【AIエージェント開発】LangChainとLangGraphの違いについて📝

LangChainとLangGraphの違いについて📝
ラングチェイン(LangChain)とランググラフ(LangGraph)の主な違いは、「処理フローの構造」と「状態管理の柔軟性」にあります。それぞれの特徴・適したユースケースを以下にまとめました。
LangChain(ラングチェイン)
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概要:大規模言語モデル(LLM)を活用したアプリケーション開発のフレームワークで、シーケンシャルな処理チェーンを組むことに特化しています。(ウィキペディア, JOBIRUN)
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構造:タスクを直線的に順番に実行するチェーン(有向非巡回グラフ:DAG)で構成。例えば、“取得→要約→回答”といった連続処理に適しています。(JOBIRUN)
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主なコンポーネント:
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ユースケース:文書解析、要約、チャットボット、RAG(Retrieval-Augmented Generation)の構築など、順序が明確なシンプルな処理に最適です。(Zenn)
LangGraph(ランググラフ)
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概要:LangChainエコシステム内の拡張ライブラリで、状態を持つマルチエージェント・ステートフルな処理を構築するのに適しています。(JOBIRUN)
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構造:グラフ構造を採用し、ループや分岐・条件付きフローが可能です。より柔軟で非線形的なワークフローに対応できます。(kdjingpai.com)
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状態管理:
- 各ノードがグローバルな「state」にアクセス・変更可能で、会話の継続や途中再開にも向いています。(JOBIRUN, kdjingpai.com, Curotec)
- 永続化、リトライ、ヒューマンインザループなど高度な制御が可能な設計になっています。(Curotec)
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ライブラリ/プラットフォーム:
- LangGraph 自体はオープンソース(MITライセンス)。開発者は自由に利用できます。(langchain.com)
- LangGraph Platform(2025年5月14日に一般提供開始):スケーラブルな展開や管理、UIによるワークフロー設計などを支援する商用プラットフォーム。(ウィキペディア)
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視覚的・ローコード設計:低コード/視覚的にフローを設計できるという観点では、LangGraphは直感的なUIを備えた選択肢ともされています(特にLangFlowとの関連で語られることもありますが、本質はグラフ指向のワークフロー設計)。(oxylabs.io, Simplilearn.com, langchain.com)
比較表
比較項目 | LangChain(チェーン型) | LangGraph(グラフ型) |
---|---|---|
構造 | シーケンシャル(DAG) | グラフ構造(分岐・ループ・状態管理) |
状態管理 | メモリはあるが限定的 | ステートフルな状態管理、永続化、再開、マルチエージェント に対応 |
複雑さ | シンプルなフロー向き | 複雑かつ動的なワークフローに強み |
UI/開発性 | コーディング中心 | ローコード/視覚設計に対応するオプションあり(LangGraph Platform) |
適用例 | 文書処理、単純なエージェント、RAG | 仮想アシスタント、AIエージェントの協調、多段階業務ワークフロー |
まとめ
- シンプルで直線的な処理(取得 → 要約 → 回答など)には LangChain が適しています。
- 状態の保持、分岐・ループ、複数エージェントの協調などの 複雑かつ動的な処理フローには LangGraph が強みを発揮します。
- LangGraphはLangChainの上に成り立ちつつ、より柔軟で状態管理に強い設計を提供するフレームワークです。
ご質問の内容や開発したいシステムの特性(シンプルさ・複雑さ・状態管理の必要性など)によって、より適切な選択は変わってきます。もし具体的な例や実装を考えていらっしゃれば、それに合わせておすすめの使い方もご案内できますので、お気軽にお知らせください!