個人開発の真のハードルは、技術面ではなかった
これは Livesense Advent Calendar 2024 DAY 7 の記事です。
こんにちは。初めて Zenn に投稿します verdy89 と申します。普段は転職ドラフトのエンジニアグループで実装をしたり、要件定義をしたり、スクラムマスター的な動きをしたりしています。
今回は、個人開発の結果アプリを公開したものの、最終的にちょっと失敗に終わってしまった話をしようと思います。個人開発をしたことがある人ならあるあるかもしれませんが、意外とこの手の話ってネット上に転がっていない気もしています。個人開発のハードルを上げるつもりは毛頭ないのですが、個人開発ってどんな感じなんだろうと気になる人に読んでいただけると嬉しいです。
「どのドア」というアプリがあります
どのドアというアプリがあります。電車の乗り換えの際、どのドアから乗車したら効率が良いかを教えてくれるアプリです。現状は対応路線が山手線のみに限られているのですが、個人的にはとても便利に使っています。
Ruby on Rails から Web 開発の世界に入った身としてはネイティブアプリを作ることに憧れがあったのですが、ネイティブアプリを作るなら iOS も Android もビルドができるフレームワークを使いたいと思っていました。幸い Flutter は身近に質問できる人がいたため、 Flutter でアプリを作ることにしました。しかし、2024年12月現在、このアプリは iOS 限定での公開となっています。おそらく余程のことがない限り Android で再公開されることはないでしょう。
なぜでしょうか?
Google Play Support からのメール
2024年9月に、 Google Play Support からこんなメールが届きました。
デベロッパー アカウントが使用されていない状態です。Google Play Console デベロッパー アカウントは、アプリの公開やメンテナンスを積極的に行うデベロッパーにご利用いただくことを前提としています。アプリユーザーの安全性を維持するため、使用されていないデベロッパー アカウントは閉鎖されます。
ということで、2ヶ月後までに何らかのアップデートをリリースしなければいけなくなりました。
リリースにあたっての問題点
しかし、アップデートをするにあたって、いくつか問題点がありました。
改修は API の方で実装すれば事足りる点が多かった
API は Ruby on Rails で実装しています。ネイティブアプリの開発に慣れていないこともあり、クライアントの方は機能を最小限にしておいて、 API の方を改修すれば大抵のことはできるように設計していました。なので、いきなりクライアントの方をアップデートしてね! と言われても、やりたいことが大して思いつかない問題がありました。個人開発だしと思って、とりあえず機能最小限でリリースしたのは良かったのですが、それがこういう形で仇になるとは。
自分が iPhone ユーザーなので、 Android のサポートはモチベーションが上がりづらかった
正直、自分が欲しいものを作ったので、自分以外のユーザーのためにサポートをする気力が湧かなくなってしまいました。Android の方のダウンロード数はほとんど数がなかったですし。
「自分が欲しいものを作りましょう」というのは、リリースまでのハードルを越えるためには有効だと感じますが、その先は効力を持たない気がしますね。
リリースの方法を README に残し損ねた
最大の問題点がこれでした。リリースしたくてもできない状態になってしまいました笑 なんとも情けない。リリースまで突っ走って満足してしまったことが伺えますね。
そんなわけで、なんとしてでもアップデートするぞ! という気力が湧かないまま、 Google Play デベロッパーアカウントを削除されてしまったわけです。
個人開発でアプリを作ってみた反省
ということで、(iOS ではまだサポートを続けているものの)ちょっと苦い感じで一旦の区切りとなった今回の個人開発。良い点も悪い点も見えてきたので、まとめようと思います。
Good
最低限の機能でリリースしたので、経験を積むことができました。普段の業務では扱わない技術領域を扱うことができるというのは、個人開発の魅力だと思います。
また、自分が欲しいものを作ったので、個人的にはよく活用しているアプリを作ることができました。意外と自分が欲しいものですらよくわからないのが人間というものですが、今回は自分のニーズはちゃんと捉えられていたようです。
More
リリースした時には追加機能の計画を立てていたのですが、実際作ってみると最低限の機能で満足してしまいました。個人開発だと開発をサボっていても誰にも怒られないので、余程のモチベーションがないと続かないのではないかなあとか思ってしまいます。その点、やはり仕事としてやるから継続できるという面は否定できませんね。
また、上では触れていませんが、 Google Play や Apple Developer Program に登録する際の登録料や、 API サーバーを運用するためのサーバー代などがとても少額とはいえず、お金の面ではあんまり良い買い物をしているとは思えません。その点、 Web アプリケーションとして実装すれば、 VPS などを借りることで比較的少額で済ませることも可能だと思います。 PWA などの技術を学んでもいいなあとか思ったりしています。
おわりに
ということで、個人開発は技術以外の面でもいろいろ難しいよという話をさせていただきました。ただ、もちろん個人開発でしか得られない経験もたくさんありますし、こういう難所もあるんだということを理解した上で個人開発をしていくことはとてもいいことだと思います。2025年も個人開発していきたいです。
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