「爆速成長・レールなき自由・境界なき役割」な環境でのサバイバルガイド

現在、AI-Opsエンジニアとしてインターンをしており、来春から新卒として正式に入社予定の筆者である。本記事では、事業が爆速で拡大する環境に身を置き、実務の中で叩き込まれた「生存戦略」を等身大の視点でまとめた。
「優しさ」に甘えないで。急成長する現場のリアル
まず前提として、ログラスのメンバーはめっちゃ優しい。ただ、現実は事業が爆速で拡大しているフェーズで、みんな高い目標を追っている。
ここが大事なポイントなんだけど、人がいくら優しくても、みんなそれぞれが成し遂げないといけない任務と責任があるから、「1から100まで手取り足取り教わる」のを待っていてはいけない。
インターン生にはメンターがもちろんつくけど、自律自走はある程度求められているし、むしろそこを期待されている。このスタンスを理解しているかどうかで、成長スピードは段違いになる。
だからこそ、最初の「情報の取り方」が肝になる。MTGは「One Shot」で仕留める。 タスクのアサインやヒアリング、初回面談のチャンスを逃してはいけない。
ここでできるだけ多くの有意義な情報を収集して、メモを取りながらその場で頭の中で整理し技術的な実現方法を考えるんだ。
「とりあえず聞いて、わからなかったら後でまたMTGを設定すればいいや」という考えは捨てよう。 他のMTGが必要にならないように、その場で完全理解し、納得するところまで行って一回で済ませよう。
質問もガンガンしよう。相手の時間を守ることは、自分の信頼を守ることと主体的な大人としてのあり方にもつながる。
Context switching fatigue is real
すぐ隣のチームメンバー以外に、仕事中安易に声をかけることは基本的に避けるようにしている。 なぜなら、コンテキストスイッチによる疲労はほんとにひどいからだ。
エンジニアなら分かると思うけど、完全に集中/深い思考モードに入るには時間がかかるし、適切な条件が必要だ。 それを、単純な関係のない質問で破壊してはいけない。
みんなそれぞれ複数のタスクを担当しているし、それぞれに脳のメモリをフル活用しているんだ。
だから、基本的にはSlackで連絡(メンションも付けたり)する形にしよう。 こうした「非同期コミュニケーション」を徹底することで、以下のメリットが生まれる。
・相手がいけるタイミングで対応できる
・別の人が見かけて手伝ってくれるかもしれない
・文字と時間の記録が残る(これが後で助かる!)
・そして何より、「コミュ力と言語化力」が爆上がりする。
対面ならボディランゲージやその場の空気でなんとかなることも、テキストだけだと「導入」から「状況把握」を経由して「解決」に至るように、論理的に言語化しないといけない。
文脈は非常に大事だけど、かといってゼロから全部語っている暇はない。LLM相手ですら、全部語るとトークンと時間がかかる(笑)。「伝えたいことを伝えるには、最小限何を記述すればいいか」を見極める力が必要になる。
これ、最初はめっちゃむずい。でも、考えてやって、失敗して懲りるほど、上手くかつ速くなる。 これはエンジニアだけじゃなくて、人類全員に必須なスキルだと僕は思う。
"Art is never finished, only abandoned"
レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉として広く知られている一節に "Art is never finished, only abandoned" (芸術は決して完成しない、ただ放棄されるだけだ)というものがある。
創造物を自分が満足するまで仕上げようとしたら、マジで終わりがない。 個人開発や遊びなどものづくりだったらそれはそれでいい。むしろそれが楽しいから結局そうなっちゃうよね。
ただ我々は、あるユーザーが切実に必要としているプロダクトを作ろうとしている。 バグや脆弱性なく要件を達成できて、使い勝手もよかったら、もうその時点ですぐに終わりにしていい(そのために要件定義と開発ロードマップが大事なんだよね)。
時間と工数投資には収穫逓減点がある。完璧を目指してこねくり回すより、さっさと出すべきだ。
そのために、僕が意識している生存戦略は2つ。
- 納期期限を宣言する
締切(納期)を設定すると、切迫感が生じてまずモチベが上がる。周りに「いつまでにやります」と宣言することで、自分を追い込むんだ。心理学の分野ではこれが「社会的責任(social accountability)」と呼ばれる。
見積もれない時も、とりあえず緩い期限を設定して気合いを入れる。間に合いなさそうになったら早めに伝えればいいだけだから。
一番ダメなのは、ゴールを設定せずに永遠に仕上げ作業をしちゃうことだ。 - 「MVP」と「100点」のラインを最初に握る
開発を始める前に、ヒアリングした内容をもとに、「ここまでできたら一旦いい(最小限MVP)」、あったら嬉しい「8割完成」、完璧な「100%完成」をそれぞれできるだけ明確に定義する。
だいたい要望はあとから変わったり増えたりするから、柔軟性は持つべきだけど、無限に増えないように相手(同僚・他部署・社外など)と一旦明確に決めてもらうことが重要だ。
そうやって「完了」を定義できて初めて、僕たちはアーティストからエンジニアになれる。
迷子でも立ち止まるな(Fail Fast)
最後に、僕が最も大事にしているマインドセットを共有したい。 それは、「動かずに立っていてはいけない」ということだ。
レールや正解のない環境の中で、マジでわからなくて迷子になることもある。でも、そこで停滞してはいけない。 何かしらの方向に動くんだ。その方向が合っているかなんて、行ってみないとわからない。もし間違っていたら、方向を変えて戻ればいいだけの話。
これ、実はログラスのバリュー「Fail Fast(爆速で挑戦し、失敗から学ぶ)」そのものなんだよね。「成功の可能性が半分でもあるなら、行動に移します。(中略)ログラスにとって失敗は、成功の糧以外の何物でもありません」
会社がこう言っているんだから、恐れる必要はない。 間違った道を行ったとしても、それは「失敗」じゃなくて「新しい知見の発見」だ。経験値として積み上がる。 だから、わからない時こそ、小さく動き出してみよう。
やることが見つからない? そんなことはない
もし仮に「タスクがない」と感じたら、未解決や未着手の問題を探しに行こう。 上長や先輩エンジニアが「やりたいと思っていたけど、忙しくて中途半端になっているタスク」や「手付かずの改善案」は山ほどあるはず。それを自ら把握し、拾いに行くんだ。
30分のタイムボックス
もちろん、ガチで壁に当たってつまずくこともある。 そんな時は、「決まった短い時間だけ一人で考える(例えば30分だけ)」というルールを設けるといい。 30分粘ってわからなかったら、すぐ聞く。
なぜなら、そのエラーは実力不足ではなく、社内固有の設定やアカウント権限など、自分がコントロールできない要因である可能性もあるからだ。
ここで何時間も溶かすのは、会社にとっても自分にとっても損失だ。
結び:レールがない場所を楽しもう
今回紹介した「生存戦略」——非同期コミュニケーション、完了の定義、Fail Fast——は、単にインターンの頃を生き残るためのテクニックではない。正解のない、変化の激しい環境で価値を出そうとする限りずっと必要な「コンパス」だと思っている。「レールがない」ということは、不安でもあるけれど、同時に「どこへでも行ける!」という自由でもあるね。
誰かに正解の地図を渡されるのを待つのではなく、これらの道具を使って、自分なりの地図を描いていくプロセスそのものを楽しんでほしい。
曖昧さを乗りこなし、カオスを味方につける。 そうすれば、君はどこでだって即戦力になれるはずだ。
武運を祈る。
Good luck.
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