「Information Architecture, 4th Edition (情報アーキテクチャ第4版)」読書メモ

https://learning.oreilly.com/library/view/information-architecture-4th/9781491913529/

Part I「情報アーキテクチャの紹介」

• 情報アーキテクチャ(IA)：情報を見つけやすく理解しやすい事に重点を置いた設計分野

第1章「IAが解決する問題」

• 例１：音楽のコンテナ／データ形式
  • レコード棚で管理している際は整理方法が１つに制約されていた
  • iTunesなどの登場により音楽コンテナ／データの紐づけから解放
    • 並び替え／フィルタリング／別コンテナ（デバイス）への移動等が自由に
• 例１－２：iTunesとその後
  • iTunesの初期はシンプルで分かりやすいUIだった
  • 次第に色んな媒体向けの対応や色んな機能が加わって、製品に一貫性のある体験が提供されなくなった
• 上記例の問題点
• 情報で作られた場：DX(Digital Experience)とはユーザーが今どこにいるのか（銀行/カフェ/デパート等)、リアルと同様にサイトにおいて今いる「場所」の事
  • この一貫した「場所」を異なるデバイスで提供するのが課題であり、情報アーキテクチャの対応領域
• IAでは問題に対しシステムレベルの思考が要求される
  • エコシステムを包括的に理解する事が体験の一貫性に繋がる
• 低レベルの要素も多く実装する必要がある
  • 結果的に両方を考慮する
• 例：建築（大聖堂orガレージ)
  • システムレベルの認識に誤りが一貫性の損失に繋がる例
  • 情報の過負荷：情報が増えすぎている。欲しい情報に効率的にアクセスするための仕組みが必要
  • 情報へのアクセス方法の多様化：PCだけでなくスマホ/タブレット等々、様々なデバイスからアクセスされる。その際に一貫性のある体験を提供する必要がある

第2章「IAの定義」

• IAの単純な万能の定義はできない
  • これは製品設計の難しさの裏返し
• IAの基本概念
  • 情報：データとは異なる。IAではあらゆる形式の情報が対象
  • 構造化／整理／ラベリング：適切な粒度によるコンポーネント化が重要
  • 検索／管理：ユーザビリティに大きく影響
  • 芸術／科学：指標で表現できない領域がある
• 例：チェスのIA
  • チェスにはあらゆる実装形態が存在する：物理ボード／通信チェス／GUIアプリ／CUIアプリ等
  • 複数のデバイスで一貫した体験を提供している。チェスのIAは良いIAと言える
• IAの重要な3要素「ユーザー／コンテンツ／文脈」
  • 3要素無くしてIAは成り立たない
  • 3要素から「参加すべきメンバーの種別／収集すべき情報／IA戦略に取り入れるべき事」等を導き得る
  • 全てのケースは「ユニーク(=異なる）」
    • それぞれ最適なIAが異なる
  • 文脈：組織のソフト/ハード構成要素（リソース/ミッション/文化等）。暗黙知を可視化。実装デバイスによる制約・特徴も対象
  • コンテンツ：サイトのコンテンツは何なのか？誰が所有しているのか？形式は何か？
  • ユーザー：ユーザーの欲望・特徴等。想像するだけでなく実際に調査

第3章　見つけやすさのデザイン

前の章では「IAとは何か？」という事を説明してきた。本章ではIAの基本概念でもある情報の検索について、具体的に人々がどのような行動を行うかをいくつかのモデルを通して紹介するとともに実際の検索行動をどうやって観察するのかについて説明する

• 一番簡単な情報探索行動モデル
  • 一番簡単な検索のモデルは以下のようなもの
  • 実際にはこんな簡単な検索が行われることはめったにない😑
  • 検索している本人が「本当は何を探しているのか（＝ 情報ニーズ ）」を把握していないケースが結構ある💭
  • 情報ニーズ
    • 情報ニーズの種類にはいくつかある
      1. 1つの完璧な答え🥇(前述のシンプルなモデルにおける答え)
      2. 複数の答え（🦞ロブスターネット）（条件に合致する宿屋の検索とか）
      3. 網羅的な答え🥅（論文・特許検索など、特定の条件のものを漏れなく取得したいケース）
      4. 昔見た情報をもう一度検索したいケース🤯
• 情報探索行動
  • 検索には「 統合 」と「 反復 」という側面がある
  • この2側面を交互に繰り返して答えにたどり着く
  • 例：Amazonで映像コンテンツを検索する場合
  • ↑の例だと作品までスムーズにたどり着いているが、実際の検索ではもっと行ったり来たりしながら探索する（Amazonのページ内にはカテゴリへのアクセスが表示されていたり、直接検索していない作品の提示などを行っている）

