SRE NEXT 2024 参加レポート
こんにちは、かたいなかです。
SRE NEXT 2024がAbema Towers(アベマタワーズ)にて8/3 ~ 8/4の日程で開催されました。
刺激的な2日間で大変充実した体験になったので、参加しての感想を記事にまとめます。
SRE NEXT とは
以下は公式ページからの引用です。
信頼性に関するプラクティスに深い関心を持つエンジニアのためのカンファレンスです。同じくコミュニティベースのSRE勉強会である「SRE Lounge」のメンバーが中心となり運営・開催されます。 SRE NEXT 2024のテーマは「Beyond NEXT」です。SRE NEXT 2023で掲げた価値観 Diversity、Interactivity、Empathyを大切にしつつ、SREの担う幅広い技術領域のトピックや組織、人材育成に対してディスカッションやコミュニケーションを通じて、新たな知見や発見を得られる場にします。
印象に残ったセッション
パネルディスカッション: Becoming SRE - SREって何から始めればいいの?
SREをどこから始めたら良いかをテーマとしたパネルディスカッションでした。オフラインならではの熱いトークが繰り広げられていました。
SREの立ち上げ、こうすればよかった
「SREの人が一番正しいという雰囲気だとうまくいかないため、 開発エンジニアの人と信頼性を作るのがまずあるべきだ」「SREの立ち上げ期に、SREのプラクティスを押し付けるのではなく、開発者が自分たちで自発的に行っている信頼性を高めるための取り組みを保護し、種火として守り育てていった」などなど、すぐにでも参考にしたい話が連発していました。
SREとして開発側をどこまで理解しようとするべき?
SREとしてビジネスの理解の重要さが繰り返し語られていました。
このあたりは、クリティカルユーザージャーニーを重視する直近のSREの風潮ともあわせ、ビジネス理解/ビジネス側との対話が更に求められるようになってきているのを感じます。
SREが事業理解をしてよかったこととして、信頼性を上げる方向ではなく重要度が低いところでSLOを下げるような提案ができるという話も紹介されていて、腹落ち感がありました。
懇親会
1日目の終了後には、TK NIGHTCLUBというクラブを貸し切っての懇親会も行われました。個人的にクラブという場所に行くのは初めてだったのもあり新鮮な体験でした。
SREが開発チームとの関わっていく中でどのような工夫をするべきかのかなど、泥臭い話も含めて有意義でアツい議論ができ、個人的に大満足の懇親会でした。
大きな組織にSLOを導入し運用するということ、その難しさ
DMMで各事業部から使われるプラットフォームにSLOを導入している事例についての発表でした。
導入のサポートだけでも大変なSLOですが、それを運用し続けるための実際の苦労や工夫が紹介されていました。SLOの運用にかかる工数を下げるため、ドキュメントやSLO as Codeなどで様々な工夫をしながら取り組んでいるのが印象的でした。
SREのプラクティスの基本として語られながら、運用にあたっては様々な壁があるSLOですが、取り組むうえで大変参考になる事例発表でした。
Enabling SRE by Guide Maps
複数の開発チームを横断して担当しているSREチームで、SREや各開発チームで本当に取り組むべき問題を特定していくために、「SRE Trail Map」としてSREプラクティスのどこから取り組むべきかを洗い出すためのガイドラインを作成したとのこと。
開発チームが他のチームに比べてまだできていないところを把握したり、取り組むべき重要な問題が抜け落ちてないか確認するうえでも有用な取り組みであるように感じました。
私が所属しているチームも横断組織で複数事業部を担当しており、似たような課題感をもっていたため、このような全体像を示すような取り組みはすぐにでも取り入れたい取り組みでした。
感想
全体を通じて、個別の技術よりはSREとしての動き方や開発チームとの関わりにフォーカスするような発表が多いようでした。
ビジネスや開発組織の課題感への理解を対話で高めたり、課題感に合わせてSREチームとしての動き方を調整するような丁寧な動き方をされている方が多く感じました。「信頼性は会話です」という言葉もありますが、コミュニケーションから信頼性を紡ぎ出していくような動きが浸透し、まさにいろんな組織で実践されているところなのだろうなと。
このイベントに参加して、自分たちの仕事の中でも、もっと開発者側のそばに立って課題感を聞きながら寄り添った動きかたができるようにならなければと、SREとしての思いを新たにすることができました。開発者を巻き込みながら、また、開発者のやりたい方向性を活かしながら、最大限バリューを出せる動きをしていく方法を模索していかなければ。
運営に関わった方々、また発表者の皆様、本当にお疲れ様でした。
来年の開催も楽しみにしています!
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