自分への Feed forward は待つものではない! 〜ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん〜
はじめに
こんにちは、株式会社ログラスでエンジニアをやっています、Kyosukeです。
早いもので、私がログラスに入社してもうすぐ3ヶ月になります。
今回は、入社3ヶ月の節目に、自分とチームの成長のために行った取り組みについて紹介したいと思います。
TL;DR
- 入社3ヶ月目を迎えて、成果を出せていないことや、自分の成長に対して不安を感じていました。
- その原因として、Feed forward の不足を感じ、自分から積極的にそれを求める行動を起こしました。
- 上記の行動を通じて、成果が出ていないと感じる原因や、自己評価と他者評価のギャップ、より伸ばしていくべき部分を認識し、具体的な改善案を立てることができました。
- この取り組みは、個人的な成長だけでなく、チームの成長と会社のバリューの体現にも繋がりました。
そもそも Feed forward とは?
はじめに、Feed forward とは何かについて簡単に説明します。
Feed forward とは、「今後の成長のために、他者から具体的なアドバイスを得ること」 です。
Feed Back という言葉は聞いたことがある方が多くいると思いますが、これは過去の自分の行動に対する評価を得ることです。
しかし、Feed forward は今後の自分の行動に対するアドバイスを得ることで、これらは大きく異なります。
そして、ログラスでは、Feed forward というバリューを掲げており、全社員が日常的に Feed forward を行っています。
ログラスが掲げる Feed forward というバリュー
自分から動くことを決断したきっかけ
次に、なぜFeed forward というバリューが掲げられており、日常的に Feed forward を行っている環境なのに、自分から行動を起こす必要があったのかについて説明します。
大きく分けると以下の2つの理由があります。
- 自分とチームの成長をより加速させるため
- Feed forward をする側の負荷を下げ、今後も継続的に Feed forward を受けやすい環境を作るため
自分とチームの成長のため
冒頭でも書きましたが、入社して3ヶ月目に突入し、自分なりに色々なことにチャレンジしてきたつもりではありますが、あまり成果を出せていないなと感じることが多く、自分の成長に対して不安を感じていました。
その中でも特に、自分の価値と成長についての不安を抱えており、以下のような疑問を抱いていました。
- 「自分はどのように評価されているのだろうか?」
- 「今後、どこを伸ばしていけば良いのだろうか?」
- 「何を期待されているのだろうか?」
そして、これらを正しく把握できていない原因が、Feed forward を十分に受けることができていないことだと考えました。
個人的な感覚と経験則ですが、自己評価と他者評価のギャップが少ない人ほど、不安に感じることが少ない と思っており、ここを埋めるためには Feed forward を受けて評価のギャップを埋めることが必要だと考えました。
また、この取り組みを通じて自分が成長するだけでなく、Feed forward がもっと日常的に行われる状態になれば、チームの成長にも繋がる と考えました。
おそらくマネージャーとであれば、評価面談などでこういった会話をする機会はそれなりにあると思います。
しかし、チームメンバーとは何らかの場を設けなければ、こういった会話を改めてする機会はなかなか生まれません。
マネージャーだけでなく、チームメンバーからも具体的な指摘や提案があれば、より効果的に自分の弱点を改善し強みを伸ばすことができたはずです。
しかし、それがなかったため、自分の弱点を改善することができず、チームの成長にも貢献できなかったのです。
Feed forward をする側の負荷を下げ、今後も継続的に Feed forward を受けやすい環境を作るため
次に2つ目の理由ですが、Feed forward をする側にも一定の負荷がかかる と考えており、これを下げないと Feed forward を継続的に受けることは難しいと考えました。
「バリューにあるんだから、何もしなくても Feed forward を受け取れるのでは?」と思われるかもしれませんが、実際にはそう簡単な話ではありません。
Feed forward の効果を最大化するためには、事前に信頼関係が構築されていたり、言葉選びに気を使ったり、相手の状況を考慮したりと、様々なことを考える必要があります。
また、相手が Feed forward を受け取る姿勢を見せていない場合、自分の意見を伝えることが難しくなります。
これらを踏まえて、私がチームメンバーから Feed forward を十分に受け取れていない理由を考えてみました。
すると、 「Feed forward を受ける準備できてますよ」 ということを伝えられておらず、メンバーも少し躊躇っているのではないかと考えました。
しかし実際には、私は Feed forward を受ける準備はできていました。
このような状況に直面し、自分とチームの成長のために、私はただ待つのではなく、自分からアクションを起こすこと を決断しました。
実際の取り組みについて紹介
問題を認識した後、私は自らの成長とチームの改善のために行動を起こすことを決めました。
そのために、まず「FF(社内ではFeed forwardのことをFFと略しています)をする会」という形式で、同じチームのメンバーと1on1のミーティングを設定しました。
