【自分語り】僕がISUCONに出ない理由 (わけ)
どうも、logicaです。
さて、大のISUCON好きを公言していた僕ですが、ISUCON12でなんとか決勝に出場させていただいた以来、ISUCONに出場しておりません。
ISUCON13に関しては大学の編入試験が被ってしまったという仕方ない理由があったのですが、ISUCON14に関しては自分から欠場を決めています。
昨日開催されたISUCON14の様子を見て、僕は上のようなポストをしました。
このポストを書いている時、「忙しいから…」となんとなく理由づけていたけど、実は今ISUCONへの出場願望がない、ということに初めて気づきました。
というわけでその辺の心境変化を、自分の考えの整理も兼ねて書き綴っていこうと思います。
注意
タイトルで勘違いされるかもしれないので、一応書いておきます。
このブログは、決してISUCONの悪いところを書くものではありません。
ISUCONは素晴らしい文化だと思うし、僕もこのブログに綴ような心境変化無かったら元気に出場してると思います。
今回のブログは、ただ僕が僕の心と向き合うだけの文章です。ご承知おき下さい。
僕の根源的欲求
僕の根源的欲求は、多分「自己実現欲求」なんだと思います。
とにかく昔から、自分がやりたいことが全部やれてれば、それで満足できる人間でした。
んで僕のやりたいことって、昔から「知る」「作る」「目立つ」だったと思います。
知る
自分の興味あるものについて全てを知りたいという心。研究者(?)としての一面ですね。
僕は昔から「知的好奇心のためなら死ねる」っていう人間でした。世界の全てを頭にインプットして、大賢者になることが小さい頃からの夢です。
もちろん全部は無理なので自分の興味がある範囲に絞ってやっていますが、それでも膨大なインプットをしてるかなと思っています。
小学生の時は科学雑誌を読み漁っていたし、今でも新しい技術に触れることが大好きです。
作る
自分の頭の中にあるものを世の中に出すということ。クリエイターとしての一面ですね。
昔から想像力は豊かだった方だったので、それを形にすることが好きでした。
小学生の時自律型ロボット作ってたのも、中高生で作曲に全てを懸けたのも、プログラミングにハマったのも、この欲求が根本にあるからかな…と思っています。
目立つ
自分や自分の作ったものを誰かに見てもらって「すごい」と言ってもらうこと。パフォーマーとしての一面ですね。
僕は昔ピアノを習ってた頃から「本番に強い子」で、発表会のたびに親から疑問に思われていました。
緊張もあまりしないし、とにかくステージ上で何かして人々の視線を自分に集めている瞬間が好きでした。もはや快感すら覚えていたかもしれません。
今でもアカペラやバンドのボーカルとしてステージに立ち続けてますし、狂ったように登壇してるのもこの欲求が根底にある気がしています。
ある意味、承認欲求に近いものなのかもしれません。ちょっと承認してほしい対象の規模がデカいだけで。
今の所この3つに同じルーツは見出せていませんが、とにかくこの3つが僕の行動を作ってきたと思います。
この3つの欲求と自分の得意が交わった部分がたまたまエンジニアだったのかなと思っています。エンジニアという職が存在してくれたこの時代に感謝ですね。
意外に思われるかもしれないですが、「人より優れたい」という欲求は昔から薄くて、自分がやりたいことができればそれで満足でした。
ISUCONが与えてくれた充足
僕がISUCONに夢中になっていた頃(ISUCON11、ISUCON12の時)、エンジニアリング方面でこの欲求を満たしてくれる唯一のものがISUCONでした。
「知る」の面では、Webインフラからパフォーマンスチューニング・SREといった、聞いたこともなかった分野への知識の道を開いてくれました。
Webインフラへの興味が高じてクラウドプラットフォームの開発者になるという夢を持ったのは、ISUCONのおかげだった部分が少なからずあります。
「作る」の面では、ISUCONのためのツールを作ったり、ISUCONの作問者を目指したりと、とにかくインスピレーションのもとになってくれました。
これは1年半前のISUCON夏祭りで話した通りですね。
「目立つ」の面では、良い結果を残すことでエンジニアとしての実力を証明できるというチャンスに燃えていました。残念ながら優勝はできていませんが。
また、ISUCONは大学のサークル以外でエンジニアのコミュニティに初めて触れた機会だったと思います。
