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アプリ収益化の第一歩!iOS/Android課金実装、虎の巻【2025年版】

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「自分の作ったアプリで、しっかり収益を上げたい!」

開発者なら誰もが抱くこの想い。その夢を実現する最も代表的な方法が「アプリ内課金」の実装です。しかし、いざ取り掛かろうとすると、「規約が複雑そう…」「手数料ってどれくらい取られるの?」「そもそもどうやって作るのがベストなの?」と、次から次へと疑問が湧いてきますよね。

この記事は、そんなあなたのための「やさしい手引書」です。課金実装の前に立ちはだかる壁を一つひとつクリアにして、自信を持って最初の一歩を踏み出すお手伝いをします!


1. 避けては通れない!AppleとGoogleのルールブック

まず最初に、プラットフォームの「掟」とも言えるルールをしっかり確認しましょう。ここを疎かにすると、せっかく作ったアプリが審査でリジェクト…なんて悲しいことにもなりかねません。

iOS (App Store) の掟

Appleの世界では、ルールは比較的シンプルです。

「アプリ内で使うデジタルなモノ(機能解放やサブスク)は、Appleの決済(IAP)を通してね!」

これが大原則。機能を追加したり、広告を非表示にしたり、ゲーム内通貨を売ったり…。これらは全てAppleのシステムを使う必要があります。

ただし、いくつか例外もあります。例えば、KindleやNetflixのように、アプリの外(Webサイトなど)で元々契約していて、アプリはそれを利用するだけの「リーダーアプリ」と呼ばれるものは、このルールの対象外です。

Android (Google Play) の掟

Googleも基本的にはAppleと考え方は同じです。

「アプリ内で提供するサービスやコンテンツは、Google Playの課金システムを使ってね!」

ただし、こちらは「何を売るか」によってルールが少し変わります。

▼Google Playの課金を使わなくてOKなもの

  • 物理的なモノやサービス: 洋服の販売、レストランのデリバリー、ジムの会費、イベントチケットなど。
  • 現実世界のお金のやり取り: 公共料金の支払いや、個人間の送金など。

つまり、「アプリの外で価値が完結するもの」は、Googleのシステムを通さなくても良い、と考えると分かりやすいかもしれません。

Androidの新たな動き:「ユーザー選択型決済」

最近、Androidでは「ユーザーが決済方法を選べるようにしてもいいよ」という新しいプログラムが始まっています。これにより、自前の決済システムを導入する道も開けましたが、まだ試験的な側面も強く、誰でもすぐに使えるわけではないのが現状です。


2. どうやって実装する?決済方法の選択肢

ルールの次は、いよいよ技術的な話です。どうやって課金機能を組み込むか、見ていきましょう。

王道はやっぱり「アプリ内課金(IAP)」

なんだかんだで、デジタルコンテンツを売るならこれが本流です。しかし…正直に言って、これをゼロから自力で作るのは、まるで茨の道。購入情報の正しさをチェックする「レシート検証」や、サブスクの有効期限を管理するロジックは、本当に頭を悩ませます。

そこで登場するのが、面倒な部分をまるっと巻き取ってくれる心強い味方、サードパーティ製のサービスです!

頼れる助っ人たち

  • RevenueCat
    • 月間売上が$2,500(約37万円)に達するまで、なんと無料!それを超えても手数料は売上の1%と良心的。まさに「スモールスタートの神様」です。最初の実装で選んでまず間違いないでしょう。
  • Apphud
    • こちらは月間売上$10,000(約150万円)まで無料と、太っ腹。ただし、無料プランだと使える機能に少し制限があります。

Flutterなどのクロスプラットフォーム開発でも、公式パッケージだけで頑張るより、こうしたサービスを導入した方が、結果的に時間もコストも大幅に節約できるケースがほとんどです。

別の選択肢「外部決済」

物理的な商品を売る場合などは、StripeやPay.jpといった外部の決済サービスが候補になります。これらはWebサービスではお馴染みですね。

  • Stripe: ドキュメントが綺麗で開発者に優しい、世界標準のサービス。
  • Pay.jp: 安心の日本語サポート。日本の商習慣にも強いです。

3. ちょっと気になる「プラットフォーム税」の話 💸

便利なプラットフォームを使わせてもらう対価として、売上の一部を手数料として支払います。通称「プラットフォーム税」。これがどうなっているのか、しっかり把握しておきましょう。

基本は**30%**と言われてきましたが、今は多くの中小企業にとって、もっと優しいルールになっています。

種類 手数料率(条件付き) ざっくり言うと…
都度決済 15% 年間売上が100万ドル(約1.5億円)未満ならこの料率!申請や登録を忘れずに。
サブスク 15% サブスクなら、最初からずっと15%!(Appleで大規模事業者の場合は初年度30%)

そう、**基本は15%**なんです!

これは、AppleのSmall Business ProgramやGoogleの15%サービス手数料という制度のおかげ。ただし、どちらも自分から申請・登録しないと適用されないので、課金実装後は絶対に手続きを忘れないでくださいね!


4. ちょっと裏ワザ?「Web to App」戦略

「どうしてもStripeとかでデジタルコンテンツを売りたい…でも規約が…」

そんなあなたに、一つだけ抜け道があります。それが**「Web to App」戦略**です。

やり方はこうです。

  1. Webサイトでユーザーにアカウント登録してもらう。
  2. そのままWebサイトで決済(サブスク契約など)を完了させる。
  3. アプリでは、そのアカウントでログインしてもらうだけ。

こうすれば、アプリから外部決済へ誘導する行為がないため、規約に触れません。Webとアプリ、両方をがっつり作り込む必要はありますが、手数料を抑えたい場合の強力な選択肢になります。


結論:最初のゴールは「最速でのスモールスタート」

色々と見てきましたが、「結局どうすればいいの?」という声が聞こえてきそうです。ご安心ください、結論はとてもシンプルです。

課金機能の初回リリースなら、RevenueCatのようなサービスを使って、アプリ内課金(IAP)をサクッと実装する。

これが最適解だと考えます。

Androidの外部決済やWeb to App戦略は、確かに魅力的かもしれません。しかし、iOSとAndroidで実装方法がバラバラになったり、開発・運用コストが膨らんだりするデメリットも大きいのです。そのコストを払ってでも、手数料削減のメリットがあるか、冷静に考える必要があります。

何より大切なのは、完璧を目指してリリースが遅れることより、まずは動くものを世に出して、ユーザーに価値を届け、その対価を得るサイクルを回し始めることです。

この記事が、あなたの収益化への第一歩を力強く後押しできれば、これ以上嬉しいことはありません。応援しています!

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