デビットカード、PayPal残高 | クレジットカード、デビットカード |
開発者向けのAPI | あり | あり | 限定的 |
国際取引の対応 | あり | あり | 限定的 |
まとめ
Stripeは、オンライン決済を簡単に実装できるプラットフォームであり、クレジットカード決済のプロセスをスムーズに行うための多くの機能を提供しています。
手数料や入金サイクル、対応する決済方法など、他の決済サービスと比較しても競争力があります。
特に、開発者向けのAPIが充実しているため、カスタマイズ性が高い点が特徴です。