[イベントレポート] SORACOMプラットフォームを選んだ理由
こんにちは。Luup Developers Blog編集部の堀内(@shinya_h)です。
IoT活用を支えるプラットフォームを提供する株式会社ソラコムさま(以下SORACOM)が開催するイベント「SORACOM Discovery 2022」に弊社CTOの岡田が登壇しました。
この記事ではイベントレポートとしてCTO 岡田が講演した内容を紹介します。
イベント概要
2022年7月6日、7日にオンラインで開催されました。弊社CTOの岡田は7月7日に講演しました。
詳しくはSORACOMが提供するアーカイブ配信をご視聴ください。
なぜ登壇したのか
弊社ではSORACOMが提供するIoT向けのデータ通信サービスやアプリケーションサービスを利用しています。
LUUP車両のどこに、どのようにSORACOMサービスを利用しているのか、なぜSORACOMサービスの採用を決めたのか等を弊社のプロダクト開発や技術に少しでも興味をもっていただける方に紹介できればと考え、LUUPが持つIoT環境の仕組みを説明しました。
LUUPについて
LUUP は、電動キックボードや電動アシスト自転車(以下、車両)をはじめとする、電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティを、iOS/Android アプリから解錠・施錠を行って自由に乗車することのできるシェアリングサービスです。
2020年5月のローンチ以降拡大を続け、現在は東京・大阪・横浜・京都・仙台の5つのエリアにてサービス提供をしています。
「ポート」と呼ばれる、車両を借りることのできる街中のスポットは現在5エリアで合計1,800箇所以上設置されており、5,000台以上の車両がユーザー皆様の日々の移動シーンで利用されています。
LUUPのシステム構成
車両にはIoTデバイスが入っています。そのIoTデバイスがSORACOM SIMを通じてサーバーと通信できるようになっており、IoTデバイス制御用のAPIサーバーからアプリのバックエンドサーバーに通信を行っています。
iPhoneやAndroidスマホのアプリを利用して施錠・解錠を行うとSORACOM SIMサービスを通じて車両のIoTに信号が届きます。その結果、電子的な鍵の施錠・解錠が行われています。
SORACOMプラットフォームを選んだ理由
数あるデータ通信サービスから、なぜLUUPはSORACOMを選んだのでしょうか?
現実世界での移動のソリューションという価値を生み出すLUUPの事業において、ハードウェアとソフトウェアをつなぐIoTがシステム上重要な結節点の一つと我々は考えています。
その結節点において適切なパーツを組み合わせて、低コストで柔軟な技術基盤を作り出すことができたのがSORACOMサービスだったのです。
具体的にどのSORACOMサービスを弊社で利用しているのか、紹介します。
SORACOM Beam
SORACOM Beamを利用すると下記のようなメリットを開発コスト低く、かつ柔軟に実現ができます。
- 本来IoTデバイス側で行う暗号化処理や接続先サーバー変更をBeamで設定できる
- IoTとの通信をセキュアに実現できる
- 通信量削減に貢献できる
弊社ではBeamを利用する以前はサーバー変更や作業時には車両1台1台に対して利用するサーバー情報変更を実施しており、市場での台数が増えるに伴い作業量が増大している状況でした。
Beam利用により、車両はBeamに対してデータを送信するようになったため、サーバー変更等の際はBeam側の設定情報を変更するだけで良い状態になり、サーバーメンテナンスが行いやすくなりました。
グローバル向けIoT SIM
車両やIoTデバイスは海外の提携工場にてODMで生産を行っています。
初期ローンチの際に、事業を高速に立ち上げるために短期間でハードウェアとソフトウェアの開発を同時に進める必要がありました。
SORACOM Air for セルラーのグローバルSIMを利用し、海外工場にSIMを送付してIoTデバイスに組み込み、動作確認を行った後、そのまま車両が日本に送られてきます。
日本では車両の安全確認や保安部品等の確認を行った後、速やかにお客様に利用いただくことが可能になりました。
おわりに
LUUPのIoTに関する環境を紹介したイベントレポートを紹介しました。
現在は車両の施錠・解錠や位置情報取得での利用が中心なIoTデバイスですが、IoTデバイスやSORACOMサービスを通じた更に詳細な車両情報取得や車両管理を検討しています。
弊社ではIoTデバイスの開発を通じて一緒に街じゅうを駅前化するインフラをつくってくださる仲間を募集しています。プロダクト開発や技術に少しでも興味を持っていただけた方は、以下のリンクからお気軽にご連絡ください。
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