Next.js/ReactプロジェクトのUIライブラリ比較・選定ガイド
はじめまして、_minoです!
この記事では、Next.js/Reactプロジェクトで選定候補に上がってくるUIコンポーネントライブラリについて、現状どのライブラリを選定すればいいのか、また最適なのかをOSSのトレンドやベンチマークから解説します。
👤 対象読者
- フロントエンド開発に携わるエンジニアの方
- 個人でWebサービスやアプリを開発している方
- 最新トレンドに興味のあるエンジニアの方
- 開発チームと連携するデザイナーの方
- エンジニアリングが好きな方
📝 前提
今回ご紹介するのは、Radix UIのようなHeadless UIコンポーネントではなく、あらかじめデザイン(スタイル)が適用されているUIライブラリです。
また、私自身がReact開発者であることから、Next.jsと組み合わせて利用する際の特徴や比較にも重点を置いてまとめています。
🚀 対象UIコンポーネント
1. shadcn/ui
shadcn/uiは、Next.jsやReactプロジェクト向けに設計されたコピー&ペースト型のUIコンポーネント集です。従来のnpmパッケージとは異なり、ソースコードを直接プロジェクトに追加する独特なアプローチを採用しています。
Radix UI + Tailwind CSSをベースに構築されており、高度なカスタマイズ性と軽量性が特徴です。Radix UIの堅牢なアクセシビリティ機能の上に、Tailwind CSSによる美しいスタイリングを提供します。
2. HeroUI(旧NextUI)
HeroUIは、React Ariaをベースとした包括的なUIコンポーネントライブラリです。Tailwind CSSベースでありながら、shadcn/uiと比較してより豊富な機能と優れたアクセシビリティを提供します。
特に、キーボードナビゲーションやスクリーンリーダー対応などのアクセシビリティ機能が標準で組み込まれているのが大きな特徴です。先日リリースされたv3では、パフォーマンスの大幅な改善とアクセシビリティの向上が実現されています。
3. Chakra UI (v3系)
Chakra UIは、シンプルかつモジュラーな設計思想を持つReact UIライブラリです。直感的なコンポーネント設計により、開発者が迷うことなく素早くUIを構築できることを重視しています。
充実したテーマシステムとTypeScriptの完全サポートにより、型安全性を保ちながら一貫性のあるデザインシステムを構築できます。コンポーネントの組み合わせによる柔軟な表現力も魅力の一つです。
4. MUI (Material-UI)
MUIは、GoogleのMaterial Designガイドラインを忠実に実装した成熟したReactライブラリです。企業レベルでの利用を想定した豊富な機能と、長年の開発により培われた安定性が特徴です。
膨大な数のコンポーネントと確立されたデザインシステムにより、大規模なWebアプリケーション開発に適しています。また、Material Designの一貫性により、ユーザーにとって馴染みやすいUIを構築できます。
5. daisyUI (v5系)
daisyUIは、Tailwind CSS用のコンポーネント名でスタイリングできるライブラリです。最大の特徴はフレームワーク非依存であり、Vanilla JavaScriptからReact、Vue.jsまで幅広い環境で利用できます。
軽量性とテーマ切り替え機能の標準搭載により、最小限の設定でモダンなUIを実現できます。Tailwind CSSのユーティリティクラスの複雑さを解消し、btn
やcard
といった分かりやすいクラス名でスタイリングできるため、読みやすいHTMLの記述が可能になります。
その他
他にも素晴らしいUIライブラリはあったのでリンクのみ添付しておきます。
気になる方はこちらからご確認ください!
📚トレンド・人気
Star Historyチャート(GitHubスター数の推移)はこちらになります。
MUIは、累計スター数でトップに位置しており、長期間にわたってエコシステムが発展しています。
shadcn/uiは、他のライブラリと比べて登場が新しいにもかかわらず、急速に人気を集めています。
Next.js+Tailwind CSSとの相性の良さやv0の影響もあり、今後さらに伸びていくことが予想されます。
Chakra UI、HeroUI、daisyUIは僅差ではありますが、徐々に注目度が高まっています。
特にChakra UIは、v3以降でReact Server Componentsに対応したことや刷新によりパフォーマンスが大幅に改善されたため、人気が高まってきているように感じます。
daisyUIは、v5以降で大幅なパッケージ、パフォーマンスが改善されたことやTailwind CSSのv4対応しているのもあって、人気が高まってきているように感じます。
📊 比較検証・ベンチマーク
機能・対応状況比較表
技術選定の際によく挙げられる論点について経験談、公式ドキュメントを参考にしてまとめました。
評価項目 | shadcn/ui | MUI | Chakra UI | HeroUI | daisyUI |
---|---|---|---|---|---|
RSC対応 | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
Tailwind v4対応 | ○ | △ | × | ○(v2.8以降) | ○(v5.0以降) |
コンポーネント数 | 60+ | 80+ | 70+ | 50+ | 60+ |
公式 Figma Kit | △(無料) | ○(無料・有料版あり) | ○(無料) | ○(無料) | ○(有料、プレビュー版は無料) |
MCPサーバー | △(充実) | ○(充実) | ◎(最も充実) | △(限定的) | △(限定的) |
カスタマイズ性 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
アクセシビリティ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
学習難易度 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
バンドルサイズ・パフォーマンス
次にバンドルサイズおよびパフォーマンスの比較・検証を以下の条件に沿って行いました。
計測環境
- Next.js 15.5.2
- Tailwind CSS v4
- 各ライブラリで Button, Card, Input, Modal の4コンポーネントを実装
- Tree-shaking有効
バンドルサイズとは?
daisyUIはCSS中心でユーティリティ指向の設計が特徴であり、ページごとの増分も総バンドルサイズも非常に軽量です。
shadcn/uiはRadix UIとTailwind CSSを組み合わせながら、必要なコンポーネントだけをコピーして導入する方式が効いており、総量・増分ともに優れた軽量性を実現しています。
MUIやHeroUIは、豊富な機能やアクセシビリティの厚みを持つ一方で、その分バンドルサイズは中位の水準となります。
Chakra UIは、今回の検証条件下では最もリッチな機能を持ち、結果としてバンドルサイズが最も大きくなりました。
📌 UIライブラリ選定まとめ
パフォーマンスやカスタマイズ性、およびトレンドを考慮すると、shadcn/uiが現時点での最適解だと感じています。
また、v0との相性も良いことから、デザイナー(非エンジニア)の方でも手軽に扱えるという点で、良い選択肢と言えそうです。
コンポーネントの豊富さを重視したい場合や、Tailwindの記述スタイルが好みでない場合は、Chakra UIやMUIのような独自の実装手法を採用したライブラリを選ぶのも良さそうです。
個人的にはChakra UIはかなりおすすめで、開発のしやすさやリッチな機能性を重視するなら、積極的に検討したいライブラリです。
皆さんが携わっている案件では、どのようなUIライブラリを使用していますか?コメントで教えていただけると嬉しいです!
👀 最後に
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!☺️
この記事を通して、少しでもお役に立てば幸いです!
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