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FlutterWeb+Firebase Hostingで環境分けした管理ツールを作成する

2022/07/22に公開約7,200字

はじめに

今回は Flutter Web + Firebase Hosting を用いて、管理ツールを作成する機会があったので、その手順を記録しておこうと思います。
以下の 3 つの環境での管理ツールを用意します。

  • 開発(dev)
  • ステージング(stg)
  • 本番(prod)

既存の Firebase プロジェクトで web をサポートする

もしも既存のプロジェクトが web をサポートしていない場合は、以下のコマンドを叩けば OK です。

flutter create .

https://docs.flutter.dev/get-started/web#add-web-support-to-an-existing-app

管理ツールの初回デプロイ

ざっくりとした流れは以下です。

  • Firebase でプロジェクト作成
  • Firebase のプロジェクト設定からウェブアプリの登録
  • firebase init hosting
  • flutter build web
  • firebase deploy --only hosting

基本的なデプロイ部分の詳細はこの記事では割愛させていただきます。
わかりやすい記事があるので以下を参考にしてみてください。

参考

https://www.flutter-study.dev/host-web-app/hosting
https://zenn.dev/pressedkonbu/articles/deploy-flutter-web-app-with-firebase-hosting

今回は、開発(dev),ステージング(stg),本番(prod)の 3 つの環境があるので、Firebase のプロジェクトも 3 つ用意しています。
必要な環境数に応じて、作成してください。

管理ツール用のソースコードのディレクトリ構成

libファイルの中にwebディレクトリを作成し、その中に管理ツールのソースコードを書いていくことにしました。

root
  ┣ lib
     ┣ web
  ┣ web
    ┣ index.html

選択肢としては、以下の2つがありました。

  • libの中にwebディレクトリを作成
  • 別プロジェクトとして作成
    アプリ側との共通コンポーネントが使いまわすために、libファイルの中で管理することにしました。
    以下で説明していますが、
    • index.html の環境切り替え
    • dart-define を使用した環境切り替え
      の2つを使用してしまっているので、ちょっとややこしくなってしまったかなとも思います。。

main.dart 内での分岐

libディレクトリ内で管理することになったので、

  • アプリ側を build
  • 管理ツールを build
    この2つをどこかで分岐させないといけない分けです。

以下のようにrunApp部分で、以下のようにアプリと管理ツールを分岐しました。

main.dart
runApp(kIsWeb ? AdminApp():MyApp());

firebase の config の設定

firebase のprojectIdapiKeyを設定する必要があります。
ios と android は、以下で Firebase の config 部分の設定しています。
ios => ios/Runner/GoogleService-info.plist
android => android/app/google-services.json

しかし、web の部分は設定されていないので、flutter run -d chromeで管理ツールを起動する際に、以下のようなエラーが発生しました。

FirebaseOptions cannot be null when creating the default app

以下の部分で web の分は設定する必要がありました。

 await Firebase.initializeApp(
    options: //ここで設定する

参考

https://zenn.dev/maropook/articles/f82c98a56b14ca

コマンドによる firebase_options.dart の自動生成

「さて、以下のコマンドで自動生成するか!」
と思ったのですが、この構成部分も開発,ステージング,本番の環境分けが必要でした。

flutterfire configure

Firebase のプロジェクトに登録されているプラットフォーム毎の、config 情報を自動生成してくれます。
最高に便利ですが、環境分けには対応できないようです..

コマンドの参考

https://qiita.com/Umigishi-Aoi/items/32a46255bb935417ab3d#flutterfire-cli-の利用

コマンド以外での firebase の config 情報を設定

今回は、コマンドで自動生成では融通が効かなかったので、web の場合のみ、環境毎に config 情報をそのまま渡すことにしました。

 await Firebase.initializeApp(
    options: //ここで設定する

optionsに以下のような感じで作成したFirebaseOptionsを渡すイメージです。

  static FirebaseOptions get webConfig {
    const flavorName = String.fromEnvironment("FLAVOR");
    switch (flavorName) {
      case 'dev':
        return devWebConfig;
      case 'stg':
        return stgWebConfig;
      case 'prod':
        return prodWebConfig;
      default:
        return devWebConfig;
    }
  }

dart-define で FLAVOR を渡す

上記の環境分け部分では、dart-define で環境変数を渡すようにしています。
開発環境の場合は、以下でFlAVOR=devが取得できます。

flutter run -d chrome --dart-define=FLAVOR=dev

参考

https://zenn.dev/riscait/articles/separating-environments-in-flutter

web/index.html の環境切り替え

project/web/index.html ファイル内に、firebase の config 情報が入っています。
index.html 内の config 情報を切り替えなければなりません。
コードでいうと以下のような感じです。

