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Javascript における Hoisting を理解したい

2022/12/06に公開約5,200字

🌼 はじめに

Javascript の Hoisting をなんとなくは知ってたけど正確にどういう動きをするのかをあまり把握してなくて、一度ちゃんと理解したいという気持ちは昔からありました。

が、なかなか実行できず、、(^_^)だったので今年アドベントカレンダーを機会にちゃんと整理したいと思います!!

1. Hoisting とは

Javascript における Hoisting は「変数や関数などの宣言をスコープの先頭に巻き上げること」です。

「hoist」という英単語自体が「持ち上げる、巻き上げる」という意味を持っているので、日本語では Hoisting のことを「巻き上げ」とも言うらしいですね。

まあ言葉だけではピンとこないかもしれないので、これから変数と関数の具体例で説明します。

2. 変数の Hoisting

2-1. var

まずvarの Hoisting による事象の一つを紹介します。

console.log(name); // undeinfed
var name = 'みんちゃん';

ぱっと見「なんでこれエラーにならないんだ?」と思っちゃいますね。だって変数宣言の前に呼び出してるので、参照エラーになるのが自然に感じます。

エラーにはならない理由は、変数の宣言が巻き上げられたからです。上のコードが動作するイメージを表現するとこういう感じでしょう。

var name;
console.log(name);
name = 'みんちゃん';

注意)実際のコードがこのように変更されたりコンパイルされたりはしません。 あくまでイメージするために書いたコードです。

ここで大事なことは、宣言だけ Hoisting が発生するということです。試しに変数の宣言と初期化を分離してみましょう。

console.log(num); // undefined を返す。宣言のみが巻き上げられ、この段階では初期化が行われないため

var num; // 宣言
num = 6; // 初期化

初期化は Hoisting が起こらず、巻き上げられることもないからconsole.logundefinedが出力されるということですね。

変数宣言せず初期化だけしてみるともっとはっきりした挙動が見られます。

console.log(num); // ReferenceError
num = 6; // 初期化

変数宣言がない、従って Hoisting も起こらないので参照エラーが発生します。

なるほど、宣言のみ巻き上げられることは理解しました。次にその宣言がスコープの先頭に巻き上げられることを確認してみましょう。

console.log(number) // Uncaught ReferenceError: number is not defined

function printNumber () {
  console.log(number) // undefined
  var number = 100;
}

varの有効スコープは関数スコープなので、変数宣言が関数の先頭には巻き上げられるます。関数の外はスコープ外なので巻き上げられません。

まあ言い換えると関数以外のスコープでは色々と巻き上げられてしまうので色々怖いですね。例えばfor文で宣言した変数とかも Hoisting が発生します。

console.log(i) // undefined

for (var i = 0; i < 5; i++) {
  // ...
}

for文で宣言したiがfor文の外まで巻き上げられてconsole.logが参照エラーになっていません。

なんかやばい匂いを感じますね(^_^)。varは Hoisting 以外にも色々危ない仕様が多かったので、ES6からconstletが登場しました。

2-2. constlet

ではconstletでの Hoisting 挙動も見てみましょう。
constletの有効スコープはブロックスコープなので、ブロックの中で実行してみました。

{
  console.log(constVar) // Cannot access 'constVar' before initialization
  const constVar = "constVar"
}

{
  console.log(letVar) // Cannot access 'letVar' before initialization
  let letVar = "letVar"
}

両方console.logでエラーが発生してますね。

ここで注目すべき部分は、エラーメッセージです。%% is not definedではなく、Cannot access %% before initialization、つまり初期化以前にその変数にアクセスできないというエラーメッセージになってます。

varとは違ってconstletで変数を宣言すると、こういう変数にアクセスできない区間ができます。それをTDZTemporal Dead Zone、一時的なデッドゾーン)と言います。TDZの範囲はスコープの先頭から変数の初期化が完了するまでで、その間に変数にアクセスしたら先のようなエラーメッセージを返します。

