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ClaudeとSlack連携 - Slackコネクター・MCP経由での連携方法と使い分け

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ClaudeとSlack連携 - Slackコネクター・MCP経由での連携方法と使い分け

はじめに

ClaudeとSlackを連携させると、日々の業務が劇的に効率化されます。Slackのメッセージをもとにタスク管理をしたり、調査結果を即座にチームに共有したり、アイデアをCanvasにまとめてSlackに投稿したりと、様々な活用方法があります。

本記事では、ClaudeとSlackを連携する2つの方法(Slackコネクターと MCP)と、それぞれの使い分け、実践的な活用例を紹介します。

対象読者と前提条件

本記事は以下の方を想定しています。

  • Claude(Web版またはDesktop版)を使用している方
  • Slackを業務で利用している方
  • AIツールで業務効率化を図りたい方
  • MCPサーバーに興味がある方

前提知識として、ClaudeやSlackの基本的な使い方を理解していると、よりスムーズに理解できます。

2つの連携方法とその違い

ClaudeとSlackを連携する方法は大きく分けて2つあります。

Claude × Slack 連携の2つの方法
ClaudeとSlackの連携方法:Slackコネクターと MCP

1. Slackコネクター(公式連携)

Claudeの公式Slack連携機能です。3つの使い方ができます:

  1. Slack上でClaudeと会話: @Claude をメンションして直接会話
  2. Claude.ai(Web版)からSlack操作: ClaudeにSlackへの投稿を依頼
  3. Claude DesktopからSlack操作: DesktopアプリからもSlack連携

メリット:

  • 設定が簡単(数クリックで完了)
  • Slack、Web版、Desktop版の全てで利用可能
  • チームメンバーとの共有が容易
  • Web検索やドキュメント分析も可能
  • Slackチャンネルへの投稿、Canvas作成が可能

デメリット:

  • 利用できるプランに制限がある
    • Claude: Team または Enterprise プランが必要
    • Slack: 有料プランが必要
  • Slack上でMCP機能は使えない
  • 管理者による承認が必要

Slackでの使い方:

  • ダイレクトメッセージ: @Claude に個別メッセージ
  • スレッド参加: 任意のスレッドで @Claude をメンション
  • AIアシスタントパネル: SlackのAIアシスタントヘッダーからアクセス

Claude側からの使い方:

  • Claude.ai や Claude Desktop で「#チャンネル名に投稿して」と依頼
  • Canvas形式での投稿も可能
  • Slackメッセージの検索・取得も可能

Slackコネクター接続完了
Slackコネクターの接続が完了した状態

Slack上でClaudeを使用 - スレッド投稿確認
Slack上で@Claudeをメンションすると、スレッドに投稿するか確認される

Slack上でClaudeを使用 - スレッド投稿
Claudeがスレッドに返信を投稿

Web版からSlack投稿 - Claude側
Claude.aiから「#チャンネル名に投稿して」と依頼

Web版からSlack投稿 - Slack側
Slackチャンネルに投稿された内容

2. MCP (Model Context Protocol)経由

Slack Botアプリを作成し、MCPサーバー経由でClaude Desktopから操作する方法です。

メリット:

  • どのプランでも利用可能
  • MCPの豊富な機能をフル活用できる
  • 他のMCPツール(GitHub、Google Driveなど)と組み合わせて使える
  • より柔軟なワークフローが構築できる

デメリット:

  • 初期設定がやや複雑
  • Slack Botアプリの作成が必要
  • Claude Desktop経由での利用となる

どちらを選ぶべきか?

両方とも使える場合は、併用がおすすめです!

