【ネットワーク基礎】 デフォルトゲートウェイ
はじめに
デフォルトゲートウェイは正しく設定されていないとインターネットに接続できないため、正しく理解した上で設定する必要がある、という非常に重要なものです。
今回はインターネット接続において重要なデフォルトゲートウェイについて噛み砕いて解説し、パケットがどのように届くのかについて、まとめていきます。
デフォルトゲートウェイの基本概念
デフォルトゲートウェイ(Default Gateway)は、ネットワークにおける「玄関口」や「出入口」となる装置(通常はルーター)のことを指します。自分の所属するネットワークの外に出る際に、必ず通らなければならないポイントで、より具体的には送り先がわからないときに「とりあえず送る相手」となるルーターのことを指します。
パケットはどうやって宛先に届くのか?
デフォルトゲートウェイを理解していくうえで、パケットが宛先に届くまでの流れを知っていると理解しやすくなります。
① パケットの送信
インターネットでWebページにアクセスするとき、PCから「HTTPリクエスト」というパケット(以下、パケットと表記する)が送信されます。
たとえば、Googleで検索するときに送っているのは「検索ワード」などを含むHTTPリクエストパケットです。
② ルーターがパケットを受け取り、仕分ける
パケットが届くとルーターはそのパケットの宛先IPアドレスを自身が持っているルーティングテーブルと照らし合わせて次の送り先を決めます。
この際、宛先IPアドレスがルーティングテーブルにある場合とない場合で対応が異なります。
デバイスは自分のIPアドレスとサブネットマスクを使って、通信相手が「同じネットワーク内」か「外部」かを判断します。
③-1 ルーティングテーブルにある場合
指定されたIPアドレスまたはネットワークに転送されます。
③-2 ルーティングテーブルにない場合
デフォルトゲートウェイに転送されます。
このデフォルトゲートウェイは、送り先がわからないときに「とりあえず送る相手」としてルーターが設定されます。通常は自宅のWi-FiルーターやISPのルーターを設定します。
このとき使われるのが、ルーティングテーブル内の「0.0.0.0/0(デフォルトルート)」です。
④ 上位ルーターにパケットを送信
多くの家庭や会社では、ISP(プロバイダ)のルーターが上位ルーターとなり、そこにパケットを送ります。
⑤ 上位ルーターを介して宛先に送信
「少しずつ宛先に近いルーターに渡していく」というルーティングのリレーが行われ、最終的に宛先サーバーであるGoogleのサーバーに到達します。
ルーターが次のルーターを選ぶしくみ
イメージ
ルーターは、宛先IPアドレスとルーティングテーブルのエントリのネットワーク部が一致するかを調べます。この「ネットワーク部」を判断するためにサブネットマスクが使われます。
一致するネットワークが見つかれば、そこに向けてパケットを送信します。
一致しない場合は、「デフォルトゲートウェイ」に送られます。
デフォルトゲートウェイに送られたあと
宛先ネットワークを知らない場合、多くのルーターは、全世界のネットワーク情報を持っていません。
代わりに今わかる範囲で「目的地に近づくように少しずつバトン形式で送る」という方法を取ります。
この「目的地に近づくように少しずつバトン形式で送る仕組み」を実現するために、インターネット全体では BGP(Border Gateway Protocol) というルーティングプロトコルが使われています。
各ネットワーク(AS:Autonomous System)ごとに経路情報を交換して、「どのネットワークを経由すればどこに届くか」を判断しています。
まとめ
今回はデフォルトゲートウェイの中で特に重要な概念の部分についてまとめました。
少しでも理解の助けになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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