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AIに任せきってない? ─ 設計書・仕様書を“対話”で磨く魔法のひと言

に公開

TL;DR

  • AI は推論力が高いゆえ「暴走(想定外アウトプット)」が起こりやすい
  • 暴走を止める最短ルートは、プロンプト末尾に 「不明点は質問してください。」 を添えること

🌪️ はじめに──AI 推論“暴走”との付き合い方

ChatGPT などの生成系 AI は 「空白を埋める推論」が抜群に得意
しかし――

  • 情報が欠けている
  • 要件が曖昧
  • 制約が示されていない

この 3 条件がそろうと、AI は “妄想で空白を埋める”暴走します。
たとえば 「パフォーマンスに優れた API を提案して」 とだけ指示すると、
Rust + gRPC + Kubernetes など 過剰スペック案 が返ってくることもしばしば。

🪄 暴走ブレーカー:魔法のひと言

推論暴走を防ぐために威力を発揮するのが――

不明点は質問してください。

AI に “質問権”を付与することで、

  1. 情報の穴 → 質問で補完
  2. 要件の曖昧さ → AI が確認
  3. 制約不足 → 追加質問で明示

結果として、推論の暴走を “質問”でブレーキ しながら
高精度なアウトプット を引き出せます。


実践フロー

Title

次期 Web API 設計書 v1.0 を ChatGPT と共著せよ

Detail ― 課題と暴走パターン

課題 暴走パターン
認証方式が未定 AI が独断で OAuth + mTLS を採用
非機能要件が曖昧 99.999% SLA を勝手に設定
バージョニング戦略なし gRPC ベースでバージョニング不要と判断

暴走の原因 = 情報不足 × 推論の過信

キャッチボールで暴走を止める

# プロンプト例
このAPIの設計書を作成してください。不明点は質問してください。
あなたは SaaS 企業のアーキテクトです。出力は Markdown。
制約: OpenAPI 3.1 準拠 / Nuxt3 + Amplify Gen2 前提。
AI の質問 (抜粋) あなたの回答例 暴走防止ポイント
対象クライアントは Web / モバイル / 両方? Web SPA (Nuxt3) とモバイル両対応 レスポンスフォーマット確定
SLA / SLI の目標値は? 99.9% Uptime, p95 200 ms 過剰スペック抑制
認証方式は? Cognito + JWT(10 min, refresh 24 h) セキュリティ粒度統一
データ整合性ポリシーは? 最終整合性で可 DB/キャッシュ設計が安定
バージョニング戦略は? URI /v1/, 破壊的変更は /v2/ 将来互換ブレイク防止

3〜5 往復設計の穴がほぼゼロ、暴走も収束。

成果と教訓

  1. 質問権 = 暴走ブレーカー
  2. 役割+制約を明示すると、AI は“枠内推論”に徹する
  3. 段階生成(アウトライン → 詳細)でミスを局所化
  4. 最終チェックは Linter や GPT-4o で二重検証

チェックリスト:あなたのプロンプトは暴走耐性 OK?

  • 役割を指定したか?(例: SaaS アーキテクト
  • 制約を明示したか?(例: OpenAPI 3.1
  • 定量情報を足したか?(SLA, p95 など)
  • **「不明点は質問してください。」**を忘れていないか?

🚀 まとめ

AI は“設計レビューア”であり、“想像力モンスター”でもある。
魔法のひと言で質問を促し、
推論の暴走をブレーキしながら 高速 × 高品質 な設計書を共著しよう。

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