  • Slack上での簡単な会話 → Slackコネクター経由
  • Web版/Desktopからの投稿 → Slackコネクター経由
  • MCPを使った高度な操作 → MCP経由(Claude Desktop)

この組み合わせにより、シーンに応じて最適な方法を選べます。

Slackコネクターでの連携方法

前提条件

  1. Claudeのプラン: Team または Enterprise プラン
  2. Slackのプラン: 有料プラン(Free プランでは不可)
  3. 管理者承認: Slack管理者によるアプリ承認が必要

接続手順

Step 1: Slack管理者がClaudeアプリを承認

  1. Slack App Marketplaceにアクセス
  2. 「Claude」を検索
  3. 「Add to Slack」をクリック
  4. 組織全体または特定のワークスペースに展開

Step 2: 個人ユーザーがClaudeアカウントを連携

  1. Slackで @Claude とメンションを送信
  2. 表示される案内に従って「Connect Account」をクリック
  3. Claudeアカウントで認証(OAuth)
  4. 接続完了

Step 3: Slackコネクターを有効化(Team/Enterprise)

  1. Claude.aiにログイン
  2. 設定 > Connectors を開く
  3. Slackの「Connect」をクリック
  4. 認証を完了

これで、Slack上でClaudeが使えるようになり、さらにClaudeからSlackを検索できるようになります。

MCP経由での連携方法

Slackコネクターが使えない場合や、より高度な機能が必要な場合は、MCP経由での連携がおすすめです。

1. Slack Botアプリの作成

  1. Slack APIにアクセス
  2. 「Create New App」→「From scratch」を選択
  3. アプリ名とワークスペースを指定して作成

Slack APIアプリ作成
Slack APIでBotアプリを作成

2. 必要な権限(Scopes)を追加

「OAuth & Permissions」画面で、以下のBot Token Scopesを追加:

channels:history
channels:read
channels:write
chat:write
users:read
groups:read
groups:history
im:read
im:history
mpim:read
mpim:history
files:read
reactions:read
reactions:write

Bot Token Scopes設定
必要な権限(Scopes)を追加

3. Botトークンの取得

  1. 「Install to Workspace」をクリック
  2. xoxb- で始まるBot User OAuth Tokenをコピー

Botトークン取得
Bot User OAuth Tokenをコピー

4. Team IDの取得

Web版Slackで該当ワークスペースにアクセスし、URLを確認:

https://app.slack.com/client/T0XXXXXXXXX/...
                              ↑この部分がTeam ID

5. Claude Desktopの設定

Macの場合

設定ファイルのパス:

/Users/[ユーザー名]/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json

Windowsの場合

設定ファイルのパス:

%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json

設定内容

{
  "mcpServers": {
    "slack": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "-y",
        "@modelcontextprotocol/server-slack"
      ],
      "env": {
        "SLACK_BOT_TOKEN": "xoxb-your-token-here",
        "SLACK_TEAM_ID": "T0XXXXXXXXX"
      }
    }
  }
}

Claude Desktop MCP設定
Claude Desktopの設定ファイル(claude_desktop_config.json)

6. Claude Desktopを再起動

設定を保存し、Claude Desktopを再起動すれば完了です。左下のハンマーアイコンをクリックすると、Slack MCPが認識されているか確認できます。

MCPサーバー認識
Claude Desktopでハンマーアイコンをクリックし、Slack MCPが認識されていることを確認

7. Slackチャンネルへの参加

MCPからメッセージを投稿する場合、事前にBotアプリをチャンネルに追加する必要があります:

  1. Slackチャンネルを開く
  2. チャンネル名をクリック
  3. 「インテグレーション」タブ
  4. 「アプリを追加する」から作成したBotを追加

実践的な活用例

ここからは、私が実際に活用している方法を紹介します。

1. タスク管理と進捗報告

Slackのメッセージをもとに、今週のタスクや進捗を整理してSlackに投稿しています。

Claudeへのプロンプト例:
「今週のSlackメッセージを確認して、タスクの棚卸しをしてください。
API開発、ドキュメント作成、バグ修正などの進捗をまとめて
#週次報告チャンネルに投稿してください」

Claudeの処理フロー:

  1. Slack内の関連メッセージを検索
  2. タスクごとに進捗を整理
  3. 見やすい形式(マークダウン)で整形
  4. Slackに投稿

これにより、毎週の定例報告が5分で完了します。

タスク管理投稿例
Slackに投稿されたタスク管理の例

2. アイデアの整理とCanvas作成

思いついたアイデアをClaudeにまとめてもらい、Slack Canvasとして投稿します。

Claudeへのプロンプト例:
「新しいAPIの導入検討について、以下の点を整理してCanvasにまとめてください:
- APIキーの発行方法
- 料金プラン比較
- 料金体系
- 導入時の注意点

