次のチャンスを掴むためのタスクへの向き合い方
この記事は、Magic Moment Advent Calendar 2024 12日目の記事です。
こんにちは!
Magic Moment で Engineering Manager をやっている fujisaki です。
私はマネージャーとして毎週メンバーと 1on1 を行っています。
そのなかでメンバーの やりたいこと や なりたい姿 について話す機会が度々あり、自分なりの考え方を伝えたり、どうしていくと良いだろうかとメンバーと一緒に考えてきました。
自身がメンバーに伝える言葉は、私自身のマネージャーやその上位の方からすると同じように見えているだろうと感じることも多々あり、ブーメランのように自分自身に返ってくることも多いです。
自戒も込めて、今回は自分なりの考え方を一度言語化して整理し、まとめてみようと思います。
本題に入る前に
今回まとめる内容はあくまで私個人の考え方であり、全ての人に当てはまるとは思っていません。
仕事に対する考え方は三者三様であり、今の仕事に対する考え方・向き合い方が自身にフィットしていればそれはそれで良いと思っています。
また、会社や業界によって状況が違うこともあると思います。
似たような状況下で自身として もっとこんなことがやりたい、こんな風になりたい と思っているものの、その状態にうまく向かえていないなと感じる方に少しでも参考になればと思います。
タスクの変化のよくあるケースと任せる側の心理
新卒でソフトウェアエンジニアになった方やジョブチェンジでソフトウェアエンジニアになった方など様々なケースがあると思いますが、おそらく多くの方が一番最初は要件や設計が全て決まっているものをそのまま形にするタスクから入ったのではないでしょうか。
その後、ある時からタスクに以下のような変化が出たと思います。
(まだ自身にその経験がない方も、周囲では似たようなことがあるのではないかと思います)
- 一部の設計を自身でするようになった
- タスクで扱う範囲が広くなった
- ちがう技術領域を扱うようになった
これらはより不確実なもの・抽象的なもの・技術的に広げる/深めるといった変化です。
逆にタスクを任せる側の心理は、シンプルに以下の2つのステップの繰り返しだと思います。
- 決められた要件・仕様をまず形にできるようになることを期待しタスクを任せる
- 1 のようなタスクが期待値通り安定的にできている(安定的にできると期待できる)と判断し、”決められた”の一部を自身で考えてもらうような形でタスクを任せる
ただ、実際にはそんなにシンプルではなく、会社や事業、組織の状況に合わせて以下のようなものが上乗せされていると思っています。
- 会社や事業や組織の少し先のことを見据え、少し時間がかかってでもタスクを通して経験を積んでスキルを身に着けてもらう(時間を投資し、メンバーの成長につなげる)
- 確実に成果を出す必要があり、そのタスクが実行できるとわかっている人をそこにアサインする(リソース最適化)
加えて、メンバー本人のキャリアパスとしてどのようなことを考えているか?を元に、その方向性にできるだけ合うようにするなども加味されることがあると思っています。
どのようにタスクに向き合うと良いか
1on1 で やりたいこと や なりたい姿 について相談される例として、例えば「1から自身で設計し、その開発をやりたい」や「(主としている領域と異なる)インフラ領域に関わりたい」などがよくあります。
私も過去、同じようなことをそのときのマネージャーに相談したことが多々あるのでとても気持ちがわかります。
これらの希望を伝える・相談をすること自体はとても良いことだと思います。
上記の「キャリアパスとしてどのように考えているか」に該当するインプットとしてマネージャーに伝えることは大切です。
ただ、上記の「タスクが期待値通り安定的にできている(安定的にできると期待できる)と判断し」という部分がついてこないとなかなかその希望を叶えてあげることが難しいです。
次のステップにつなげるために、タスクの向き合い方として以下の2点をまずは変えてみると良いと思います。
1. やりたいこと・なりたい姿と目の前のタスクの共通点を見つける
「1から自身で設計し、その開発をやりたい」と考える人がいたとして、例えば、ある程度設計などタスク実現のための方向性が示されているが、一部自身が考え決めないといけないようなタスクを任されている例があったとします。
相談 という名の下「どう実現すれば良いですかね?」と相手側の考え方が会話の起点とる問い方をしながら実現をしていくと、タスクは進みますが結果的に実現されたとしても「同様のタスクが安定的にできている(できると期待できる)」 とはなかなか判断がしづらいです。
「自分なりにこのように考えたのでフィードバック(レビュー)をもらってよいですか?」など自分の主張・考えをもって(つまり主体的に)タスクに取り組むことで、仮にそれが最善ではなかったとしても「こういった考え方をすることができるんだな」と評価ができます。
たしかに1から設計をするタスクではなかったかもしれませんが、その 一部を自身で考え決める必要がある という部分では共通点があり、そこができるんだぞということを証明することができて初めてより大きなタスクが任せやすくなります。
同じタスクであっても取り組み方で全く違った結果となるわけです。
2. 実績を作る
組織規模などによる部分はあるかもしれませんが、特にスタートアップだといろいろなものが常に不足していると思います。
様々なものに手が回らず、なんとかやっているという状況も多々あると思います。
例えば「(主としている領域と異なる)インフラ領域に関わりたい」と思っているのであれば、インフラに関する負を解消する取り組みをしている方に「一緒にそれやらせてください」「私にやらせてください」と伝えて実際に行動するのも一つだと思います。
実際にどんなに小さなものであっても「XXという課題があった点を解消しました!」と実際にやってしまうと尚良いです。
有志で集まる技術負債の解消を行う取り組みがあるのであれば、そこに飛び込んで見るのも一つだと思います。外部のイベントに参加するのも同様です。
希望することを実際にやっている状況を作る、その中で実際に小さなものでも良いのでやった実績を作ることで「期待できる」状況に近づきます。
なぜそれが大切か
次のステップに進むには信頼の積み重ねが必要です。信頼の土台となるのは実績と成果です。
無限に時間を与えるからこれやってみて、という状況は趣味であればあるかもしれませんが、なかなか仕事においては起こりづらいものだと思います。
有限の時間でやる必要があるからこそ、その時間でできると期待できるかが重要になります。
「タスクを実行する -> 期待値を満たせることの証明につながる -> 次の期待値が得られ次のステップのタスクが与えられる」のサイクルがあり、期待値を満たせると判断する材料が結局実績以外にはないため、任されているタスクや日々の取り組みが重要になるわけです。
最後に
仕事の当たり前のを文字にまとめただけになっているかもしれません。
キャリアを積み重ねた方にとっては目新しいものはなく、なにを今更・・・と思われるかもしれません。
ですが、ロールを持つ人・シニアメンバー・ジュニアメンバー関係なく、次のステップになかなか進めずに足踏みしてしまっているなと感じるときは自身の今やっているタスクに対してやりきれているか?と内省することは大切であると思います。
タスクの向き合い方を改めて、自身のやりたいこと・なりたい姿に少しでも近づけましょう。
明日のアドベントカレンダーは t-miyakさん の「React SPA の環境設定をビルド後にデプロイ環境ごとに変える」です。
お楽しみに!
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