サンプルコードで見てみたらイメージしやすいかもです。

{ // fooの TDZ がスコープの先頭から始まる
  console.log(bar); // undefined
  console.log(foo); // Cannot access 'foo' before initialization
  var bar = 1;
  let foo = 2; // fooのTDZ終了(変数が初期化されたので)
}

ちなみにTDZはコードの作成順ではなくコードの実行順によって生成されます。

以下のサンプルコードの場合letの変数宣言がその変数にアクセスしてるfunc関数より下にありますが、func関数を呼び出す時点がTDZの外なので正常に動作します。

{
    // letVarのTDZがスコープの先頭から始まる
    const func = () => console.log(letVar); // OK

    // TDZの内部。ここでletVarにアクセスしたらReferenceErrorになる

    let letVar = 3; // letVarのTDZ終了(変数が初期化されたので)
    func(); // TDZの外で呼び出してるのでOK
}

ということでconstletからは変数宣言前だとその変数にアクセスできなくなりました。有効スコープもvarとは違ってブロックスコープなので、for文やif文で宣言した変数がその外まで巻き上げられることもなく、もっと安全な挙動になった気がします。

+) constletでは Hoisting が発生しない?

constのMDNページletのMDNページを読んでみると、constletの変数宣言は non-hoisted としてみなされるという記述があります。ではconstletの場合 Hoisting 自体が発生しないんでしょうか?

それに対する答えは Hoisting のMDNページにありました。

要は「Hoisting という単語がすごく明確に合意が取れてるわけではないので non-hoisting にみなしてもいいけど、巻き上げ自体は発生する」ということです。

巻き上げが発生するということは以下のサンプルコードを見たら理解できます。

const x = 1;
{
  console.log(x); // Cannot access 'x' before initialization
  const x = 2;
}

もしconst x = 2;で全く Hoisting が起こらないなら、console.log(x)は上位スコープからxの値を読み取れるはずです。

でも実際はTDZのエラーが発生してるので、const x = 2;の宣言がスコープの先頭に巻き上げられ、TDZに入ってる状態ということでしょう。

個人的にも「constletだから Hoisting が発生しないというわけではなくて、発生するにはするけどTDZで初期化完了前の変数にアクセスすることを禁止してるから Hoisting が起こってないように感じる」があってる気がします。

3. 関数の Hoisting

変数の整理が終わったので次に関数です。
関数も Hoisting の対象ですけど変数よりは内容が少ないのでサクッと見てみましょう。

3-1. 関数宣言

関数宣言をすると、それを囲む関数やグローバルスコープの先頭に巻き上げられ、関数を宣言する前に使うことができます。

hoisted(); // "foo"

function hoisted() {
  console.log('foo');
}

宣言の前に使うこともできるところが変数とは違う部分ですね。

3-2. 関数式

でも関数式では宣言の前に関数を使うことはできません。

notHoisted(); // notHoisted is not a function

var notHoisted = function() {
   console.log('bar');
};

理由は簡単です。関数式も値が関数なだけで、変数宣言キーワードを使う変数宣言です。だから先ほど学んだ変数宣言キーワードの Hoisting と同じ挙動になります。

上の例だとvarで関数宣言してるので、宣言以前にnotHoistedにアクセスしたらundefinedのはずです。なのに関数実行してるから「関数ではない」というエラーになります。

ではvarconstに変えてみましょう。

{
  notHoisted(); // Cannot access 'notHoisted' before initialization

  const notHoisted = function() {
    console.log('bar');
  }
};

constで変数宣言してるので、スコープの先頭から初期化までTDZが生成されます。関数コールしてる時点はTDZの内部なので「初期化前にはアクセスできない」というエラーになります。

こういうことがあるので、関数式で関数を定義するときは変数の Hoisting と同じ挙動をするということを理解しておいたらいいでしょう!

🌷 終わり

ここまでがざっくりとまとめた Javascript の Hoisting です。主にMDN見ながら書きました!

(なんとかアドカレ公開日までは間に合った、、!!)

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