Stream (Classic) のビデオ レポートの出力手順
はじめに
Microsoft 365 で利用可能な動画サービスである Stream (Classic) について、今後リタイアが計画されており、引き続き利用するビデオについては Stream (on SharePoint) へ移行することが可能です。
移行対象とするビデオを確認・検討するための機能として、ビデオ レポート機能が提供されています。
本記事では、このビデオ レポートの出力方法をまとめるものになります。
以下の公開情報の内容をもとに手順を解説しています。
この記事は、Microsoft 365 Advent Calendar 2022 12 月18 日の記事です。
準備
レポートを出力するスクリプトの実行には、テナント ID が必要になります。
テナント ID は、Microsoft Entra 管理センター (旧 Azure AD 管理センター) から確認することができますので、あらかじめアクセスしてメモ帳などに保存します。
手順
1.レポート出力スクリプトファイルのダウンロード
レポートを作成するスクリプトファイルを Stream の管理画面からダウンロードします。
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Stream 管理者の権限を持つユーザーで、Stream の管理画面にアクセスします。
https://web.microsoftstream.com/admin -
[Stream の移行 (プレビュー)] > [レポート (プレビュー)] > [スクリプトのダウンロード] を選択し、スクリプト ファイル (StreamClassicVideoReportGenerator.ps1) をダウンロードします。
2.トークンの取得
レポート出力で使用するトークンを取得します。トークンの取得はブラウザーの開発者ツールを使用して、ネットワーク トレースから取得する必要があります。
なお、トークンは、1 時間で期限切れるためレポートの実行の間隔があく場合は、都度取得する必要があります。
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Stream (Classic) にアクセスします。
https://web.microsoftstream.com/ -
F12 キー押下や CTRL + SHIFT + i キー押下で、ブラウザーの開発者ツールを起動し、ネットワーク タブを表示します。
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F5 キー押下やブラウザーの更新ボタンで、ページをリロードし、ネットワーク トレースを取得します。
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検索ボタンをクリックし、"refreshtoken" というキーワードでフィルターします。
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Request Headers セクションで、Method が "GET" となっている authorization の値をコピーします。(右クリックし、copy value や値のコピーを選択します)
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コピーしたトークン文字列のうち、"Bearer " の文字列をカットして、token.txt などの名前でファイルを保存します。
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管理画面から取得したスクリプトファイルとあわせて任意のパスにテキスト ファイルを保存します。(別のパスでも問題ないですが、あわせて保存しておいた方がわかりやすいと思います。)
3.レポート出力のスクリプト ファイルの実行
PowerShell からスクリプトを実行し、レポート ファイルを作成します。
- PowerShell を起動し、cd コマンドでスクリプト ファイルを保存したパスに移動します。
例
cd "C:\StreamReportGenerator"
- スクリプト ファイルをオプションを指定して、実行します。
必須オプションとして、以下を指定します。
オプション | 説明 |
---|---|
AadTenantId | テナント ID。事前準備の項目で取得したテナント ID を指定します。 |
InputFile | トークンのファイルのパスを指定します。 |
OutDir | レポート ファイルの出力パスを指定します。 |
必須となるオプション以外に、公開日を条件とした出力や前回の出力を考慮した出力などが設定できます。詳細は、公開情報 を確認してください。
例 1、前回出力から再開し、2022/1/15 ~ 2022/7/15 に公開されたビデオを出力する場合
.\StreamClassicVideoReportGenerator.ps1 -AadTenantId "00000000-0000-0000-0000-000000000000" -InputFile "C:\StreamReportGenerator\token.txt" -OutDir "C:\StreamReportGenerator" -ResumeLastRun true -PublishedDateLe "2022-07-15" -PublishedDateGe "2022-01-15"
例 2 全件出力する場合
.\StreamClassicVideoReportGenerator.ps1 -AadTenantId "00000000-0000-0000-0000-000000000000" -InputFile "C:\StreamReportGenerator\token.txt" -OutDir "C:\StreamReportGenerator" -ResumeLastRun false
- コマンドを実行し、成功すると以下のようにレポート ファイルが出力されたフォルダー パスの情報が表示されます。
- 出力先のフォルダーに移動し、レポートの CSV ファイルを Excel で開いた場合に、以下のように日本語文字列が文字化けします。
そのため、Excel を起動し、新規ブック作成後 [データ] タブ > [テキストまたは CSV から] > 対象のファイルを選択 > [読み込み] を選択し、ファイルを開きます。
- 文字化けせずファイルが開くことを確認します。
4.レポート ファイルの確認
レポート ファイルには、移行要否を判断するための項目が含まれています。
具体的には、PublishedDate (公開日) の項目からは、このビデオが直近まで表示されているビデオなのかどうかを判断することができます。
Creator (作成者) の項目は、ビデオをアップロードしたユーザーを確認することができるため、Owners (所有者) の項目とあわせて、移行の要否についてを確認するユーザーを確認することができます。
また、ContainerType (コンテナー タイプ) は、各ビデオがユーザーに紐づくものかグループ チャネル、全社チャネルに紐づくものであるかを確認することが可能です。
ビデオの移行は、ビデオごとではなくコンテナー単位での移行となるためどのタイプのコンテナーに紐づいているかを確認することは、移行先の検討においてとても重要になります。
各情報を元に検討する移行のアプローチについては、下記公開情報にまとまっています。
また、レポートの各項目の説明については、下記公開情報にまとまっています。現時点の内容を念のため抜粋します。
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