まとまったら#開発チームチャンネルにCanvasとして投稿してください」

Canvas形式で投稿することで、チームメンバーがコメントを追加したり、一緒に編集したりできます。

3. 技術調査と結果共有

新しい技術やツールについて調査し、結果を即座にチームに共有します。

Claudeへのプロンプト例:
「新しい決済APIについて調べて、料金体系、使い方、注意点をまとめてください。
調査が終わったら、#開発チームチャンネルに投稿してください」

Claudeの処理フロー:

  1. Web検索で最新情報を収集
  2. 重要なポイントを整理
  3. 読みやすい形式で整形
  4. Slackに投稿

技術調査結果共有
技術調査の結果がSlackに投稿された様子

4. Slack内情報の検索とまとめ

過去のSlackメッセージから必要な情報を検索し、まとめを作成します。

Claudeへのプロンプト例:
「先月のWebアプリに関するバグ報告をSlackから検索して、
解決済み・未解決・対応中に分類してまとめてください」

特に長期プロジェクトでは、過去の議論や決定事項を簡単に振り返ることができて便利です。

Slackコネクター vs MCP の使い分け

機能 Slackコネクター MCP
利用できるプラン Team/Enterprise 全プラン
設定の難易度 簡単 やや複雑
Slack上でClaudeを使用 ✅ 可能 ❌ 不可
Claude.ai(Web版)から操作 ✅ 可能 ❌ 不可
Claude Desktopから操作 ✅ 可能 ✅ 可能
他のMCPツールとの組み合わせ ✅ 可能 ✅ 可能
チャンネル・DM検索 ✅ 可能 ✅ 可能
メッセージ投稿 ✅ 可能 ✅ 可能
Canvas作成 ✅ 可能 ✅ 可能

トラブルシューティング

Slackコネクターで接続できない

以下を確認してください:

  1. プランの確認: Claude Team/Enterpriseプランを利用しているか
  2. Slackプランの確認: Slackの有料プランを利用しているか
  3. 管理者承認: Slack管理者がClaudeアプリを承認しているか
  4. 認証の完了: OAuth認証を完了しているか

これらを満たしていても接続できない場合は、MCP経由での連携を検討してください。

MCPサーバーが認識されない

  1. Claude Desktopを完全に終了して再起動
  2. 設定ファイル(claude_desktop_config.json)のJSON形式が正しいか確認
  3. Node.jsがインストールされているか確認
  4. ターミナルで npx -y @modelcontextprotocol/server-slack を手動実行してエラーが出ないか確認

メッセージが投稿できない

  1. BotアプリがSlackチャンネルに追加されているか確認
  2. Bot Token Scopesで chat:write 権限が付与されているか確認
  3. チャンネルIDが正しいか確認

トラブルシューティング:投稿できない時
メッセージが投稿できない場合の確認フロー

両方使いたい場合

SlackコネクターMCPは独立した機能なので、両方とも利用可能です!

  • Slack上での会話 → Slackコネクター経由
  • MCPの高度な機能 → Claude Desktop経由

まとめ

Claude DesktopとSlackの連携により、以下のような業務効率化が実現できます:

  • タスク管理の自動化: Slackメッセージから自動的にタスクを整理
  • 情報共有の迅速化: 調査結果や整理した情報を即座にチームに共有
  • 過去情報の活用: Slack内の膨大なメッセージから必要な情報を素早く抽出
  • シームレスな作業: Slackとの行き来を減らし、思考の流れを途切れさせない

プラン別おすすめの連携方法

Team/Enterpriseプランの方:

  • Slackコネクター + MCP の併用がおすすめ
  • Slack上での簡単な会話はコネクター経由
  • 複雑な処理はClaude Desktop + MCP

Pro/Freeプランの方:

  • MCP経由での連携を利用
  • Slack Botアプリを作成する必要あり
  • 機能的には同等のことが可能

ぜひ自分のワークフローに合わせて、Claude×Slack連携を活用してみてください!

参考リンク

リバナレテックブログ

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