SharePoint サイトの [ファイル要求] 機能を設定する
どんな機能なのか
ファイルを SharePoint サイトにアップロードしてもらうための専用のリンクを作成し、ユーザーにファイルをアップロードしてもらうことができます。
クラウド ストレージ サービスによくある機能の一つですが、外部のユーザーからファイルを送ってもらう場合、メールなどによるやりとりではなく、直接 SharePoint サイトにアップロードしてもらえるためセキュアにファイルを受領することができます。
この記事では、本機能を利用するための設定についてまとめます。
なお、設定については以下の技術情報でも解説されています。
実際の機能を 1 分程の動画でまとめてみました。
設定概要
ファイル要求の機能は、テナント単位の設定とサイト単位の設定があります。
それぞれの設定を組み合わせることで、以下のような制御を行うことが可能です。
・テナント全体としては禁止にして、特定のサイトのみ有効化する。
・テナント全体としては有効化するが、特定のサイトでは無効化する。
設定手順
必要な設定について解説します。
事前準備
PowerShell から SharePoint 管理シェルのコマンドを実行することで設定が可能です。
SharePoint 管理シェルのインストールや接続については、以下の技術情報に解説があります。
必須となる設定
SharePoint 管理センターの [外部共有] の設定で、SharePoint 側の設定を "すべてのユーザー" とする必要があります。(OneDrive 側は低くても問題ないです。)
また、同画面にて、[フォルダー] のアクセス許可を "表示、編集、アップロード" とします。
テナント レベルで制御する
本設定を適用することで、テナントの全てのサイトに対して、ファイル要求機能の有効・無効を制御できます。
設定は、SharePoint 管理シェルの Set-SPOTenant コマンドにて、CoreRequestFIlesLinkEnabled に値を設定します。
現在の設定値の確認
Get-SPOTenant | SELECT CoreRequestFIlesLinkEnabled
機能を有効化する
Set-SPOTenant -CoreRequestFIlesLinkEnabled $True
機能を無効化する
Set-SPOTenant -CoreRequestFIlesLinkEnabled $False
なお、明示的に設定を行っていない場合も False が応答します。この場合は、明示的に設定している場合と異なり、無効化の制御は効いてない状況になので留意してください。
この明示的に設定していない状況においては、サイトの外部共有の設定 (テナントではない) で [すべてのユーザー] を設定している場合に、ファイル要求機能が利用できます。
サイト レベルで制御する
本設定を適用することで、指定したサイトに対して、ファイル要求機能の有効・無効を制御できます。
設定は、SharePoint 管理シェルの Set-SPOSite コマンドにて、RequestFilesLinkEnabled に値を設定します。
この設定を利用することで、上記のテナント レベルでは機能を無効化していても特定のサイトのみ有効化するという設定が可能です。(逆もできます。)
現在の設定値の確認
Get-SPOSite -Identity <サイト URL> | SELECT RequestFilesLinkEnabled
機能を有効化する
Set-SPOSite -Identity <サイト URL> -RequestFilesLinkEnabled $True
機能を無効化する
Set-SPOSite -Identity <サイト URL> -RequestFilesLinkEnabled $False
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