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FIDO

2024/07/12に公開

FIDO

FIDO(Fast IDentity Online)は、パスワードに依存しない安全な認証方法を提供する標準規格です。これにより、フィッシングやパスワード漏洩などのセキュリティリスクを減少させることができます。

FIDOの基本概念

図1: FIDOの基本的なフロー

  1. 登録(Registration)

    • ユーザーがサービスに登録します。
    • サービスが認証デバイスに対して登録要求を送ります。
    • 認証デバイスが公開鍵と秘密鍵のペアを生成し、公開鍵をサービスに送信します。秘密鍵はデバイス内に安全に保管されます。
    • サービスは公開鍵を保存します。
  2. 認証(Authentication)

    • ユーザーがサービスにログインしようとします。
    • サービスが認証デバイスに対して認証要求を送ります。
    • 認証デバイスがユーザーの生体認証やPINコードを使用してユーザーを認証します。
    • 認証が成功すると、認証デバイスが秘密鍵で署名を行い、その署名をサービスに送信します。
    • サービスが受け取った署名を検証し、認証を完了します。

FIDOの例

  1. スマートフォンでの生体認証

    • 例えば、ある銀行アプリを使う場合、初回登録時にスマートフォンの指紋認証機能を利用して公開鍵を生成し、銀行のサーバーに送信します。
    • 次回以降、アプリにログインする際には指紋認証を行うだけで、秘密鍵で署名されたデータを銀行のサーバーに送信し、ログインが完了します。
  2. FIDOセキュリティキーの利用

    • あるウェブサービスでFIDOセキュリティキーを登録します。セキュリティキーが公開鍵と秘密鍵を生成し、公開鍵をウェブサービスに送信します。
    • ログインする際にはセキュリティキーをUSBポートに差し込み、ボタンを押すことで認証が完了します。セキュリティキーが秘密鍵で署名を行い、その署名がウェブサービスで検証されます。

FIDOの利点

  • セキュリティの向上:パスワードが不要なため、フィッシングやパスワード漏洩のリスクが軽減されます。
  • 使いやすさ:生体認証やセキュリティキーの利用により、ユーザーは覚えるべきパスワードが減少し、認証が簡単になります。
  • 標準化:FIDOは標準規格であり、多くのサービスやデバイスが対応しており、互換性があります。

FIDOに関する参考リンク

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