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【結局どっち?】Chrome DevTools MCPとChrome拡張機能MCP、バズってるけど何が違うか調べてみた

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ども!最新のAI技術を触りまくることに命を燃やすテックブロガーのタカマツです。

最近、エンジニアの皆さんのタイムラインで「Chrome MCP」という単語をよく見かけませんか?

「Googleが提供するDevTools MCPがすごい!」
「いや、この拡張機能MCPこそローカル開発の神ツールだ」
… 一体、どっちやねん?😅
https://x.com/ChromiumDev/status/1970505063064825994

同じ「MCP」という名前がついているので、何が何だかよく分からなくなってしまいますよね。

というわけで、この状況を整理すべく、私が両方について詳しく調べてみました。

この記事を読めば、「なるほど、そういうことか!」とスッキリして、今日からどちらを試すべきかが明確になります。Chrome MCPにワクワクしている方は、ぜひ最後までお付き合いください!

そもそも:「MCP」は"AI界のUSB-C"です

まず、大きな前提としてMCP (Model Context Protocol)は、AIと外部ツールやデータを繋ぐための汎用プロトコル(共通の通信ルール)」のことです。「AI界のUSB-C」と考えると分かりやすいかと思います。このプロトコルのおかげで、AIがさまざまなツールを柔軟に扱えるようになりました。

https://modelcontextprotocol.io/docs/getting-started/intro

さて、ここからが本題です。このMCPをChromeで利用する実装が、今話題になっている以下の2種類です。

  1. Chrome DevTools MCP

https://github.com/ChromeDevTools/chrome-devtools-mcp/tree/main

  1. 拡張機能ベースMCP

https://github.com/hangwin/mcp-chrome

これらは名前こそ似ていますが、性格も用途も全く異なります。一つずつ見ていきましょう。

① 🤖 Chrome DevTools MCP

こちらはChrome DevTools自体が提供するMCPサーバー機能で、CI/CDパイプラインや自動テストで真価を発揮する本格的なツールです。

一言で言うと、「AIにChrome DevToolsの機能を解放して、ブラウザを自動操作させる」ためのサーバーです。

よくある構成として、Puppeteer経由でChrome DevTools Protocol (CDP)を操作し、新規のブラウザインスタンスを立ち上げることが多いようです。つまり、あなたがローカルで開いているブラウザとは別の、クリーンな環境で動作することが多い、ということです。

では、何に使うのでしょうか?

  • CIでのE2Eテスト: 「PRが出されたら、このテストシナリオを自動で実行し、失敗したらマージをブロックする」
  • パフォーマンス監視: 例えば、「mainブランチのLCPスコアと比較して、今回の変更で5%以上悪化していたらアラートを出す、といった運用も考えられますね」
  • 再現性が重要なバグ調査: 「クリーンな環境でこの手順を試し、バグが本当に再現するか確認する」

このように、「人」が手動で行うデバッグというよりは、「マシン」が実行する自動化のためのツールです。信頼性と安全性が第一のため、クリーンな環境で動かす構成が基本となります。

② 🔥 拡張機能ベースMCP

次にご紹介するのは、hangwin/mcp-chrome に代表される、Chrome拡張機能として動作するものです。こちらは公式のものとは対照的です。

一言で言うと、「今あなたが開いているブラウザの"状態"を活用して、AIが操作できるようにする」ためのツールです。

こちらの最大の特徴は、あなたのログイン状態(セッション)をそのまま引き継いで、AIがブラウザと"シンクロ"できること。これがローカルでの開発効率を飛躍的に高める理由です。

では、何に使うのでしょうか?

  • ログインが面倒な環境でのデバッグ: 「ステージング環境にログインして、このAPIのレスポンスを確認して。ついでにCookieの情報もダンプして」
  • 開発中のリアルタイムUI修正: 「今見ている画面をFigmaのデザインと比較して、異なっている箇所をリストアップし、CSSの修正案を提示して」
  • 複数タブをまたいだ情報収集: 「現在開いている参考サイト3つのソースコードから、使用されているJSライブラリをすべて抽出して」

つまり、「マシン」による自動化というより、「人」が行う日々の開発作業を高速化するための相棒と言えるでしょう。ただし、ブラウザ内のタブやDOM、Cookie/ストレージ、ネットワーク操作など広範囲な操作が可能になるため、信頼できない拡張機能やサーバーに接続するのは慎重になるべきです。まさに、柔軟ながらも注意が必要なツールというわけですね。

【結論】ひと目でわかる比較表

🤖 Chrome DevTools MCP 🔥 拡張機能ベースMCP
思想 再現性 & 安全性 利便性 & 効率
誰向け? CI/CDパイプライン (マシン) ローカルの開発者 (人間)
動く場所 隔離された別ブラウザ (が多い) 今あなたが使っているブラウザ
セッション 引き継がない (構成が多い) ガンガン引き継ぐ
得意技 自動テスト、パフォーマンス監視 ログイン前提のデバッグ、リアルタイムUI修正

もう、お分かりいただけたでしょうか?

  • CI/CDなどの自動化が目的なら → Chrome DevTools MCP
  • 日々のローカル開発を高速化したいなら → 拡張機能ベース MCP

これらは競合するものではなく、全く別の用途のツールだったのですね。

これで今日からあなたもMCPマスターです。話題の技術も、こうして整理すれば怖くありません。
まずは公式のもの(Chrome DevTools MCP)から試してみるのが良いと思いますので、Gemini CLIでこれを実行してみてはいかがでしょうか?

gemini mcp add chrome-devtools npx chrome-devtools-mcp@latest

(公式で紹介されている実行例ですが、環境によっては追加設定が必要な場合もありますので、公式ドキュメントのMCP Client configurationを確認してみてくださいね!)
https://github.com/ChromeDevTools/chrome-devtools-mcp/tree/main?tab=readme-ov-file#mcp-client-configuration

上記のコマンドを実行するとこんな画面で操作を続けて行けます!!

それではまた、次の記事で! 🚀

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