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ロードバランサーって何ですか?
ごあいさつ
みなさん、こんばんわ。
先日、リバースプロキシについて説明していたら、「そもそもロードバランサーと何が違うんでしょうか?」と質問がありましたので、メモとしてこれを残してます。
はじめに
現代のSaaSビジネスにおいて、システムの安定性と拡張性は非常に重要です。ユーザー数の増加や機能の拡充に伴い、サーバーリソースの効率的な利用が求められます。この課題に対する重要な解決策の一つが、ロードバランサです。
本記事では、SaaSのリードエンジニアの視点から、ロードバランサの基本概念、主な機能、利点、そしてユースケースについて詳しく解説します。また、しばしば混同されるリバースプロキシとの違いについても触れ、より深い理解を促します。
ロードバランサの基本
ロードバランサは、incoming requestsを複数のサーバーに分散させるネットワークデバイスまたはソフトウェアです。主な目的は以下の通りです:
- トラフィックの均等分散
- サーバーの負荷軽減
- システム全体の可用性向上
- レスポンスタイムの改善
ロードバランサの主な機能
-
トラフィック分散
様々なアルゴリズムを使用してトラフィックを分散させます: ラウンドロビン、最小接続数、IP Hash、重み付けラウンドロビン -
ヘルスチェック
定期的に各サーバーの状態を確認し、障害が発生したサーバーを自動的に切り離します。 -
セッション永続性
特定のクライアントからのリクエストを常に同じサーバーに振り分ける機能です。 -
SSL終端
クライアントとの暗号化通信(HTTPS)をロードバランサで終端し、バックエンドサーバーとは平文で通信します。 -
コンテンツベースルーティング
リクエストの内容に基づいて、適切なサーバーにトラフィックを振り分けます。
ロードバランサの利点
- 高可用性: 単一障害点を排除し、システム全体の可用性を向上
- スケーラビリティ: サーバーの追加・削除が容易
- パフォーマンス向上: トラフィックを効率的に分散し、レスポンスタイムを改善
- 柔軟性: 様々な分散アルゴリズムやルールを適用可能
- セキュリティ強化: DDoS攻撃の緩和やSSL処理の一元化が可能
リバースプロキシとの違い
特性 | ロードバランサ | リバースプロキシ |
---|---|---|
主な目的 | トラフィックの分散と負荷分散 | セキュリティ強化とパフォーマンス最適化 |
動作層 | 通常、Layer 4またはLayer 7 | 通常、Layer 7 |
主な機能 | • トラフィック分散 • ヘルスチェック • セッション永続性 |
• リクエストの中継 • キャッシング • コンテンツ圧縮 |
サーバー構成 | 複数のバックエンドサーバー間でリクエストを分散 | 単一または複数のバックエンドサーバーの前に位置 |
SSL終端 | 可能 | 可能 |
コンテンツ修正 | 通常は行わない | 可能(ヘッダー修正、URL書き換えなど) |
ユースケース
ユースケース | 説明 | 構成例 |
---|---|---|
Webアプリケーションのスケーリング | 複数のウェブサーバー間でトラフィックを分散 | [クライアント] → [ロードバランサ] → [Webサーバー1,2,3] |
データベースクラスタの最適化 | 読み取りクエリを複数のレプリカに分散 | [アプリケーション] → [DBロードバランサ] → [マスターDB, レプリカDB1,2] |
マイクロサービスアーキテクチャ | サービス間の通信を最適化 |
[API Gateway] → [サービスAロードバランサ] → [サービスA インスタンス1,2] → [サービスBロードバランサ] → [サービスB インスタンス1,2]
|
グローバル負荷分散 | 地理的に分散されたデータセンター間でトラフィックを分散 | [ユーザー] → [グローバルロードバランサ] → [データセンター1,2,3] |
APIゲートウェイ | 複数のバックエンドサービスにリクエストを分散 | [クライアント] → [APIゲートウェイ] → [認証サービス, ユーザーサービス, 商品サービス] |
まとめ
ロードバランサは、現代のSaaSアーキテクチャにおいて不可欠なコンポーネントです。トラフィックの効率的な分散、高可用性の実現、スケーラビリティの向上など、多くの利点をもたらします。
適切に設計・実装されたロードバランシング戦略は、以下の効果を生み出します:
- サービスの安定性向上
- ユーザーエクスペリエンスの改善
- インフラストラクチャコストの最適化
- 運用効率の向上
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