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Civil 3D | 交差点のコリドーモデルを作成する方法

2025/02/27に公開

はじめに

ジャンル: 🖥ソフトウェア
関連ソフト: Civil 3D
関連業務内容: モデリング, 開発

こんにちは。Malme開発部、大西です。
今回はCivil 3Dで交差点のコリドーモデルを作成する方法を解説致します。

自己紹介

スーパーゼネコンの設計部で土木構造物の設計を経験し、土木DXの可能性を求めて「土木をおもしろくする」Malmeへ転職。
技術部ではモデリング案件のPMとして複数のプロジェクトを完遂し、BIM/CIMの活用にも取り組んできました。
現在は開発部のPMとして、AIやメタバースなどの先端技術を取り入れながら、土木業界のアップデートに奮闘しています。

対象者

Civil 3Dで交差点のコリドーモデルを作成する方
道路関連の設計・施工にかかわる方

ツール紹介

  • Civil3Dとは
    Civil3Dは、Autodesk社が提供しているCADソフトの中で、より土木設計向けのソフトです。
    主に道路、橋梁、土地造成、上下水道、鉄道、空港などの土木プロジェクトの設計、解析、施工管理を効率化するために使用されます。Civil3Dは、BIMの機能を土木分野に適用し、設計プロセス全体の連携と精度を向上させます。
    Civil3Dの詳細についてはこちらの記事を読むと分かりやすいです。

手順

2つの交差する線形に、交差点のコリドーモデルを作成します。

LOD は 200を想定し、標準断面での構成とし交差点の拡幅部等は考慮しないものとします。

この例では、線形Aを主道路、線形Bを従道路とします。

1.アセンブリの作成

交差点のコリドーモデルを作成するには、主道路・従道路について、以下の 7 種類のアセンブリを作成する必要があります。

・主道路全断面

・主道路右断面

・主道路左断面

・従道路全断面

・従道路右断面

・従道路左断面

・交差点巻込部

※ この例では、

線形Aの車線の幅は 4.0m、横断勾配は-2.00%

線形Bの車線の幅は 2.0m、横断勾配は-2.00%

としています。

交差点巻込み部については、基線の右側に車線を、左側に法面を作成します。

2.交差点の作成

2-1.交差点を作成

「ホーム」タブから「設計」の「交差点」→ 「交差点を作成」を選択します。

「交差点を選択:」と表示されるので、主道路線形、従道路線形の交点でクリックします。

このとき、交差点がクリックしにくい場合は、オブジェクトスナップの設定で 「交点」 を有効にしてください。

「主要道路の線形を選択<またはEnter キーを押してリストから選択>:」 と表示されるので、主道路とする 線形Aをクリックします。

2-2.「一般」 の設定

「交差点を作成-一般」 ダイアログが表示されるので、交差点コリドータイプに「すべてのクラウンを維持」 を選択して 「次へ」 ボタンを押します。

2-3.「ジオメトリ詳細」の設定

「交差点を作成-ジオメトリ詳細」 ダイアログが表示されます。

オフセットと交差点巻込み部の設定を行います。

「オフセットパラメータ」 ボタンを押します。

交差点コリドーモデルの作成に使用するオフセット線形の設定を行います。

オフセット値を設定します。

この例では、主道路:4.0m 、従道路: 2.0m となります。

入力したら 「OK」 ボタンを押します。

次に「交差点 巻き込み部のパラメータ 」 ボタンを押します。

交差点の各象限の設定を行います。

この例では、LOD200を想定し標準断面での構成とし、交差点の拡幅部等は考慮しないものとします。

「始点側の道路の付加車線を拡幅区間にする」 「終点側の道路の付加車線を拡幅区間にする」 のチェックを外します。

交差点巻き込み部のパラメータを設定します。

この例では、タイプ:「円形フィレット」 、半径:5.000m としています。

入力したら 「次へ>>」 ボタンを押し、交差点の次の象限の設定を行います。

交差点の4か所の象限に同様にの設定を行ったら 「OK」 ボタンを押します。

次に、オフセットと交差点巻込み部の縦断の設定を行います。

「車線勾配パラメータ」 ボタンを押します。

「交差点車線勾配パラメータ」 ダイアログが表示されるので、主道路・従道路の横断勾配を入力します。

今回の例では、主道路・従道路の横断勾配:-2.00% としています。

入力したら 「OK」 ボタンを押します。

次に、「交差点巻き込み部の縦断パラメータ」 ボタンを押します。

今回の例では、交差点の付加車線は考慮しないので、「始点側車線に沿って縦断拡張」「終点側車線に沿って縦断拡張」 の項目を 「いいえ」 にします。

入力したら 「次へ>>」 ボタンを押し、交差点の次の象限の設定を行います。

交差点の4か所の象限に同様にの設定を行ったら 「OK」 ボタンを押します。

「交差点を作成-ジオメトリ詳細」ダイアログに戻り、「次へ」ボタンを押します。

2-4.「コリドーリージョン」の設定

「交差点を作成-コリドーリージョン」 ダイアログが表示されます。

「新規コリドーを作成」 にチェック、法面展開のターゲットサーフェスが選択されていることを確認します。

次に、交差点のコリドーモデルを作成する上で使用するアセンブリを設定します。

適用するアセンブリを下記の通り変更します。

「交差点を作成」 ボタンを押して、交差点のコリドーモデルを作成します。

※コリドーモデルが作成されないときは、「ツールスペース」 の 「プロスペクター」 内の作成した 「交差点」 を右クリックし 「リージョンを更新およびコリドーを再作成」 して下さい。

交差点のコリドーモデルが作成されます。

3.交差点の前後の道路コリドーモデルを作成する。

交差点の前後区間の道路のコリドーモデルを作成します。

道路のコリドーモデルは交差点区間の前後で分割し、交差点コリドーモデルの区間は除外しておきます。

参考情報

Civil 3Dを活用したモデル作成事例の参考情報として、こちらも参照いただけますと幸いです。
https://bimcim-hub.com/civil3d-t-junction-guide/

ご参考になれば幸いです。

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