【基本】ISP間の接続 ピアリング・トランジット
はじめに
インターネットに接続するためには、回線事業者とプロバイダーが重要な役割を担っており、これらの事業者と契約する必要があります。
以前、プロバイダー(ISP)同士で階層構造があることについて触れました。小さなネットワーク間で繋がり、大きなネットワークに繋がりつつインターネットに接続するには、プロバイダー(ISP)同士のつながりがとても重要です。
今回は、プロバイダー(ISP)同士がどのように接続しているのか、階層の解説と合わせて見ていきましょう。
以下、プロバイダーをISPと表記していきます。
ISPの階層
以下の解説はDeepSeekより引用し、一部編集
Tier1 ISP(基幹網プロバイダー):世界を繋ぐ
・世界規模のバックボーンを所有
・他のTier1と無料で相互接続(ピアリング)
・トランジット料金を徴収しない(収益は自社ネットワークの利用料)
(例)
・NTT Communications(日本)
・AT&T(米国)
Tier2 ISP(地域大手プロバイダー):国や地域を繋ぐ
・Tier1からトランジット接続を購入
・他のTier2/ISPとピアリング
・国/地域内での主要プレイヤー
(例)
・KDDI(日本)
・SoftBank(日本)
・Comcast(米国)
Tier3 ISP(小規模/アクセスプロバイダー):ユーザーとISPを繋ぐ
・Tier2からトランジット接続を購入
・エンドユーザーに直接サービス提供
(例)
・地域ISP(例:東京ベイネットワーク)
・光コラボ事業者(例:So-net、BIGLOBE)
このような階層化により、以下のようなメリットがあります。
・Tier1同士の無料ピアリングでグローバル接続を低コスト化
・階層ごとの役割分担で経路選択が効率化することでトラフィック最適化
・多重化された接続経路(Tier1が複数存在)を持つことによる障害耐性
ピアリング・トランジット
ピアリング
IX(インターネットエクスチェンジ)を介した相互接続を行なうことを指します。
お互いのネットワーク同士が対等な立場で直接接続し、トラフィックを交換します。
通常はお金のやりとりは発生せず、無償でトラフィックを交換します。
(例)KDDI(Tier2)とSoftBank(Tier2)がJPIXで直接接続
トランジット
下位ISPが上位ISPに経路利用料を支払うことで、インターネット全体への通信経路を提供してもらうことを指します。
月額・転送量単位で課金されますが、これにより、世界中どこへでもトラフィックを届けることができるようになります。
(例)Tier2がTier1に月額料金を支払い、インターネット全体に接続
インターネットエクスチェンジ(IX)
IX(Internet Exchange)は、複数のISPや企業ネットワークが直接トラフィックを交換する中立的な接続ポイントです。
※トラフィックとは、ネットワーク上を流れるデータの通信量を指します。具体的には、データパケットがネットワークを「流れる量や混雑状況」を表しています。
まとめ
今回は、ISP同士が繋がることで、巨大なネットワーク網ができることとどのようにコストが発生するかをまとめました。
このネットワーク同士のつながりにより、データの送受信が可能になることをイメージしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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