ITPとコンバージョン計測のまとめ

iOSでリダイレクトによるCV計測が失敗する理由
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現象:ドメインA(記事LP)→ドメインA(トラッキング用の中間リダイレクトページ)→ドメインB(広告主LP) の流れの中で、トラッキング用の中間リダイレクトページで発火しているLINEタグでCV計測できない。
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理由: LINEのドメインは3rdPartyだから。
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リンクデコレーションやAPI通信でしかクリックIDを付与できない。
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iOS SafariではIDをCookieに保存できない。広告主LPのサイトでも同様。Yahooジェネラルタグのように全ページにトラッキング維持のためのタグを埋めておけば、その限りではない。
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3rdPartyのドメインのサーバーをCNAMEやNS対応によって自分のドメインのサブドメインに割り当てている場合は、1stPartyCookieとしてトラッキングができる。

トラッカードメイン判定材料
- 当該ドメインのスクリプトが他のドメインで読み込まれた数
- 当該ドメインがiframeで他のドメインで読み込まれた数
- 当該ドメインが他のドメインで読み込まれたときの、そこからのリダイレクトドメイン数
- 当該ドメインにアクセスしたときの、そこからリダイレクトしたドメイン数

ITP 1.0対応
問題:
・3rd Party Cookie がブロック
各社対策:
・localStorage に保存
・FingerPrinting
・CNAME方式
・リンクデコレーション
・Super Cookie

ITP 2.1対応 (2019年3月) iOS12.2以降
問題:
・JSで生成した1st Party Cookieの有効期限が最大7日間に。(サーバ側で生成したCookieは制限を受けない)
各社対策:
・サーバサイドCookie生成 (httponly)
・localStorage に保存

ITP 2.2対応 (2019年4月) iOS12.3以降
問題:
・以下条件を全て満たすとき、1st Party Cookieの有効期限が最大24時間に。
トラッカー判定ドメインからのアクセス
サイト表示時のURLにクエリパラメータやフラグメント識別子が存在
各社対策:
・サーバサイドCookie生成 (httponly)
・localStorage に保存

ITP 2.3対応 (2019年9月) iOS13以降
問題:
・以下条件を満たすとき、localStorageが消える。
トラッカー判定ドメインから、クエリパラメーターやフラグメント識別子付きURLでアクセス
ページ遷移後、7日間そのページでブラウザ操作が行われない
・リファラーがトラッカー判定ドメインのとき、document.referrerでドメイン名しか取得できない。
各社対策:
・CNAME対応
・NS対応
・サーバサイドCookie

参考
- ITPの計測ツールへの影響

クロスドメインのCV計測は可能か
- LINEの場合
- https://help2.line.me/admanager/win/pc?lang=ja&contentId=20015103
- https://www.linebiz.com/jp/manual/line-ads/tracking_002/
- 結論:
- ルートドメインが異なる場合の計測には対応していない
- www.abc.com と jp.abc.com は、タグ内のsharedDomainCookieプロパティの設定により1stPartyCookieによるクロスドメイントラッキングが可能