【ネットワーク基礎】グローバルIPアドレス・プライベートIPアドレス
はじめに
「外部に接続できない」「社内システムにアクセスできない」といった問題の90%はIPアドレスの設定ミスが原因と言われています。
つまり、IPアドレスを理解していることはネットワークトラブルシューティングに必須であり、基礎知識として知っておく必要があります。例えば、クラウド環境構築時にVPCサブネット設計では、パブリックサブネット(グローバルIP利用)とプライベートサブネット(ローカルIPのみ)の知識が必須になるようです。
そこで今回は、グローバルIPアドレス・プライベートIPアドレスについてまとめていきます。
IPアドレスとは
IPアドレスは、インターネット通信における約束事(プロトコル)のひとつであるIPが定める、ネットワーク上の機器に割り当てられる識別番号のことを指します。通信におけるアクセス元とアクセス先といった相手を特定する番号のことです。
IPアドレスは「192.168.1.1」(IPv4) や 「2001:0db8:...」(IPv6) のような形式で表され、「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」 の2種類に分けられます。
グローバルIPアドレス
世界中で重複しないインターネット全体で一意の住所のことを指します。
グローバルIPアドレスは、インターネット上のホストを一意に特定するという目的があるため、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)を中心とする「インターネットレジストリ」と呼ばれる組織によって管理されています。
ICANNからAPNIC(Asia-Pacific Network Information Centre)※アジア太平洋地域のIPアドレス(IPv4/IPv6)を管理する組織へ割り当て、そこからさらにJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)にはICANNより重複しないIPアドレスを割り当てられます。JPNICではそのアドレスを適切に管理しており、プロバイダー(ISP)などのIPアドレス管理指定事業者にグローバルIPアドレスを割り当ています。
このような流れで重複しないIPアドレスを割り当てています。
イメージ
つまり、私たちがインターネットにアクセスするには世界中のどことも重複しないグローバルIPアドレスが必要で、それはプロバイダーから割り当てられているのです。
グローバルIP・プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレス
LAN(ローカルエリアネットワーク)内で使用される専用のIPアドレスのことを指します。
これは、インターネット上では直接通信できない「内部用アドレス」であり、同一のネットワーク内でのみ有効です。
具体的には、家庭/企業内のネットワーク機器(PC、スマホ、プリンタ等)に割り当てられ、同一ネットワーク内の機器同士が通信する際に使用されます。
例えば、私たちが家庭用Wi-fiがある環境で端末を使用する際には、家庭内というネットワークにおいてルーターが自動的にこのネットワーク内で利用可能なプライベートIPアドレスを端末に割り当てます。これにより、同じネットワーク内にある端末同士での通信が可能になります。
外との通信においてはプロバイダーから配布されたグローバルIPアドレスを使用するのに対し、LAN内で使用するプライベートIPアドレスはルーターによって割り当てられているのです。
なお、プライベートIPは、異なるネットワークであれば同じ番号であっても問題ありません。
LANとWANを接続する仕組み
LANとWANが接続する際には、どのようにIPアドレスは使用されるのか、その流れは以下のようになります。
- LAN内のデバイス(プライベートIPアドレス)がインターネットに接続を要求する
- ルーターがLAN内で有効なプライベートIPアドレスをNATによってインターネット接続に必要なグローバルIPに変換します
※NATはルーター内で動作するソフトウェアで、プライベートIPをグローバルIPに変換する役割を果たします。 - インターネット(WAN)経由でデータ送受信
- ルーターが返されたデータを適切なローカルIPに転送する
プライベートIPだけではインターネットに接続できないため、必ずルーターを介してグローバルIPと通信します。
まとめ
今回は、IPアドレスの種類であるグローバルIPアドレスとローカルIPアドレスについてまとめました。
両者は割り当てられ方や使用される場面に違いがあることが理解できたと思います。
同じ端末を使用していても、外と通信しているのか、自分が属しているネットワーク内での通信なのかによってIPアドレスが変わるのです。次回は、静的IPアドレスと動的IPアドレスについて見ていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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