Dynamo|足場自動化:ツールの使い方
はじめに
ジャンル: 🖥ソフトウェア
関連ソフト: Dynamo, Revit
関連業務内容: モデリング, 統合, 設計自動化, 開発
こんにちは。Malme技術部、Yuです。
今回は、Autodesk RevitのビジュアルプログラミングツールであるDynamoと、「足場自動化ツール」を連携させることで、建設現場に必須となる足場の配置を効率化する方法や流れについて解説していきます。BIMモデルを活用して足場を自動生成できると、設計や施工の手間を削減し、安全性や品質向上にもつながるのでとても有用です。
自己紹介
モデリング歴5年。(Dynamo開発歴4年半)
大学時代に3Dモデリングに興味を持ち、BIM/CIMの学びを開始。就職後も独学で1からDynamoを学習。
RevitとDynamoをメインにしつつ、AutoCAD、Civil3D、Navisworks、PowerDirectorも使用。
夢はBIM/CIMを現実に導入し、Google Earthのように世界をデジタル化します。
対象者
設計自動化を実現したい人
Dynamoツールに興味がある人
Revitを使用している人
ツール紹介
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Dynamoとは
Dynamo は、AutoCAD, Civil 3D, Revit で行う作業の自動化を進めるための、ビジュアルプログラミングツールです。BIMやCIMのモデリング作業は、従来のCADより多くの工数が掛かります。Dynamoを使用することで自動化を実現でき、効率化を測ることが可能です。オープンソースで開発されており、無償提供されている「Dynamo Sandbox」を使えば、Autodesk製品なしでもジオメトリ生成やカスタムスクリプトの作成を体験できます。 -
足場自動化ツールについて
「足場」は、組み合わせるもので、様々な標準化された部品が含まれています。
今回のツールは、モデルの品質と実際の足場施工ステップを考えるし、将来数量や重量などのプロパティ算出を便利にするために、「構築ルール」で各部品に分かれて、14個のツールを開発されました。
Dynamoと足場自動化ツールの連携イメージ
- Revitで建物のBIMモデルを用意
外壁や梁・柱、開口部など、足場を組む上での基準となる要素を正しくモデリングしておきます。
地形(地盤)や道路などの外部要件も、必要に応じてモデル化しておくと、足場干渉の検討がしやすくなります。
- Dynamoでモデル情報の取得・処理
Dynamoを立ち上げて、Revitモデルの各要素(壁、床、レベル高さなど)の寸法や位置情報を取得するノードを配置。
足場の基準面や、どこからどこまで足場を組むかといった処理ロジックをDynamo上で設定します。
例えば、「外壁の表面形状に沿って足場を組む」「階高ごとに足場を分割」「一定の間隔で足場パイプを配置する」など、ルールを決めてスクリプト化しておきます。
- 足場自動化ツール(Scaffolding Automation Tool)との連携
Dynamoスクリプト内で、足場自動化ツールが提供するAPIや専用ノードを呼び出す形にする、または中間ファイル(Excel/CSVなど)を介してやり取りする方法があります。
ツールがRevit内で動作するプラグイン形態の場合、Dynamoで取得した建物のジオメトリ情報を足場自動化ツールへ渡し、ツールが必要な足場部材リストや配置情報を生成します。
生成された足場モデル(足場パイプ、ブラケット、作業床など)は、Revitファミリとして自動的に配置される場合が多く、形状とともに数量データもBIMに反映されます。
- 足場の可視化と調整
自動生成された足場モデルをRevitのビューで確認しながら、建物形状との干渉や安全基準に問題がないかをチェック。
必要に応じてDynamo内のパラメータを調整し(例:足場の割付ピッチや階高ごとの設定)、再実行すればすぐに修正後の足場を再配置できます。
こうした試行錯誤・修正プロセスを効率的に回せるのが、Dynamo連携の大きなメリットです。
- 工程シミュレーション・数量拾い
足場が配置された後は、Revitのフェーズ管理や4Dシミュレーションソフトと連動させて、工程順序を可視化できます。
足場の数量データ(パイプの本数、ジョイント数、作業床面積など)はRevitの集計表や外部ツールへ出力可能なので、コスト試算や発注数量の把握にも役立ちます。
モデリング方法の考え方
- 図面上の特徴点情報を記録し、Dynamoで自動的に足場ファミリの配置を行います。
- 足場は「規則的な組み合わせ」のものであるため、Dynamoで「計算式」及び「判断条件」を設定することで、「繰り返し」モデリングが可能です。
事前準備
-
CAD図面:
- for セイフティウォーク、カイダン
[左側柱_2.dwg]
[右側柱_2.dwg]
- for ライトブリッジ
[ライトブリッジ.dwg]
- for その他
[左側柱_1.dwg]
[右側柱_1.dwg]
手順
1.1 「挿入」タブで、「リンク」パネルの「CAD読込」を左クリックします。
1.2 CAD図面を選んで開きます。
1.3 同じタブの「ライブラリからロード」パネルで、「ファミリをロード」を左クリックします。
1.4 新しいウィンドウにファミリを選んで開きます。
2.1 「管理」タブで、「ビジュアルプログラミング」パネルの「Dynamoプレィヤー」を左クリックします。
2.2 右上のアイコン「フォルダを追加」を左クリックして、「フォルダを管理」ウィンドウの左側にあるアイコン「フォルダを追加」を左クリックします。
2.3 新しいウィンドウにツールを保存されるフォルダを選んで開きます。
2.4 Dynamoプレィヤーにはフォルダの中で、全てのツールを表示されます。
3.1 使用したいツールをクリックして、「入力」の中で、全てのプロパティを入力します。
※各ツールのプロパティは少し異なる場合があって、以下の表にはこの14個のツールに含まれるプロパティをまとめされています。ツールを実行中にプロパティが理解できない場合は、この表の説明を参照してください。
プロパティ名前 | タイプ | 入力値 |
---|---|---|
XXのCAD図面を選択 | ものを選択 | エレメント |
XXのファミリを選択 | ドロップバー | ファミリ |
基準面の高さ | 数字を入力 | 数字 |
第一作業床と基準面の高さ | 数字を入力 | 数字 |
各作業床の間隔値 | 数字を入力 | 数字 |
作業床の数量 | 数字を入力 | 数字 |
ライトブリッジの配置作業床 | 数字を入力 | 数字 |
配置の作業床の番号 | 数字を入力 | 数字 |
下部支柱とパイプジャッキベースの間隔値 | 数字を入力 | 数字 |
支柱と下部支柱の間隔値 | 数字を入力 | 数字 |
Iq支柱XXの数量 | 数字を入力 | 数字 |
作業床の数量は7以上ですか | スイッチ | 「真」または「偽」 |
ライトブリッジがありますか | スイッチ | 「真」または「偽」 |
頭つなぎがありますか | スイッチ | 「真」または「偽」 |
3.2 右下の「実行」を左クリックすると、ツールを実行してモデルを作ります。
動画
上記の手順について動画でまとめたものになります。
こちらをご覧いただきながら、作業いただけますと実際にイメージできるかと思います。
参考情報
Dynamoを活用したモデリングの参考情報として、MalmeのYouTubeチャンネルにたくさん動画を用意してあります!
操作方法から活用事例まで、ご参照いただけますと幸いです。
ご参考になれば幸いです。
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