なぜプールに人がいない? 商圏分析ツール「gleasin」で見えた“非スマホ空間”
はじめに
商圏分析ツール「gleasin」を使って、テーマパーク周辺の人流を見ていたときのこと。
三重県にある「ナガシマスパーランド」を調べてみたら、ある“違和感”に気づきました。
「あれ、プールエリアに人がほとんど表示されてない…?」
実際の画面
下の画像は、gleasinでナガシマスパーランド周辺のGPS滞在人口を見たものです。

たしかに、プールの中心部だけ「白く」表示されており、他の観覧エリアに比べて人がいないように見えます。
これは「人がいない」わけじゃない
実際には、夏場には大勢の人でにぎわうはずのジャンボ海水プール。
しかし、gleasinのGPSデータには反映されていません。
理由として考えられるのが、「スマホを持ち込んでいない」ということ。
プールに入るときはスマホをロッカーに預ける
防水ケースがない限り、スマホを使う人は少ない
=GPSが拾えない=人がいないように見える

これはあくまで仮説ですが、
「見えているデータは“スマホを持っている人”だけ」という前提を意識すると、データの見方が変わります。
こうした状況は、温泉、スポーツジム、ライブ会場などでも見られます。
GPSデータの面白さと限界
- GPSでわかるのは「スマホの位置」であって「人」そのものではない
- スマホの行動=人の行動 と見なせるけど、常に一致するわけではない
でもだからこそ、「映っていないところ」から想像する余白もまた面白い。
位置情報で見える意外な世界
こうしたデータを扱うと、
- 平日でも賑わうエリア
- 一見誰もいないように見えるけど、実は人がいる場所
- イベント開催時だけ人が集まる空間
…など、「実際の行動パターン」や「商圏のズレ」まで見えてきます。
おわりに
今回の気づきは、ナガシマスパーランドのプールをきっかけに得られたものでしたが、
こういった“小さな違和感”からデータの読み解きが始まるのもまた面白さの一つです。
「なぜここに人がいない?」
そんな素朴な疑問が、位置情報分析の入口になるのかもしれません。
📍 地図 × データの世界は、見慣れた風景の裏側に新しい発見を与えてくれます。
最近はこの領域にすっかりハマっているので、今後もgleasinや地理データを使った面白い気づきを、記事として紹介していけたらと思います。
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