【Linuxコマンド】後からディレクトリ内のファイルなどをすべて特定のディレクトリに移動する方法📝
後からディレクトリ内のファイルなどをすべて特定のディレクトリに移動する方法📝
bashの場合
mkdir frontend && mv * frontend && mv .[!.]* frontend
zshの場合
mkdir frontend && mv * frontend && mv '.[!.]*' frontend
mv * frontend の意味
mv * frontend は、現在のディレクトリにある通常ファイルおよびディレクトリ(隠しファイルを除く)を、frontend というディレクトリに移動するためのコマンドです。以下、その各部分の意味と動作を詳しく説明します。
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mv コマンド
mvは「move」の略で、ファイルやディレクトリを移動(または名前変更)するために使用されます。 -
ワイルドカード
*-
*はシェルにおけるグロブパターンで、現在のディレクトリ内の「隠しファイル(ドットで始まるファイル)を除く」全てのファイルやディレクトリを意味します。 - Unix系システムでは、通常、
*はファイル名の先頭が「.」でないものにだけマッチします。つまり、.gitignoreや.DS_Storeといった隠しファイルは対象になりません。
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移動先の
frontend-
frontendは移動先のディレクトリ名です。コマンドを実行する前に、このディレクトリが存在している必要があります。 - コマンドの実行後、
*にマッチしたファイルやディレクトリが全てfrontend内に移動されます。
-
実行の流れ
- シェルはまず
*を展開し、現在のディレクトリ内の隠しファイル以外の全ファイルおよびディレクトリのリストを生成します。 - そのリストとともに
mvコマンドが実行され、指定されたファイル群がすべてfrontendディレクトリに移動されます。 - 例えば、
file1.txt、docs、index.htmlなどがある場合、シェルは以下のように展開します。mv file1.txt docs index.html ... frontend - 結果、これらのファイルとディレクトリはすべて
frontendの中に移されます。
注意点
- 隠しファイルは対象外となるため、もし隠しファイルも移動したい場合は、別途
mv .[!.]* frontendのようなコマンドが必要です。 -
frontendディレクトリが存在しない場合、エラーが発生しますので、事前にmkdir frontendで作成しておく必要があります。
このように、mv * frontend は非常にシンプルなコマンドで、カレントディレクトリの通常ファイルおよびディレクトリを一括で別のディレクトリへ移動するために利用されます。
mv .[!.]* frontendのコマンドの意味
mv .[!.]* frontend のコマンドは、隠しファイル(ドットで始まるファイル)を指定したディレクトリ(ここでは frontend)へ移動するためのものです。以下で各部分の意味を詳しく説明します。
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mv
ファイルやディレクトリを移動(または名前変更)するためのコマンドです。 -
.[!.]*
これはグロブ(ワイルドカード)パターンで、以下のように解釈されます。-
.
ファイル名の最初の文字が「.」で始まることを示します。これにより、隠しファイルが対象になります。 -
[!.]
角括弧内のパターンで、「.」以外の任意の1文字にマッチします。これにより、ファイル名の2文字目が「.」で始まるもの(例えば、..で始まる親ディレクトリを表すエントリ)を除外します。 -
*
直前のパターンに続く任意の文字列(ゼロ文字以上)にマッチします。
-
この組み合わせにより、
-
.[!.]*は、「.」で始まり、次の1文字が「.」でない任意の隠しファイルまたはディレクトリ(例:.gitignore,.DS_Storeなど)にマッチします。 -
ただし、
.(現在のディレクトリ)や..(親ディレクトリ)といった特殊なディレクトリエントリはマッチしません。 -
frontend
移動先のディレクトリを指定しています。ここではfrontendというディレクトリに、対象の隠しファイルをすべて移動します。
まとめると、このコマンドは、隠しファイルのうち、. や .. 以外のファイル・ディレクトリを frontend へ移動するために使われます。
.[!.]*コマンドの意味は?
.[!.]* は、シェルのグロブパターン(ワイルドカードパターン)の一種で、隠しファイルや隠しディレクトリ(ドットで始まるが、特殊な「.」や「..」ではないもの)を選択するために使われます。具体的な意味は以下の通りです。
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.
ファイル名の先頭がドットで始まることを示しています。これにより、隠しファイルや隠しディレクトリが対象になります。 -
[!.]
角括弧内のパターンで、ここでは「.」以外の任意の1文字にマッチします。つまり、2文字目がドットでないことを保証しています。これにより、..(親ディレクトリを表す特殊なエントリ)など、先頭が..になってしまうものを除外できます。 -
*
直前のパターンに続く任意の文字列(ゼロ文字以上)にマッチします。
まとめると、.[!.]* は「先頭がドットで、2文字目がドットでないファイルやディレクトリ」という意味になり、通常の隠しファイル(例: .gitignore や .DS_Store)を安全に指定するために使われます。
bashコマンドにおける !の意味と、[ ] の意味は?
bashにおけるグロブ(ワイルドカード)の文脈で説明すると、以下のようになります。
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[ ](角括弧)
角括弧は「文字クラス」を指定するために使われます。
例えば、[abc]は「a、b、cのいずれか1文字」にマッチし、[0-9]は任意の1桁の数字にマッチします。
つまり、角括弧内に書かれた任意の文字の中から、1文字だけが対象となるという意味です。 -
!(感嘆符)
グロブパターン内で、角括弧の最初に配置されると「否定」を意味します。
例えば、[!a]は「a以外の任意の1文字」にマッチします。
したがって、[!.]は「ドット(.)以外の任意の1文字」にマッチするという意味になります。
これらを組み合わせると、たとえばパターン .[!.]* は「先頭がドットで始まり、次の1文字がドットではないファイルやディレクトリ」にマッチするようになり、特殊なエントリ(. や ..)を除外するために利用されます。
グロブ(ワイルドカード)パターンとは?
グロブパターンとは、シェル(例:bash)やコマンドラインツールでファイルやディレクトリを一括して指定するために使われる簡易的なパターンマッチングの方法です。以下のような特徴があります。
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ワイルドカードの利用
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*:任意の文字列(ゼロ文字以上)にマッチします。例えば、*.txtは拡張子が.txtの全ファイルにマッチします。 -
?:任意の1文字にマッチします。例えば、file?.txtは、file1.txtやfileA.txtにマッチします。 -
[...]:角括弧内のどれか1文字にマッチします。例えば、file[0-9].txtは、file0.txt~file9.txtにマッチします。
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隠しファイルの扱い
通常、グロブパターンは先頭がドット(.)で始まるファイル(隠しファイル)にはマッチしません。これは意図的な仕様で、例えば*は隠しファイルを除外します。 -
正規表現との違い
グロブパターンは正規表現に比べてシンプルで、特定の用途(主にファイル名の展開や選択)に特化しており、正規表現のような複雑なパターンは表現できません。
このように、グロブパターンはシェルスクリプトやコマンドラインでファイル操作を効率化するための基本的なツールとして広く利用されています。