<script type="module">
  // Import the functions you need from the SDKs you need
  import { initializeApp } from "https://www.gstatic.com/firebasejs/9.8.4/firebase-app.js";
  import { getAnalytics } from "https://www.gstatic.com/firebasejs/9.8.4/firebase-analytics.js";
  // TODO: Add SDKs for Firebase products that you want to use
  // https://firebase.google.com/docs/web/setup#available-libraries

  // Your web app's Firebase configuration
  // For Firebase JS SDK v7.20.0 and later, measurementId is optional
  const firebaseConfig = {
    apiKey: "...",
    authDomain: "...",
    projectId: "...",
    storageBucket: "...",
    messagingSenderId: "...",
    appId: "...",
  };

  // Initialize Firebase
  const app = initializeApp(firebaseConfig);
  const analytics = getAnalytics(app);
</script>

ここ結構迷いました。。。

index.html ファイル内で環境を識別する

こちらを参考に index.html に dart-define で定義した環境変数を渡してみました。
「うまくいくぞ!!」
しかし、ios や android をビルドするときに、以下のような WEB 用のパッケージを import しているとエラーになってしまうようです。

import 'dart:js' as js;
import 'dart:html' as html;

管理ツールの build 時だけ、コメントアウトを外すみたいな運用は少し面倒かなと。
コマンドだけで色々できるのが理想だったので、この方法はなしです。

シンボリックリンクによる環境切り替え

root
  ┣ web
     ┣ default
        ┣ index.html
     ┣ dev
        ┣ index.html
     ┣ stg
        ┣ index.html
     ┣ prod
        ┣ index.html
   ┣ index.html

シンボリックリンクを作成し、root/web/index.htmlの中身は、

  • default
  • dev
  • stg
  • prod
    の中のindex.htmlを参照できるようにします。

シンボリックリンクは git でコミットできるのも便利だと思います。

シンボリックリンクの作成

dev環境のindex.htmlを参照したい場合は、root/webディレクトリにて、以下のコマンドで OK です。

ln -s dev/index.html index.html

すでにシンボリックリンクが作成されている場合は、
上書きオプションを使ってください。

ln -fs dev/index.html index.html

参考

https://qiita.com/takeoverjp/items/bb1576e90a8a495db4b3

シンボリックリンクの確認

以下のコマンドで確認できます。

ll

index.htmlの参照先が表示されます。

index.html -> dev/index.html

参考

https://qiita.com/ngyuki/items/621830bc53aaf2923f73
https://s-port.shinwart.com/tech-column/kawatama03/

その他の手法

こちらの方法も参考になりそうです。
運用しやすい方法を選んでいただければと思います。

参考

https://zenn.dev/tsuruo/articles/773a5a7ca14924#firebase-sdkの設定をflavorごとに分けたい場合

環境毎に Firebase Hosting へのデプロイ

環境が分かれていない場合は、

flutter build web
firebase deploy --only hosting

で終了なのですが、今回はdev,stg,prodの3つあるので、環境を指定してデプロイしないといけません。

デプロイ時の環境指定

プロジェクトのルートに.firebasercというファイルが作成されています。
このファイルを編集することで、デプロイ先の Firebase の projectId を指定できるようになります。

.firebaserc
{
  "projects": {
    "dev": "example-project-id-dev",
    "stg": "example-project-id-stg",
    "prod": "example-project-id-prod",
    "default": "example-project-id-dev"
  }
}

デプロイ先を dev 環境のプロジェクトに向ける

dev へ向ける

firebase use dev

stg へ向ける

firebase use stg

prod へ向ける

firebase use prod

参考

https://stackoverflow.com/questions/66560305/flutter-firebase-setting-different-deployment-targets-for-ios-android-and-w/66560306#66560306

index.html の参照先を確認

↑ で紹介したシンボリックリンクの切り替えでweb/index.htmlの参照先もデプロイしたい環境に向ける必要があります。

最終的なコマンド例

dev 環境へ deploy したい場合の例を以下に示します。

firebase use dev
ln -s dev/index.html index.html
flutter build web
firebase deploy --only hosting

というような流れになります。

デプロイ時の確認事項

flutter build web後に生成されたroot/build/web/index.htmlの中身を確認してください。
Firebase の config 情報が含まれていると思います。  
自分の想定したデプロイ先とprojectIdが一致しているかを確認してみてください。

こちらの確認後に、firebase deploy --only hostingでデプロイするのが良いかと思います。

FlutterWeb でのその他 Tips

最後に

いかがでしたか?
環境分けをした管理ツールを1から作るのは初めてだったので、色々と方針に悩みました。
Flutter プロジェクトを管理ツール用に別で作ったほうがよかったのかな..とも思いつつ。
この記事の使えるは参考にしていただけたらなと思います。
何かご意見やご指摘があれば、ぜひお願いします!

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