ディレクションを担当するときにやっていたMTG(会議)の準備と当日の進め方
エンジニアといえど、部分的にディレクションの役割を担うことがあります。
個人的にも開発がメインになる運用・改修時にはディレクター的な立ち回りをすることもありました。
会社や契約条件によって色々なやり方があると思いますが、意識していたことや、こんなふうにやるとうまくいったということをまとめてみました。
1. アジェンダを準備する
アジェンダは当日の共有でも問題にはなりませんが、1〜2日前に共有できればベストと考えていました。
とくに役職が上がるほど他のMTGなどで時間がないので、余裕を持って共有しないと確認する時間が取れないからです。とはいえ、MTGの時間になってから目を通す進め方の方も多いので、事前に見てくれていたらラッキーくらいのスタンスでいました。
アジェンダは以下のような順番で記載していました。
- 目的
- ゴール
- 前回までの要約
- 議題と情報と進め方
- ネクストアクション
1. 目的
「このMTG内でどんな状態を目指したいか」を箇条書きします。
たとえば、認識を合わせられたらOKかもしれないですし、これを決めておかないと進めにくくなることもあるかもしれません。
気をつけていたのは目的を増やしすぎないこと。
時間は思っているよりも早く過ぎていきますし、想定していなかったことも普通に起こります。
楽観的に見積もって70~80%の時間で終わるかなと思うくらいの内容にしていました。
数としては1〜3個くらい。
2. ゴール
「何ができればMTGを終了できるか」を箇条書きします。議題もそうですが「名詞を動詞する」というフォーマットを使うと具体的にできます。
たとえば、ある施策の相談をして了承を得るであったり、方向性を確認してタスクとスケジュールを決めるかもしれません。
ここまでの目的とゴールを整理することで、この時間でやること・やらないことを全員がなんとなくでもいいので共通認識として持てれば成功と考えています。
3. 前回までの要約
人は忘れるものという前提で進めます。とくにマルチタスクで色々な仕事をしている人は細かなところまで覚えていないことが多いです。
単純に前回までの内容を整理しないとアジェンダが作れないという事情もあります。
要約も箇条書きで、なるべく簡潔に表現します。
たとえば次のようなことです。
- 議題
- 懸念点
- 決定事項・持ち越したこと
- 前回のネクストアクション
4. 議題と情報と進め方
議題はゴールとイコールになるかもしれませんし、もう少し具体的な内容になるかもしれません。
もし議題に関する情報があれば簡潔にまとめておきます。
そして議題を検討して決定するための進め方を想定しておきます。
「こんなふうに進めると決めやすそうかな?」「この議題については〜さんに説明をまずお願いしようかな?」といったようにです。
MTG内でどれくらい時間を割くかも想定しておけるといいです。
MTGを始めるときもそうですが、議題を話し合うときも、具体的な話から始めずに進め方から始めるほうがスムーズに進行できる気がします。
5. ネクストアクション
ネクストアクションは次にやるタスクのことです。
MTGを通して作っていくものですが、アジェンダの準備中に思いついたものは残しておきます。いわゆる「叩き台」を置いておくことで認識が合いやすかったり、意見を出すためのヒントになると思います。
2. 当日の進め方
MTG当日にどのように立ち振る舞うかです。
アジェンダを画面で共有する
必ず自分の画面を共有して、全員でアジェンダを見ながら進めるようにします。
意思疎通がしやすくなるのと同時に、問題に対して私たちで考える構図にしたいからです。
アジェンダを説明する
全体像を把握してもらいます。
2~3分くらいを目安に、なんとなく把握してくれたらOKくらいのスタンスです。
議題を集めて最終的な進め方を相談する
アジェンダは準備しましたが、参加者は何かしらの意見や考えを持ってきてくれているかもしれません。
「こんな感じで進めようと思っていますが、話したいことや気になることがあれば教えてください」と声をかけて、全員で今日の進め方を決めていきます。
要約する
簡潔に話すってかなり難易度の高いことだと思っています。ついつい補足情報を重ねてしまうものです。他には「あれ、これ、それ」が何を指しているのか確信が持てないなんてこともあります。
なので、その人が話した内容から「つまりこういうことですか?〜」を繰り返して意見を書き出して、その中から今話すべきものを次の話題にします。
要点をアジェンダに記載しながら進める
話しているだけだと空中戦になりがちで、意見がまとまりにくくなります。単純に意見のすべてを覚えておきながら考えるのは難しいです。
必ず要点を簡潔な文章で記載しながら話し合いを進めます。
発言を促す
MTGの進行役は発言する機会も多く、MTGの質に関係なく自己評価が高くなる傾向があるようです。つまり「たくさん発言したから、いいMTGだった」と満足してしまうということです。
あとはアジェンダを作った段階で、自分だけで判断できることは書いたと思います。つまり、それでもMTGが必要なのは他の人が答えやヒントを持っているということです。
じゃあ発言してもらうしかないですよね。
どうすれば決められるかを話す
仕事におけるMTGのほとんどは「決める」ために開催します。
色々な意見が出るように「発散」を促しつつ、しっかりと「収束」するように具体的にしていくことが大切だと思います。
「できない方法」をずっと話していても何も変わらないし、「できそうな方法」にベクトルを向けていきたいです。
予定時間の75%が経過したらクロージング
MTGの最後には必ずネクストアクションを決めます。
つまり、「何が決まって」「誰が」「いつ」「何をするか」です。
定期的にスケジュールを決めていない場合は、その場で次の日程を押さえてしまいます。忙しい人や参加人数が多い場合は、チャット上で決めるよりも早く済むことが多いです。
75%は1時間なら残り15分、30分なら残り7.5分です。
長いように思えますが、案外とすぐに時間が来てしまいます。
まとめ
- アジェンダを準備して、自分の中でやることを整理しておく
- 目的とゴール、進め方といった全体像から始める
- 足りないかなと感じるくらいにやることを絞っておく
- MTGの終了条件を決めることが大切
- 前回の内容を忘れている前提で準備する
- 進め方を一緒に決める
- 話を広げながらも決める意識を持つ
- 余裕を持ってクロージングを始める
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