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【ML Tips / LLM Tisp】AI ModelやDatasetsに対するライセンス管理について📝
AI ModelやDatasetsに対するライセンス管理について📝
AIモデル/データセットのライセンス管理=「何を」「どう使えるか」「何を守るか」を可視化して運用することです。
対象は大きく①コード ②学習済みモデル(重み・チェックポイント)③データセット ④生成物/出力の4層に分かれ、それぞれ適用される典型ライセンスや義務が違います。
特に最近はOpenRAIL系やLlama系の“オープンだけど条件付き”モデルライセンスが増えているため、「商用可否」「再配布」「有害用途禁止」「巨大ユーザー数制限」などの条項確認が必須です。 (Hugging Face, GitHub, ai.meta.com, llama.com, OpenSource Connections, DEV Community)
最低限の管理フロー(5ステップ)
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資産インベントリ化:コード/モデル/データを区別し、元ソースとライセンスを記録(モデル・データカードでメタデータ化)。 (Hugging Face, Hugging Face, Hugging Face)
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権利確認チェックリスト:
- 商用利用可?
- 再配布・派生物の公開義務(Share-Alike/Copyleft)?
- 表示義務(TASL:Title/Author/Source/License)? (wiki.creativecommons.org, apache.org, Open Source Initiative, GNU)
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組み合わせ互換性の確認:複数ライセンス混在時に義務が矛盾しないか(例:ODbLのSA vs. MIT)。ライセンス表記だけでは不十分で、実際の再配布履歴や派生経路も追跡。 (opendatacommons.org, LG AI Research, MIT Media Lab)
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下流への伝達:配布時に元ライセンス全文・NOTICE・変更点を添付(Apache等)。 (apache.org, FOSSA)
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運用&監査:公開前レビュー、変更時の再評価、記録の更新(データ出自・同意・偏り情報の透明化)。 (An MIT Exploration of Generative AI, arXiv)
ライセンス・チートシート(よく出るものだけ)
| 名称 / 用途例 | 主に使われる対象 | 主要な許諾 | 主な義務・制限 | 一言まとめ |
|---|---|---|---|---|
| CC0 1.0 | データセット、メタデータ | 事実上パブリックドメイン、商用含め自由利用可 | なし(法的に放棄) | 「クレジット不要の完全フリー」. (Creative Commons, opendatacommons.org, opendatacommons.org) |
| CC BY 4.0 | データセット、論文図表 | 共有・改変・商用可 | 著者等への帰属表示必須(TASL推奨) | 「表示さえ守ればOK」. (Creative Commons, wiki.creativecommons.org) |
| CC BY-NC 系 | 研究用データ公開 | 非商用のみ | 帰属表示+商用禁止 | 「商用NGに注意」. (Creative Commons) |
| ODbL 1.0 | データベース(地理情報等) | 共有・改変可 | 帰属表示+同一ライセンスで公開(Share-Alike) | 「データ版GPL」. (opendatacommons.org, opendatacommons.org) |
| PDDL | データベース | パブリックドメイン相当 | 制限なし | 「データ向けCC0」. (opendatacommons.org, aims.gitbook.io) |
| Apache 2.0 | モデルコード/一部モデル重み | 商用可、特許ライセンス付与 | 版权表示・ライセンス全文・変更点・NOTICE保持 | 「特許込みの緩いOSS」. (apache.org, FOSSA) |
| MIT | モデルコード | ほぼ自由 | 著作権表示とライセンス文の保持 | 「最小限義務のOSS」. (Open Source Initiative, FOSSA) |
| GPLv3 / AGPLv3 | 学習用ツール、Web配布ソフト | 改変配布可 | 強いコピーレフト(AGPLはネット提供でもソース開示義務) | 「配布/提供時にソース公開」. (GNU) |
| OpenRAIL(-M/++) | 生成AIモデル(Stable Diffusion等) | 無償利用・改変可 | 有害用途禁止など“用途制限”+帰属 | 「責任ある利用条件付きオープン」. (Hugging Face, GitHub, Responsible AI Licenses (RAIL)) |
| Llama 2 / 3 License | LLM重み | 無償利用・改変・再配布可 | 700M MAU超は別許諾、競合モデル強化禁止など独自制限 | 「“準オープン”の独自条項あり」. (ai.meta.com, llama.com, OpenSource Connections, DEV Community) |
使うときのミニチェックリスト
- □ 何を使う?(コード/データ/重み/出力)
- □ 商用利用可?
- □ 再配布や派生物の公開条件は?(SA/Copyleft/ネット配布)
- □ 表示義務の具体内容(TASL、NOTICE等)を書いたか?
- □ 利用禁止用途やスケール制限条項は?(OpenRAIL/Llama系)
- □ 下流ユーザーにも条件を伝えたか?(ライセンス同梱)
- □ 出自・合意・プライバシーの記録を残したか?