【ネットワーク基礎】ハブについてざっくりまとめてみた
はじめに
ネットワーク機器の中で、LAN(ローカルエリアネットワーク)を構成する際によく登場するのが「ハブ(Hub)」です。この記事では、ネットワークハブの基本的な役割や仕組み、スイッチとの違いについて、初心者による初心者のための解説をしていきます。
ネットワークハブとは
ネットワークハブは、複数のパソコンやプリンターなどのネットワーク機器を物理的に接続する装置のことです。ハブを使うことによって、1対1ではなく複数の機器がハブを介してデータをやり取りできるようになります。
ハブの役割
※以下、リピータハブの説明になります。
デバイス同士を物理的に接続する
ハブには複数のLANポートがあり、そこにPCやルーターなどを接続すると、同じネットワーク内で通信ができるようになります。
たとえば、ハブにLANケーブルで4つのPCがつながっている場合、これらのPCは互いにハブを介して通信を行なうことができます。
これにより、同じネットワークに属することができます。
受信したデータを全ポートに転送する
ハブは、あるポートから受け取ったデータ(フレーム)を、他のすべてのポートにそのままコピーして送信します。
これは、「誰に向けて送られたか」を判断できないため、「とりあえず全部に送る」というシンプルな動作をしているからです。
ネットワークの集中ポイントとして機能する
家庭やオフィスで、複数台のPCやデバイスを1つのネットワークに集約する場所として使われます。
昔の小規模ネットワークでは、ハブが中心に置かれ、全機器がそこに接続される構成が一般的だったようです。
ハブの主な問題点
① 通信の衝突(コリジョン)が発生しやすい
ハブは接続された全機器に一斉送信するため、複数の機器が同時に通信するとパケットが衝突します。
これを「コリジョン」と呼び、データの再送が必要になります。
結果として通信速度が遅くなったり、不安定になったりしてしまうという不具合が発生してしまいます。
通信の衝突(コリジョン)が起こりやすく、バックエンドのAPI呼び出しが遅くなる可能性もあります。
② 不要なデータも届く
宛先が自分でないパケットも受け取るため、各機器が余計な処理をすることになります。
接続されているすべてのデバイスにフレームを送信することを「ブロードキャスト」と言います。
この通信方式は「誰宛の情報か」がハブ側でわからないため、接続しているデバイス全てに対して「このフレームを受け取ることができるのは誰ですか?」と全デバイスにアナウンスして、対象のデバイスがフレームを受け取ります。対象でないデバイスは無視します。
こうすることで、関係ないデバイスも巻き込まれるという無駄な通信が発生してしまい、通信が重く感じるといったようなパフォーマンス低下の原因になってしまいます。
③ セキュリティが弱い
すべてのポートに同じデータが流れるということは、他の通信を簡単に盗聴できることを意味します。
スニッフィング(盗聴ツール)を使えば、他人の通信内容も見えてしまいます。
そのため、セキュアな通信が求められる現代の環境では大きなリスクとなってしまいます。
これらのハブの問題点から、現在では使用することは非推奨とされています。
ハブは現代の企業ネットワークではほとんど使われておらず、基本的にはスイッチングハブ(スイッチ)に置き換えられているようです。
ハブとスイッチの違い
以下、ChatGPTのまとめがわかりやすかったため引用
項目 | ハブ | スイッチングハブ |
---|---|---|
通信方法 | 全ポートに一斉送信 | 宛先ポートにのみ送信 |
衝突(コリジョン) | 発生しやすい | ほぼ発生しない(ポート分離) |
通信速度 | 遅くなりがち | 高速で安定 |
セキュリティ | 弱い | 宛先限定のため比較的安全 |
層 | 物理層(レイヤ1) | データリンク層(レイヤ2) |
スイッチにはハブのような全ポートにデータを送信するといった非効率性がありません。
宛先が特定されていることによって衝突を回避することができ、通信が安定します。
また、セキュリティ的にも安全性が高いのが特徴です。
テスト・開発用の物理LANを組む際の基礎知識として
ローカル開発環境で、機器同士を物理的に接続する必要がある場合、ハブとスイッチの違いを知っておくと回避できる問題が多いようです。
例えば、
・通信がやたら重い・不安定 → 原因が古いハブだった
・複数人で同時にテストすると通信エラー → ハブでの衝突が原因だった
といったことが挙げられるようです。
まとめ
今回は、ネットワークにおけるハブについてまとめました。
現在ではスイッチングハブが主流となっており、ハブを単体で使用することは滅多にないようですが、ハブの技術を応用して生まれたことから、ハブの理解がスイッチにも活かせることができると言えるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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