誘惑の多いリモートワークでも集中して仕事ができるように工夫していること
1. タイムタイマーでポモドーロテクニックを実践して機械的に過ごす
ポモドーロテクニックとは、生産性を高めるための時間管理術です。
次の手順で進めています。
- 25分のタイマーを開始、優先順位の高いタスクに集中して実施する
- アラームが鳴ったら5分のタイマーを開始、トイレ休憩やストレッチなどをして身体と頭を休める(軽く掃除や家事などをしてリフレッシュするのも◎)※ここまでを1ポモドーロと呼びます
- 1.と2.を4回実施したら15~30分のタイマーを開始、間食やパワーナップ(積極的仮眠)などをして次のモポドーロに備える
- 1.から3.を繰り返す
やる気は行動から起こること言われているので、余計なことは考えずにロボットのように作業と休憩を繰り返すことで、仕事がいつの間にか進むようになります。
不安や心配を感じやすく、「モチベーションが湧かない」と日常的に感じている人にはポモドーロが特に効果的だと思います。
わたしの場合は、基本的は25分と5分のポモドーロをおこない、「深く長い思考」が必要な性質の作業では50分と10分のように時間を伸ばしてみるのも有効と感じています。
正しいやり方ではタスクの粒度なども考える必要があるようなのですが、行動と休憩をするために使っているので、タスクの粒度は気にしていません。
また、定期的に休憩することで、過集中になるのを防げたり、ストレッチなどをすることで肩こりや腰痛の予防にもなります。
Slackの調査によると生産性の向上にも寄与するようです。
またデスクワーカーの約半数が「勤務中にほとんど、あるいは全く休みを取らない」と回答。日本においてはこの確率が63%まで向上し、調査対象国で最も高い水準となる。これらの従業員は1.7倍高い割合で「燃え尽き」を経験している。
一方で、定期的に休憩を取る従業員は生産性のスコアが13%高い。また、ワークライフバランスのスコアやストレスや不安に対処する力、全体の満足度なども高くなる。
定期的に休憩する従業員は生産性が高い Slackが働き方調査 - Impress Watch
わたしは我流でポモドーロテクニックを使っていますが、公式本はこちらです。
時間の計測には「タイムタイマー」がおすすめです。
ツマミを回すだけでタイマーがセットできて、視覚的にも残り時間が把握しやすいです。
可能であればアラーム音をオンにしておくのがおすすめです。アラーム音があるだけで気持ちの切り替えがしやすくなります。
2. タスクの優先順位を整理してから仕事を始める
毎日仕事を始める前にタスクの整理をします。
タスクリストを上からこなしていけば、今日の仕事が終わる状態になっているのが理想です。
マルチタスクとはいくつかの異なる作業を同時に考慮しながら仕事を進めることです。柔軟に対応できる反面、集中力が必要なので疲れやすくなるので避けます。
タスクを整理して「どの順番でやるか」「何が起きたらこれをやるのか」を決めておくと、1つずつ考えればよくなるので、エネルギーの消費を抑えられます。
わたしはNotionに1日1ページ単位で管理をしていて、複製をしながら毎日タスクの整理をしています。
3. 今日のテーマを決める
タスクは整理したけれど、気持ちがなんだかモヤモヤしてしまうときってあると思います。
そういった気持ちを抱えているとマルチタスク状態になってしまうので、仕事が捗らずモヤモヤするループに陥りがちです。
個人的にやっているのが「今日のテーマ」を決めること。
たとえば次のようなことをNotionに登録して選ぶようにしています。
- 何か一つでも手をつける
- 一心不乱に進める
- 今やるべきごとに向き合う
- 気にかかっていることを解消する
- 見通しをつけて不安要素をなくす
- 未経験に挑戦する
- 周りの人を頼る
「あのプロジェクトのあれって今どうなっているのかな?」と心配になっていたら「気にかかっていることを解消する」を、タスクの整理はできているけど「期限までに完了できるか不安」なときは「一心不乱に進める」を選びます。
自分の気持ちを見えるようにして、いま自分がやるべき方向性に意識を向けられるだけで、気持ちを楽にして仕事に向き合えると感じています。
4. 十分な睡眠時間を確保する
体調を整えられるようにしておきます。
単純に寝不足や体調不良だと集中するのが難しくなるからです。体調不良はコントロールが難しいですが、睡眠時間は自分次第で調整可能です。
リモートワークだと、自由にできる時間が増えるけれど運動不足にもなりやすいので、体調管理が崩れやすい気がしています。
個人的には睡眠時間が6時間半くらいになると眠気が強くなるので、最低でも7時間の確保ができるようにしています。
このあたりは個人差があるようで、昼間に眠気が強い人は睡眠時間を増やしたり、熟睡できる環境づくりをしておく必要があるかもしれません。
