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ビジネスサイドとユーザーを意識した、読み手にやさしいスプリントレビュー資料の心得 3選

2022/12/02に公開

Cover: ビジネスサイドとユーザーを意識した、読み手にやさしいスプリントレビュー資料の心得 3選

こんにちは。ログラスでエンジニアをしております、あさマック(@mixplace)です。

本記事は「株式会社ログラス Productチーム Advent Calendar 2022」2日目の記事になります。

私はスクラムにおける開発チームのメンバーとして開発している中で、ビジネスサイドと連携してユーザー向けにリリースノートを展開するところにも携わっています。

そこで得た気付きとして、スプリントレビュー資料を少しアレンジするだけで、ビジネスサイドにもわかりやすく展開可能な良い資料に仕上げることができることに気付きました。

今日は「開発チームの成果物を、ビジネスサイド/ユーザーにも価値を伝えていくには」という観点で、スプリントレビュー資料を作成する際に心がけておくと良いポイントをまとめたいと思います。

本記事は以下の方におすすめです。

  • スクラムの開発チーム メンバーとして、スプリントレビューの資料を作成している方
  • エンジニアとして、社内外向けのリリースノートやドキュメントを作成されている方
  • テクニカルライティングに興味を持っている方

※本記事ではスプリントレビューイベント自体の取り組み方についてはフォーカスしておりません。

スプリントレビューの資料作成が重要な理由

スクラムイベントの1つとしてスプリントレビューがありますが、みなさんはどのようにして資料を準備していますか。

私が所属しているログラスでは、当日スプリントレビューでの資料は、社内の誰でも見れるようにNotionで残しており、また、ステークホルダー(カスタマーサクセスやセールスの皆さん)にとっては、ユーザーへ新機能をご案内するための元資料として活用されています。

そこで気付いたのは「プロダクトオーナーやカスタマーサクセスの方、その先にいるユーザーへ、自分が携わった成果物をいかにしてわかりやすく伝えるか」が非常に重要となります。
開発チームや個々のメンバーがとても有用な機能と思って作り上げたとしても、うまく理解されなければ、ユーザーへ伝えることもできません。

ユーザーへご案内する資料としても一定活用できれば、よりお客様へスピード感もってアップデート情報をご案内できるようになりますし、より価値が伝えやすくなります。

そこでスプリントレビューの資料を、リリースノートやユーザー向け案内資料に応用できる基点にできないかと思い、以下のポイントを意識して、資料内容の改善に取り組むことにしました。

※尚、リファクタリング等の技術的な成果物で、ユーザーに直接伝える必要がないものはこの限りではありません。

どのような点を意識して資料を書くと良いか

私がスプリントレビューの資料を作成する際に心がけているポイントを、プロダクトでありそうな例を交えて3つご紹介します。

1. 独自用語、略語を使わないようにする

よく使われる機能の略称や社内用語、UIコンポーネントの名称をそのまま記載することを避けるように、なるべく一般的な言葉で、画面で使われている言葉を選んで記載するようにしました。

ビジネスサイドの皆さんがユーザーに理解できるように修正してくれるかもしれませんが、モレる可能性もありますし、人によって解釈が分かれてしまう言葉で展開されてしまい、誤解を生んでしまうと残念です。

  • 🙅 アカプロで2FA機能追加

  • 🙆 アカウントプロフィールの画面で、二要素認証が設定できるようになりました

  • 🙅 トーストのエラーメッセージを変更しました

  • 🙆 エラーメッセージをよりわかりやすくしました

あまりに社内で一般的になりすぎている単語とかは、カッコ書きで両方併記するようにしています。

2. 誰がどの画面でどんな操作をした場合かを記載する

画面に表示されている文言を使いながら、具体的に書くことも大事なポイントです。

資料を急いで作ってしまうとつい忘れがちになりますが、あとから他の人が読むとどの部分のことかわからなくなります。

また、管理者権限を持つユーザーでしか利用できない機能である場合など、特定のユーザーに限定される場合は、その旨も記載しましょう。

どの画面で、どんなユーザーが、どういった操作の時に起きるものかを明確にしましょう。

  • 🙅 不正な時間を選択した時のエラーを改善
  • 🙆 お届け時間帯設定画面において、ご利用いただけない時間帯を選択した際のエラーメッセージを改善しました

3. どのような利用シーンで効果を発揮するかを記載する

どういった場面で使うと良いのか、ユーザーに想像してもらうと、よりイメージしやすいと思いますし、その場面が出てきた際に思い出して使ってもらえる確率が上がります。
「○○機能が増えました」とだけ記載しても、ユーザーには伝わらなかったり、忘れ去られてしまうこともあるでしょう。

また、「なぜこの機能が付いたのかよくわからない」とユーザーに受け止められてしまうと、作り手としても残念ですよね。
どういった場面で必要性やユーザーに理解してもらえるように、なるべく資料に記すことを心がけました。

  • 🙅 クリック回数が減り、楽になります。
  • 🙆 月初の締め作業を行う際の作業効率が大幅に上がります。これまで10回以上のボタンクリックが必要でしたが、わずか2クリックでできるようになります。

価値をきちんとユーザーの元へ届けたい

スプリントレビューは検査と適応の機会ですが、加えてプロダクトオーナーやビジネスサイド(カスタマーサクセス、セールス)の皆さんがユーザーへ価値を届けるための起点になっていると考えています。

エンジニアとして、リリースで終わりとするのは非常にもったいない。
利用されているユーザーへ情報をデリバリーすることも大切だと考えています。「自分が作った機能を、自分の言葉で伝える」ことで、1人でも多くの人に価値を届けたい。

日々の開発業務の中においても、スプリントレビューの資料を少し変えてみるだけで、ビジネスサイドの方にもより価値が伝わり、ひいてはリリースノートやユーザー向けのご案内もしやすいものとなるかもしれません。

ぜひこの記事が、皆さんのスプリントレビュー資料、リリースノートの作成の一助となれば嬉しいです。

アドベントカレンダー的な締め

明日の「株式会社ログラス Productチーム Advent Calendar 2022」の3日目は、@YuitoSato さんによる記事です。お楽しみに!

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