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MCPでCAD×LLMをつなぐ──「言葉で動く」土木DXの新潮流

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目次

  1. はじめに
  2. この記事のターゲットとゴール
  3. 自己紹介
  4. MCP(Model Context Protocol)とは
  5. 土木CAD×LLMの課題
  6. MCPがもたらす理想的なワークフロー
  7. 現状の制約と技術成熟度
  8. まとめ:BIM/CIM一元管理への展望
  9. 採用情報 ―― “生成AIを部下に”するエンジニア募集

1. はじめに

「AIで図面のチェック、CADオペさんに図面の修正依頼、図面の編集はCADで」──そんな分断されたワークフローを、AIが言葉を理解し、AIが直接CADソフトで図面を操作・編集へと進化させる技術が登場しました。Anthropicがオープンソース化したMCP(Model Context Protocol)を活用すれば、LLMと既存ツールを安全かつ双方向に連携できます。本記事では、MCPの概要から、土木CADとLLMをつなぐ具体イメージを解説します。


2. この記事のターゲットとゴール

誰に向けた記事なのか

  • 土木・建設分野のDX推進に携わるエンジニア
  • LLMを業務ツールと連携させたいCADプラグイン開発者
  • BIM/CIMに携わる方々

この記事を読むとなにが理解できるのか

  • MCPが提供する「LLM⇔外部アプリ連携」の仕組み
  • CAD操作(DWG編集)と自然言語理解のいいとこ取り実現イメージ
  • 現状の技術成熟度と今後の課題・ロードマップ

3. 自己紹介

改めまして、Malme開発部の岩佐です。
普段は、土木業界のDX推進をテーマにAIやBIM・CIMなどの最新技術をリサーチし、自社サービスや新しい開発プロジェクトへ取り入れる仕事をしています。最近は、3D空間解析や土木事業の各テーマに対し、AIをどう絡ませるかを深掘りする日々です。

開発部で期待される若手のホープ!
岩佐さんについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

https://note.com/malme_recruiting/n/n2eb11467a3bc


4. MCP(Model Context Protocol)とは

Model Context Protocolは、LLMアプリと外部データソース/サービスをつなぐクライアント–サーバー型プロトコル。

  • 2024年11月にAnthropicが公開
  • Host/Client/Serverの3要素で構成
  • Clientは「データ要求」をServerに投げ、Serverがツール呼び出しやAPI連携を担う

結果、LLM側にはツール実装を意識させずに、外部操作やデータ取得を行えます。


5. 土木CAD×LLMの課題

AutoCAD LLM(ChatGPTなど)
図面編集 ◎(コマンド操作が強力) ✕(DWGフォーマット非対応)
言葉による指示理解 ✕(自然言語は苦手) ◎(汎用自然言語理解が得意)
  • CAD系ソフトはDWGデータをそのまま編集できるが、自然言語指示は受け付けない
  • LLMは「線を半分にして」と理解するが、DWG図面をCADで編集するためのコマンドを知らない

このミスマッチが、AIが直接ソフトを操作して図面データを直接編集できなかった最大の壁です。


6. MCPがもたらす理想的なワークフロー

MCPでつなぐとこうなる!

理想:MCP連携
図面編集 ◎(CADソフトで適切なコマンド実行)
言葉による指示理解 ◎(LLMが自然言語を解釈)

操作イメージ:線分を半分にする

  1. 人間が「この線を半分にしてください」と発話
  2. 例えば、LLMが「DWG内のポリラインをscale 0.5倍にすればよい」と判断
  3. MCP ClientがServerに scale コマンド+パラメータをリクエスト
  4. MCP ServerがCADのAPIを呼び出し、線分を半分に縮小
  5. LLMが完了を受け取って「完了しました」と回答

このようなフローで、言葉のみで図面を編集できるようになります。


7. 現状の制約と技術成熟度

  • コマンド実装数は限定的
    初期段階のMCP Toolは「線分移動」や「レイヤ切替」など基本操作のみ。高度なBIM/CIM機能は未実装。
  • 表現ギャップへの対応が必要
    「この辺を掘削」といった曖昧な発話は、要件定義プロンプトや追加ヒアリングでフォロー必須。
  • 双方向のエラーハンドリング
    CAD側で失敗した場合、LLMへの戻り値設計や再試行ロジックが求められる。

一方、基盤が整えば「CADソフト⇔BIM/CIMソフト⇔LLM」のクロスプラットフォーム編集が現実のものになります。LGM(Large Geospatial Model)時代はもうすぐそこです。


8. まとめ:BIM/CIM一元管理への展望

過去・現在 現在の課題 未来
分断されたCAD, 帳票, BIツール ツール間の連携コスト&専門スキル習得負荷 MCPで一元管理→CIMモデル上でシームレス操作

MCPが普及すれば、先代のソフト群の知見とAIの言語理解を掛け合わせ、BIM/CIMモデルのリアルタイム自動生成・編集が可能に。土木DXの新しいステージが始まります。


9. 採用情報 ―― “生成AIを部下に”するエンジニア募集

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