人はいったい毎日何時間眠れば良いのか?実はその絶対的な基準はありません。睡眠は体質や性、年齢など個人的な要因に影響されるためです。「睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分」と、睡眠時間にはこだわらなくて良いというのが専門家の見解です(※1)。
睡眠をきちんととることができたかどうかは日中しっかり覚醒して過ごせるかが目安となります。
最適な睡眠時間って何時間? | 睡眠リズムラボ | 大塚製薬
5. 身支度を整える
リモートワークは仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちです。
楽に仕事ができる格好でいることが多かったのですが、一時期から身支度や服装を整えるようになりました。
身支度をしている行動自体がやる気を少しずつ上げることにもつながりますし、オンオフを明確にできるのもメリットだと感じています。
6. デスク周りを整えてモニターに集中できるようにする
リモートワークより出社したほうが自然に集中モードになることが多いのですが、会社には仕事に必要なものしか置いていないことも要因の1つと考えています。
ある実験によると、散らかった状態では集中力が低下する傾向があったとしています。
プリンストン大学神経科学研究所の科学者たちは、機能的磁気共鳴画像(fMRI)などの手法を用いて、人の脳が秩序を好むこと、そして無秩序な状態が常に目に入り続けると、認知資源が枯渇して集中力が低下することを明らかにしている。また、彼らの実験結果によれば、散らかった作業環境を整理した場合は、集中力と情報処理能力が改善し、仕事の生産性が高まった。
家の中が散らかっている状態がどのような影響を引き起こすかに関する研究では、家の中の「モノ」の多さに対処しきれずにいる人には、先延ばしする傾向が強いことがわかった。
デスクが散らかっていると集中力も生産性も低下する 書類を積み上げたくなる誘惑に打ち勝つ方法 | 戦略|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
わたしの場合はデスクの上に不要なものを極力置かないようにして、メインモニターに集中できる環境を意識しています。
作業中に本棚が目の入ってこないように後方に配置しています。アイデアが欲しいなと感じたときに本棚に向き合うくらいがちょうどいいくらいと感じています。
7. スマホの通知をオフにする
スマホの通知は集中力を削ぐいちばんの原因です。
iPhoneには集中モードという機能があるので、平日の9:30~20:00は通知をオフにしています。
通知を見るのはポモドーロの休憩時間や昼食時間くらいですね。
8. 集中したい時は耳栓、慣れた作業は音楽を聞きながら進める
作業を始めると比較的早く集中モードに移行できると認識していますが、設計などの深い集中が必要なときにはちょっとした音が気になってしまうこともあります。
どうやら人によって適切な環境音のレベルがあるとのこと。
わたしは内向的で外部の刺激に大きく反応をしてしまうタイプなので、静かな環境が合っているようです。
ノイズを聞かされながらパズルやクイズを解いたり、計算するといった実験をすると、外向的な人は、騒音のレベルを平均で72デシベルくらいまで下げれば十分に集中できることがわかっています。この数値は、だいたいうるさいスターバックスコーヒーの店内くらいだと思ってください。
これに対して、内向的な人は、55デシベルまでノイズを下げないと集中できませんでした。これがちょうど静かな図書館くらいのレベルです。これよりうるさい環境だと、内向的な人のクイズや計算のスコアは極端に悪化し、静かな環境での半分くらいまで下がってしまいました。
【徹底レビュー】「ストレスを操るメンタル強化術」は内向的な人におすすめ!(メンタリストDaiGo著) | 内向型人間の教科書
大きな騒音が苦手な方は耳栓を試してみてください。
わたしは「コモック」という1500円くらいのものを使用しています。
遮音性は最大で-36dB、フィルターで雑音を減らすタイプなので、イヤーキャップの圧迫感が少ないです。
完全な無音にはなりませんが、静かな図書館くらいの環境音に近いと思います。
以前は「Loop Quiet」を使っていたのですが、片方をなくしてしまって買い替えた経験があります。
Loopのほうがよくレビューもされていて有名です。コモックはブラックだけですが、Loopは9色あるのでデザインにこだわりたい場合におすすめです。
Loopは用途に合わせて3種類あるようです。
そして、ルーチンのようなある程度の想定がしやすい作業をするときは音楽を聞いています。
慣れていたり単調な作業に集中しすぎると逆にしんどく感じしまうので、音楽を聞いているくらいが距離感としてちょうど良かったりします。
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