Cline に対する Roo Code の優位性は何なのか?
こんにちは!ぎーです。
Cursor, Cline, Roo Code, Copilot 何を使っていますか?
最近は Cursor ユーザーが圧倒的に多いように感じます。カンファレンスなどで登壇者がお気に入りエディタを紹介することが多いですが、だいたいみなさん Cursor を選んでいます。
そんな中、Copilot は GitHub ブランドでユーザーがいるのはわかりますが、Cline や Roo Code はどうでしょう?
VSCode をフォークして作られた Cline を、さらにフォークして作られた Roo Code。フォークのフォークなのにもかかわらず一定の人気があるのは興味深いですね。
そこで今回、**Roo Code の優位性とは何なのか?**という視点で徹底調査しました。この記事を見て、Roo Code への乗り換えの判断材料にしてください!
Cursor や Copilot は、コード補完だったりそもそもできることが異なるので、Cline と Roo Code のみを比較します。
Cline, Roo Code の特徴と開発背景
まずは両ツールの基本的な特徴を理解しましょう。
Cline
- VS Code 拡張機能として提供
- オリジナルは「Claude Dev」という名前でした
- Cline Bot Inc.社が開発した AI エージェント
- OSS
- 名称の由来は「CLI aNd Editor」
ドキュメントサイトもあります。
Roo Code
- 元々は「Roo-Cline」という名称でした
- 「Cline」を RooVetGit 氏が 2024 年 12 月 16 日にフォーク
- より使いやすさを重視した改良版
- VS Code 拡張機能として提供
- OSS
ルーさんが開発したから Roo Code ということで、個人が趣味で実験的な機能をたくさん盛り込んだ改造版という位置づけです。一方、Cline は企業として成長を目指し、エンタープライズでのマネタイズを視野に入れています。
ドキュメントサイトもあります。
機能の比較
Roo Code は機能面で Cline に対して優位性があります。
モード機能
Cline
- 基本的に単一のモードで動作
- 計画と実行を分離する Plan/Act モード
- ユーザーは計画段階から実行段階へ明示的に移行する必要がある
Roo Code
- 複数の特化型モードを提供し、各モードは特定のタスクに最適化されたペルソナとして動作
- 各モードは最後に使用したモデルを記憶し、モード切替時に自動的にそのモデルを選択
- モード切替は 4 つの方法で可能 (ドロップダウンメニュー、スラッシュコマンド、キーボードショートカット、提案の承認)
組み込みモード
-
💻 Code モード (デフォルト)
- プログラミング言語、設計パターン、ベストプラクティスに精通した熟練のソフトウェアエンジニア
- すべてのツールグループ (read, edit, browser, command, mcp) へのフルアクセス
- コード作成、機能実装、デバッグ、一般的な開発作業に最適
-
❓ Ask モード
- 徹底的で完全な回答を提供することに焦点を当てた知識豊富なテクニカルアシスタント
- 限定的なツールアクセス (read, browser, mcp のみ - ファイル編集やコマンド実行は不可)
- コード説明、概念探索、技術的学習に最適
- プロジェクトを変更せずに、詳細な情報提供と図表による説明が得意
-
🏗️ Architect モード
- システム設計や実装計画の作成を支援する経験豊富な技術リーダー/プランナー
- read, browser, mcp、および制限付き編集 (マークダウンファイルのみ) へのアクセス
- システム設計、高レベルの計画立案、アーキテクチャに関する議論に最適
-
🪲 Debug モード
- 体系的なトラブルシューティングと診断に特化した専門的な問題解決者
- すべてのツールグループへのフルアクセス
- バグの追跡、エラーの診断、複雑な問題の解決に最適
- 分析、可能性の絞り込み、問題修正という体系的アプローチを使用
-
🪃 Orchestrator モード (Boomerang モード)
- 複雑なタスクを分解し、専門モードに委任する戦略的ワークフローオーケストレーター
- read, browser, command, mcp、および制限付き編集 (モード設定ファイルのみ) へのアクセス
- マルチステッププロジェクトの管理、異なるモード間での作業調整、複雑なワークフローの自動化に最適
-
new_task
ツールを使用して他のモードにサブタスクを委任可能
コスト効率とパフォーマンスの違い
コスト面では、Roo Code が優位性を持っています。
- Roo Code はトークン最適化機能と、より費用対効果の高いモデルのサポートによりコスト削減が可能
- Gemini API コールの自動キャッシュ機能も搭載
- Amazon Nova Pro と Claude 3.5 Sonnet では、コストに大きな差がある
より低コストなモデル選択が可能になる点は Roo Code の大きなメリットです。
カスタマイズ性と自律性の違い
カスタマイズ性
Roo Code は「Custom Modes」機能を導入しており、QA エンジニア、プロダクトマネージャー、UI/UX デザイナー、コードレビュアーなど、特定の役割に特化したエージェントを作成できます。これにより、ユーザーは様々な専門家チームを自分のエディター内に構築できるようになっています。
エンハンスメント機能
Roo Code には、"Enhance Prompt"、"Explain Code"、"Fix Issues"、"Add to Context"といった強力なプロンプト機能が備わっており、AI に対してより具体的かつ詳細な指示を与えることができます。これにより生成されるコードの品質と精度を高めることが可能です。
MCP(Model Context Protocol)対応
Cline:
- MCP マーケットプレイスを提供
- ワンクリックでツールを追加可能
- GitHub 連携などを簡単に設定できる
Roo Code:
- MCP をサポート
- マーケットプレイスはなく、ユーザーが手動でサーバーを設定する必要がある
使いやすさと向いているユーザー
「より高度な AI 支援機能を求めるなら Roo Code、よりシンプルで直感的な操作性を重視するなら Cline」という見解が一般的です。Cline は初心者でも扱いやすいシンプルなインターフェースが特徴で、Roo Code はより多くのカスタマイズオプションと機能を求める上級ユーザーに向いています。
Cline が適しているユーザー
- シンプルで直感的なインターフェースを好む場合
- MCP マーケットプレイスの便利さを活用したい場合
Roo Code が適しているユーザー
- 異なるタスクに特化したモードを使い分けたい場合
- 高度なカスタマイズが必要な場合
まとめ:Roo Code の優位性
どちらのツールを選ぶかは、あなたの開発スタイルやプロジェクトの複雑さ、予算などによって決まってきますが、シンプルさと分かりやすさを重視するなら Cline、より多機能で柔軟なカスタマイズを求めるなら Roo Code が適しているかもしれません。
初心者の場合は Cline から始めて基本を学び、より特殊なニーズが出てきたら Roo Code に移行するというアプローチも効果的です。あるいは、両方のツールを目的に応じて使い分けることで、それぞれの強みを最大限に活用することも可能です。
ぜひ自分に合ったツールを見つけて、開発効率を向上させてください!
Roo Codeを使う場合は、ここにTipsとTricksが載っているのでここの一読はおすすめです!
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