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【CLI】RTX1200のセットアップ【初期設定編】

2025/01/09に公開

Yamaha RTX1200をセットアップする先駆者や記事は多く[1]、もはやn番煎じかわからないですが、せっかく手に入れたのでまとめておきます。
この記事ではRTX1200を使用したインターネットの接続までをまとめているので参考になると幸いです!

RTX1200とは

RTX1200とは、2008年に発売された中小規模拠点向けのVPNルーター[^2]です。約17年前に販売されたものですが、全LANポートが最大1Gbit/sに対応しており現在でも問題ない通信速度で使用することができます。また、最近の中古市場ではおおよそ5000~9000円程度で販売されているものが多く、手が出しやすい業務用ルータともいえます。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://network.yamaha.com/products/routers/rtx1200/index

環境

物理

  • Yamaha RTX1200
  • USBシリアルケーブル(D-sub9メス - USBTypeA 2.0)
  • LANケーブル 数本

入れておいたソフト

  • TeraTerm

準備

初期化しよう

とりあえず電源に繋ぎ、LANポート1に接続してhttp://192.168.100.1 へ接続したところで、元の管理者IDとパスワードが分からずに終わります。初期化しましょう。
初期化の方法は非常に簡単で、前面にあるmicroSD``USB``DOWNLOADのボタンを同時に押し、背面電源スイッチをONに切り替えるだけ。

TeraTermを使用してシリアル通信を行う

ここからはCLI操作を行うために、TeraTermを使用します。この通信を行うためには、RTX1200側のコンソール端子D-sub9オスとPC側を接続するシリアルケーブルが必要となります。今回はネットで売られていたD-sub9メスからUSBTypeA 2.0へ変換されるシリアルケーブルを使用します。
これらを接続し、TeraTermを起動すると以下のようにシリアルのポートに新たなポートが追加されているはずです。(環境によっては名前が違ったり、デバイスマネージャーを確認する必要があります)
Tera Term 新しい接続
"COM3: USB-SERIAL CH340(COM3)"が今回RTX1200と接続されている
このRTX1200と接続されているシリアルポートを選択し、OKを押すと真っ黒い画面が出てきます。この画面でEnterキーを押すとパスワードの入力が求められます。

パスワードはまだ設定していないため、ここもEnterキーを押します。するとなんかいろいろ出てきます。

これで接続完了です。

設定を工場出荷時に戻す

CLIを使用できるようになったら、cold startコマンドで工場出荷時の設定に戻します。これは中古で手に入れたRTX1200だからとも言えますが、思いがけない場所で元あった設定の影響を受けないために行います。[2]
まず始めに、administratorコマンドを使用し管理者モードに入ります。この時、再びパスワードを聞かれますが、前と同様にEnterキーを押すだけです。その後、clod startコマンドで工場出荷時へ戻す・再起動を行います。

基本設定を行う

ここではRTX1200の基本的な設定をいくつか行う。ここで取り上げる設定項目はizuminさんの記事[3]を参考にさせて頂きました。本記事に書いていない項目もありますので是非参照してください。

  1. パスワードの設定
    先ほどまでEnterキーで誤魔化していたパスワードを設定する。ログイン用・特権モード用それぞれのパスワードは以下のコマンドで設定する。

    • login password - ログイン用
    • administrator password - 特権モード用
  2. セキュリティクラスの設定
    セキュリティクラスには、セキュリティレベルやパスワード忘れ対策、TELNETコマンドの使用が含まれます。これらの設定を以下のコマンドで行います。

    • security class <level> <telnet> <remote>

    詳細については先ほど紹介した記事[2:1]をご覧ください。

  3. 時間についての設定
    日付・時刻・タイムゾーンについて設定できます。

    • date yyyy/mm/dd 日付
    • time hh:mm:ss 時刻
    • timezone +09:00 タイムゾーン
  4. 設定の保存
    saveコマンドを使用して設定を保存します。

上記の設定が終わったら、show environmentコマンドを使用することで設定の確認を行うことができます。

WANへ接続

ここからはWANへの接続を設定していきます。
設定はYAMAHAが公開しているこちらのぺージを参考に行います。
https://network.yamaha.com/setting/router_firewall/internet/internet_connect/opticalfiber_connection/#command

ISPに接続するID/パスワードって?

WANへの接続を設定する際に、先ほどのページに従ってコマンドを入力しているとpp auth myname (ISPに接続するID) (ISPに接続するパスワード) と、ISPに接続するためのIDとパスワードを設定する機会があります。こちらは回線契約時にプロバイダ等から書面やハガキなど、何らかの手段によって送られてきていることがほとんどです。(お客様IDや接続用ID、PPPoEIDなど名前が変わっていることが多い)不明な場合は、このような書類を探して確認してみましょう。尚、次のような場合は書類を確認しても解決しないと考えられます。

v6プラスで契約していると起こる弊害

私が契約している回線はこちらの記事(固定IPを登録したい!【ELECOM WRC-1167GS2-B】) で記述しているように、enひかりのv6プラスとなっています。enひかりのv6プラスの接続方法[4]はIPv6 IPoE+IPv4 over IPv6(MAP-E)となっていることが分かります。また、こちらのサイトにある「メーカー確認済みブロードバンドルータ」内にはRTX1200はありませんが、以下の先駆者の記事を参考にすれば使えないことはないようです。
https://emeth.jp/diary/2018/05/yamaha-rtx1200-map-e/
https://www.canned-catfood.com/2021/03/yamaha-rtx1200-ipoe-ipv4-over-ipv6/
しかし、問題はこれだけではありませんでした。enひかりが提供しているv6プラスサービスではIPv4のID/パスワードの払出がなく、PPPoEの接続設定ができないという問題がありました。(IPoEを使用した接続は可能)

まとめ

本記事ではRTX1200の初期設定を行い、ネットワークに接続するまでを解説しました。家庭でよく見るルータと違い、コマンドによる設定を通して接続までの過程にどのようなことが行われているか学習できる良い経験でした。とはいえ、v6プラスの件を始めとしたスペックの観点からすると学習した上で実用させるのであれば、RTX1210の方が現在の環境におすすめできるといった印象です。
次は、RTX1200とSoftetherVPNを使用した拠点間VPNの構築をまとめようと思います。お楽しみにー!


脚注
  1. 参考にさせていただいた偉大な先駆者たちの記録
    https://izuminmin.com/network/yamaha-rtx1200-basic/
    https://www.dot-plus.com/network/rtx/608/
    https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/console/cold-start.html ↩︎

  2. 設定内容をすべて消去したい
    https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/console/cold-start.html ↩︎ ↩︎

  3. Yamaha RTX1200 基本設定
    https://izuminmin.com/network/yamaha-rtx1200-basic/ ↩︎

  4. enひかり「v6プラス」
    https://enhikari.jp/v6plus.html ↩︎

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