ISUCON夏祭りが特にそうで、初めてオフラインで外部登壇させていただき、その後飲み会に繰り出すというに大変貴重な体験でした。
当時は今よりもコロナによる活動自粛が激しかったため、ISUCONから得た刺激・充足感は途方もないものでした。本当に感謝しかないです。
ただ、ここで得た刺激によるモチベーションは、別の方向に向かって進んでいくことになります。
技術コミュニティへの参加
勉強会への参加
僕が技術勉強会に興味を持ち始めたのは2022年でした。
2021年から始めたtraPのWebアプリ保守・運用の仕事が手に馴染んだ頃、traPメンバーの紹介やtraPと繋がっていた企業を介し、勉強会やインターンなど外部に目を向けるようになったと記憶しています。
参加し始めた頃はほとんどがオンラインだったこともあり、ざっくばらんに色々なジャンルの勉強会を聞いていました。
そこから1年半ほど経ってオフラインの勉強会が大部分を占めるようになると、だんだんGo言語とCloud Native技術に集中してきたような気がします。
登壇
登壇もこの1年間、すごい勢いで増えました。
元々人前でしゃべるのは「目立つ」こと、すなわちやりたいことだったので、traPの内部LT会や大学横断LT会などでたまに登壇はしていましたが、イマイチピンと来ていませんでした。
しかし、2023年の夏にISUCON夏祭りで初のオフライン外部登壇で「僕はこの熱気、反応を求めていた!!」となった瞬間、僕のエンジニア人生は変わりました。
様々なカンファレンスにプロポーザルを出し、2024年の春ごろから爆発的に登壇回数を増やしました。
果てには海外カンファレンスにまでプロポーザルを通していただき、英語登壇まで経験することができました。冷静に考えておかしいと思う。
広がった人間関係
このようなコミュニティ参加・登壇を繰り返した結果、特に今年は知り合いが爆発的に増えて、勉強会に行くと大体知り合いが数人いるという状態を作ることに成功しました。
いつもお話しして下さる皆様、本当にありがとうございます。
最近はOSSへのコントリビューションなども積極的に行うようにしていて、世界規模のコミュニティと繋がっている感覚に身を震わしています。
どうしても下がる、ISUCONの優先順位
さて、このような状況で、僕はISUCONが自分の欲求を満たせなくなってきたのを薄々感じていました。
- 「知る」
- パフォーマンスチューニングは、基礎を抑えれば後は使えるかわからないめちゃめちゃギークな深掘りで、そこまでやるほど興味はなかった
- 勉強会に行くうち、再び全然知らない技術に触れ、パフォーマンスチューニングの世界にとどまる必要性は無いと感じた
- 「作る」
- OSS貢献で他の人のIssueを解決するのが楽しくなると、ISUCONのためのツール作りは、自分以外を幸せにしないな…と感じた
- 今は別の作りたいものがたくさんある
- ICTSCや大学サークルなど…
- 「目立つ」
- 言わずもがな、登壇でプレゼンスが出せるようになったので、ISUCONで得られる知名度はそれに到底及ばない
これに加え、前述した通り僕は「人より優れたい」という思いが薄い、すなわち基本的に人と競い合うのがそんなに好きじゃないんですね。
人と競うよりも協力してしまいたくなるタチで、昔から競争心を燃やす…みたいなのは結構苦手だった気がしています。
ISUCONにICTSC、技術コミュニティと、ありとあらゆる界隈に手を出してしまう僕に与えられる時間は、やりたいことと比べるとそう多くありません。
その中で、そこまで好きではない「競技」というジャンルで、欲求を満たせる範囲も少なくなってしまったISUCONは、自分の中で無意識に優先順位が下がっていってしまったのかなと思っています。
おわりに
というわけで今の思いを綴ってみました。
なんだか自分の中の気持ちが整理できて、スッキリした気持ちになっています。書いてよかった。
正直作問運営をやりたい気持ちはまだあります。作問はまだまだ未開拓の分野なので、ぜひ挑戦させていただきたいと常に思っています。
まぁ正直ISUCON界隈に顔を出さないので、それも難しいかな…
ISUCON界隈の皆さんとお会いしたい気持ちはすごくありますが、今ISUCONに出る気はないので、また別の機会でお会いできれば嬉しいです。
ここまで僕の自分語りにお付き合いいただき、ありがとうございました。
ISUCONは母です。だから、僕はそこから一旦巣立とうかと思います。
ISUCONに大いなる感謝を込めて。
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