Cline の公式 docs を参照して回答してくれる MCP を使って、Cline のベストプラクティスを教えてもらった
Cline の公式 docs を参照して回答してくれる MCP を使って、Cline 使用におけるベストプラクティスを教えてもらった
こんにちは!ぎーです。
Cline を使ってるけどなんとなく使ってしまっている。日々のアップデートが多すぎてついていけてない。
そんな方のために、Cline の公式ドキュメントをもとに、初級から上級まで役立つ Cline のベストプラクティスをまとめました!
Cline は OSS のため、ドキュメントはもちろん、コードも公開されています。
そんな Cline が、公式のドキュメントを OSS のリポジトリに入れて、さらにそのドキュメントを MCP (Model Context Protocol) で取得できるようにしてくれました。
こちらの X のポストです。
そのため、Cline を使用する際にわからないことは都度、Cline に聞いて、公式の docs を基に回答してくれるという、信ぴょう性の高い回答が得られるようになりました。
そのような用途で使用することはもちろん可能で有益ですが、まずは Cline 自体の全体像を把握していなければ元も子もないので、
この MCP を使って、Cline のベストプラクティスを教えてもらいました。
Cline の初心者〜上級者まで、Cline のベストプラクティスを把握できる内容になっていますのでぜひ見てください!
Cline とは?
Cline は Visual Studio Code 上で動作する OSS の AI コーディングアシスタントです。大規模言語モデル(LLM)と連携し、コード生成・リファクタ・ドキュメント作成・タスク分解・外部ツール連携など、開発現場の生産性を大幅に高めてくれます。
Cline ベストプラクティス大全
1. Plan & Act モードを使い分ける
Cline には「Plan(計画)モード」と「Act(実装)モード」があります。
- Plan モード:要件整理・設計・実装方針の議論・ファイル全体の読解に最適。コード変更は行わず、戦略立案に集中できます
- Act モード:Plan で決めた方針に基づき、実際にコード生成・編集・ファイル操作・テストなどを実行
推奨ワークフロー
- Plan モードで要件・仕様・課題を洗い出す
- 重要ファイルや関連ドキュメントを@で参照し、Cline に読ませる
- 実装方針や設計案を Cline と対話しながら固める
- Act モードに切り替え、合意したプランに沿って実装・修正を進める
- 必要に応じて Plan に戻り、再度設計や課題整理を行う
2. モデル選定のコツと運用 Tips
Cline は複数の LLM(Claude 3.5 Sonnet, DeepSeek R1/V3, Gemini など)を使い分けられます。
| モデル | 特徴・おすすめ用途 | コンテキストウィンドウ |
|---|---|---|
| Claude 3.5 Sonnet | 実装・ツール利用の信頼性が最高。重要なコード生成に最適 | 200K トークン |
| DeepSeek R1 | 複雑な設計・要件分解・プランニングに強い | 128K トークン |
| DeepSeek V3 | 日常的なコーディング・コスパ重視の実装に | 128K トークン |
| Gemini Flash 2.0 | 超大容量コンテキストで大規模 PJ や長文に強い | 1M トークン |
| Gemini 1.5 Pro | さらに大規模なコンテキスト処理が可能 | 2M トークン |
- Plan は DeepSeek R1、Act は Claude 3.5 Sonnetなど、タスクごとに最適モデルを切り替えるのがベスト
- モデルごとに「コンテキストウィンドウ(記憶容量)」が異なるので、長い会話や大規模 PJ では Gemini 系が有利
3. .clinerules・Memory Bank で"知識の自動化"
- プロジェクトごとに「.clinerules」ファイルやフォルダを作成し、コーディング規約・ドキュメントルール・テスト方針などを明文化
- ルールは Cline の全応答に自動で反映され、チーム全体の品質・一貫性を担保
- Memory Bank(projectbrief.md など)でセッション間の知識を維持し、進捗や設計パターンを定期的に更新
Memory Bank の主要ファイル構成:
-
projectbrief.md- プロジェクトの基盤となる文書。スコープや目標を定義 -
productContext.md- プロジェクトの目的、解決する問題、動作方法を説明 -
activeContext.md- 現在の作業フォーカス、最近の変更、次のステップを記録 -
systemPatterns.md- システムアーキテクチャ、技術的決定、設計パターンを文書化 -
techContext.md- 使用技術、開発環境、技術的制約を記録 -
progress.md- 機能の進捗状況、未完了の作業、既知の問題を追跡
# Project Guidelines
## Documentation Requirements
- /docs配下のドキュメントを常に最新に
- README.md, CHANGELOG.mdも必ず更新
## コードスタイル
- TypeScriptはaxiosテンプレートでAPIクライアント生成
- リポジトリパターンを推奨
- エラーハンドリングは/src/utils/errors.tsに従う
4. 効果的なプロンプト術・実践例
- @ファイル名や@ディレクトリ名で文脈を明示:「@src/components/Header.tsx を参照して、UI を改善して」
- 要件・目的・制約を最初に明確化:「この関数はパフォーマンス最優先で書いて」
- 大きなタスクは分割し、段階的に依頼:「まず設計案を出して → 次に実装 → 最後にテスト」
- Cline の提案に対し、必ずフィードバック・修正指示を返す
- 「全コードを省略せず出力」「信頼度を 10 段階で答えて」など明示的な指示も有効
# プロンプト例
- 「このファイルのリファクタ案を 3 つ出して、メリット・デメリットも比較して」
- 「API エラー時のハンドリングを強化して」
- 「設計方針を.md でまとめて」
5. タスク・コンテキスト管理の Tips
- コンテキストウィンドウの進捗バーを常に確認(70-80%で新セッション推奨)
- 重要なタスクはお気に入り登録・不要なタスクは定期的に削除
- 検索・エクスポート機能で履歴を有効活用
/newtaskで新しいタスクセッションを開始し、ワークフローを分割-
/smol(または/compact)で長い会話を要約し、コンテキストを整理-
/smolコマンドは会話が長くなった時に履歴を効率的に圧縮します - コマンド実行後、Cline が会話の重要ポイントだけを残した要約を生成
- 例:
/smol データベース関連の変更だけに焦点を当ててのように、要約の焦点も指定可能 - コンテキストウィンドウの使用率を大幅に削減でき、長時間のタスクで特に有用
-
- 価値あるタスクはエクスポートしてナレッジ化
タスク履歴は「History」ボタン(サイドバー)またはコマンドパレットからアクセスでき、検索・フィルタリング・ソート機能も利用できます。ソートオプションには「最新順」「古い順」「トークン数順」などがあります。
6. セキュリティ・運用のベストプラクティス
- Cline はクライアントサイドのみで動作し、ゼロデータ保持ポリシーを実装
- .clineignore で機密情報や不要ファイルを除外して安全性を確保
- API キーや認証情報は必ず環境変数で管理し、漏洩リスクを最小化
- 公式ドキュメント・Discord・GitHub Issue で最新情報をキャッチアップ
Cline はオープンソースで、コードの全て透明性が高く、セキュリティ監査も可能です。テレメトリデータ(使用統計)は匿名で収集され、個人識別情報は含まれません。また、VS Code のインストール時や設定変更でテレメトリ収集をオプトアウトすることも可能です。
まとめ・次のアクション
Cline は、初級から上級まで幅広い開発者の生産性を最大化する AI コーディングアシスタントです。Plan&Act モード・モデル選定・Memory Bank・プロンプト術・タスク管理・セキュリティ対策を駆使し、あなたの開発現場に"AI の力"を最大限取り入れてみてください。
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