【セキュリティ】サーバー証明書の発行手順
はじめに
インターネットで安全な通信をするために「サーバー証明書」は必要不可欠です。ただ単にサーバーが作るだけでなく、信頼できる第三者機関である認証局によって正式に発行されます。この発行プロセスが、ブラウザに「この通信は安全ですよ」という証明となり、鍵マークが表示される理由につながります。
本記事では、サーバー証明書がどのように発行されるのか、その手順をまとめていきます。
サーバー証明書発行までの流れ
1. サーバー側でCSR(証明書署名要求)を作成する
まず、サーバーの管理者(Webサイトの運営者)は、自分のサーバーで使う公開鍵と秘密鍵のペアを作成します。秘密鍵はサーバーだけが知っている秘密の鍵で、安全に保管され、公開鍵は誰にでも公開できる鍵です。
次に、公開鍵とサーバー情報(ドメイン名や会社名など)をまとめて「CSR(Certificate Signing Request)」というファイルを作成します。
このCSRは「この公開鍵を私のサーバー用に証明してください」と認証局に依頼するための申請書のようなものです。
2. 認証局(CA)にCSRを送って証明書の発行を依頼する
サーバー管理者は、このCSRを信頼できる認証局(CA)に提出します。
認証局は、この申請が正当かどうか、
・ドメインの所有権が本当に申請者にあるか
・申請者がその会社や組織を代表しているか(企業認証の場合)
を確認します。
このチェックは厳密で、認証局によって審査のレベルが異なります(無料のものから企業向けの厳しい認証まであります)。
3. 認証局がサーバー証明書を発行する
認証局が申請内容を確認・承認すると、以下の情報を含む「サーバー証明書」を発行します。
・サーバーの公開鍵
・サーバーの情報(ドメイン名や会社名など)
・認証局の署名(この証明書が正当であることを保証する電子署名)
この証明書は「この公開鍵は信頼できるサーバーのものです」と証明するデジタルな身分証明書です。
4. サーバー証明書をサーバーにインストールする
発行されたサーバー証明書をサーバーにインストールします。
Webサーバーは、この証明書と秘密鍵を使ってHTTPS通信を行ないます。
5. ブラウザがサーバー証明書を検証し、鍵マークを表示する
ユーザーがブラウザでWebサイトにアクセスすると、サーバーは自分のサーバー証明書をブラウザに送ります。
ブラウザは以下をチェックします。
・証明書が信頼できる認証局(ルートCAまたは中間CA)から発行されているか
・証明書の有効期限は切れていないか
・証明書のドメイン名がアクセス先のドメイン名と一致しているか
これらの条件がすべてクリアできれば、「このサイトは安全に通信できる」と判断し、アドレスバーに鍵マークを表示します。
まとめ
サーバー証明書の発行プロセスと検証の仕組みが、私たちの目に見える「鍵マーク」という形で安全性を保証しているのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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