そしてこれを快く引き受けてくれたチームメンバーには改めて感謝したいですし、このような環境で働けていることは当たり前ではないと感じています。
これは、自分が信頼関係を築いてきただけでなく、チームメンバーが Feed forward と言うバリューを体現しているということだと感じました。
FFする会を依頼したスクショ
そして当日は、こちらの議事録を用意して以下の流れで進めました。
- 自分の現在の自己評価を共有し、他者の評価とのギャップを明らかにする
- 今後の目標を共有し、それに対するFeed forwardを求める
- 最後に自分に対して期待していることを共有してもらう
当日使用した議事録
「FFをする会」を通じて、私は自己評価と他者評価のギャップを認識し、目標達成のための具体的な改善案を明確にすることができました。
また、チームメンバーからの様々な視点やアイデアを得ることで、自分だけでは見落としていた成長の機会を発見することができたのです。
「FFをする会」をする前は、課題や今後の目標がやや抽象的で、具体的なアクションプランが見えていないところがありましたが、この取り組みを通じて、それらを明確にすることができました。
実際の例で言うと、「顧客理解を深める」を重点的に取り組むことで、今抱えている複数の課題を解決できるのではないか?と言う仮説を得ることができました。
また、自分では認識していなかった良い点も見つけることができました。
このように、自分一人では気づけなかったことを、チームメンバーからの Feed forward を通じて発見することができたのです。
結果と学び
せっかくなので、実際に得られた気づきからいくつかピックアップしてみます。
- 現時点において、自己評価と他者評価に大きなギャップはなく、現状の等級に対しては過不足がなかった
- しかしこの先まで見据えた場合、より成果を挙げていかないと等級に対しても不足が出てくる可能性が高い
- チームにおいてもディスカバリーのケイパビリティを高めていきたいという課題があり、自分もそこに貢献していくことが求められている
- プロダクトや顧客の理解が不足しており、問い合わせの対応や複雑な開発に対応しきれていない
- 技術負債解消やチームOKRの策定など、個人を超えた課題に積極的に取り組んでいることを高く評価してもらっていた
この気づきから、全てに共通するのは 「顧客理解の不足」 だと考え、これを解消することで、ほとんどの課題を解決できるのではないか?という仮説を得ました。
そして 「顧客理解を深める」 ために、以下のようなアクションプランを立てました。
- 商談動画・顧客要望・バックログのアイテムから、それらが何を解決しようとしているのか?なぜそれが必要なのか?を毎週棚卸しする時間を設けた
- これを見て生まれた不明なところを、同じチームのPdMに質問する時間を設けた
- 何を作るのか、なぜ作るのかに加えて、実際の顧客がそれをどう使ってどう運用が楽になるのか?まで理解してから開発に着手する
- 聞いて理解した気になるのではなく、自らの言葉で話す機会を増やす
- スクラムイベントや顧客とのMTGにおいて、発言する機会を増やしていく
最終的にはこれらをMiroにまとめて、定期的に見返すことで何をやるべきなのかを忘れないようにしています。
Miroで整理を進めていた際のスクショ
このように、ただ待つのではなく自ら行動を起こすことで、私は自分とチームの成長のために貢献することができました。
また、ログラスが掲げる Feed forward というバリューを体現することができたと感じています。
そして、効果的な目標設定と実行計画を策定できたのではないかと思います。
特に顧客理解をどうやって深めていくか?という部分については、チームメンバーからのアイデアを得ることで、より具体的なアクションプランを立てることができました。
また、期待値についてもチームメンバーと共有することができたため、これを踏まえていつまでに何をできるようになっておくべきか?という具体的な目標を置きつつ、今後の行動を起こすことができそうです。
もちろん、このような場を設けずとも、同じような Feed forward を得ることができる状態が理想ではあると思いますが、それは簡単ではないと思います。
まずはこのような形で、Feed forward を得ること・送ることを習慣化することが、自分とチームの成長につながると考えています。
まとめ
この一連の経験から、私が学んだ最も重要な教訓は、「自分から行動を起こすことの力」です。
待っているだけでは、自分の成長に必要な機会を逃してしまうかもしれません。
しかし、自分から積極的に Feed forward を求め、実践に移すことで、自己成長の道は大きく拓けることを実感しました。
特に、自分の成長に対して不安を感じている方は、このような取り組みを通じて、自分の成長のために行動を起こしてみてはいかがでしょうか?
最後に
そういえば、タイトルにつけた 「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」 と言う言葉、皆さんはご存知でしょうか?
全然知らんな〜という方、これは交響詩篇エウレカセブンですなという方、バナナマンと乃木坂46が思い浮かんだ人、どれが多いのかとても気になっているので、ぜひコメントで教えてください!
ちなみに僕はバナナマンと乃木坂46でした。
Discussion
フィードフォワードの考え方、素敵ですね!
私はレントン・サーストンを思い浮かべました!