第4章理解のための設計

この章では人が感じる 場所の感覚 について、現実世界でのケースとWebサイトやアプリを使っている時のケースについてそれぞれ説明する

• 場所の感覚
  • 人には、いつでも自分がどこにいるかを検出し、場所から場所へと移動することを可能にする感覚がある
  • 現実世界では寝室・キッチン・病院・銀行・コンビニなど様々な場所があるが、人は自然とその場所を認識しその場所に即した行動をとる(場所によるアフォーダンスが発揮される）
    • 各場所には備えている設備や建築構造等、識別可能な特徴がある
  • Webサイトやアプリ画面においても場所の感覚は発揮される( 情報環境 )
    • 同じジャンルの際とは似たような見た目になる
      • 例：航空予約サイトはトップページにチケット検索のフォームが存在する
      • 例：歯医者のページにはトップページに連絡先の電話番号・営業時間の表・アクセス地図が存在する
    • 製品画面の理解しやすいさと使いやすさはその分野の標準にどれだけ近いかに大きく影響される
  • 場所の感覚を構成する要素は6つの層からなる

層	自然環境での例	情報環境での例	変わりやすさ
場所	土地	URL	変わりにくい
構造	建屋構造	サイトマップ	↑
表面	建物の見た目	サイトデザイン	｜
サービス	空調、配管	バックエンドアーキテクチャ	｜
空間設計	建物内部のレイアウト	？（特設ページとか？🤔）	↓
もの	机の位置、備品	コンテンツ	変わりやすい

パート２。情報アーキテクチャの基本原則

パート１ではIAの定義、IAの構成要素について概要べースでの説明を行ってきた。
続くパート２ではより詳細なレベルに進み、ほとんどのシステムで必要な下記の4要素について説明する
「組織システム」「ラベリングシステム」「ナビゲーションシステム」「検索システム」

第5章情報アーキテクチャの構造

上記4要素について説明する前に、本章ではIAの構造について具体例を通してシステムがどのようにIAを見える化しているかを紹介する。

• Q「IA見える化の必要性はなぜ必要？」
  • A「ステークホルダー（クライアント／同僚／上司）などに説明する必要が出てくるため」
• IAの見えるか
• IA構造①「トップダウンIA」
  • 最上位の情報（トップニュース、主要メニュー・ニュース一覧等）を提供。 最も一般的な質問に答える形でページが構成 されている（組織、最新ニュース、連絡先等）
  • 企業／大学のWebサイトなど
• IA構造②「ボトムアップIA」
  • コンテンツを起点 とした情報提供
  • レシピページ、フォトアプリの写真一覧等
• IA構造③「目に見えないIA」
  • ユーザーの見えない所で提示情報を調整
  • 前述のAmazon PrimeでのAIによる作品レコメンドなどはこのAIの一種
• IAを構成する４要素
  • このあと6~9章で紹介する
  • これらは前章で扱った「場所の感覚」を構成するのに役立つ

要素	概要	章
組織システム	情報の分類方法(名前順/時間順等)	第5章
ラベリングシステム	ラベル付け	第6章
ナビゲーションシステム	情報閲覧・移動方法(パンくず等)	第7章
検索システム	検索方法(クエリ等)	第8章

第6章組織システム

本章ではIA構成要素の１つである情報整理の仕方を紹介する。

従来、情報の整理を行うのは図書館職員ぐらいだった。
毎年生み出される情報量は指数関数的に増加している。
今では誰しもが図書館職員になりつつある（＝情報の整理を必要としている）

しかし、情報を整理するのは非常に難しい🤔
それは以下の4つの理由のため

1. あいまいさ
   • 根本的に 言葉はあいまい。様々な意味を持ちうるし、同じ事を表す複数の言葉が存在する。また、カテゴリを作る際にもどのようなドキュメントをどのカテゴリに配置するか一位に決めにくいケースがある(トマトは果物？野菜？）
2. 不均一性
   • 整理するには整理対象が均質であることが好ましい（抽象度が同じ、データ構造が同じなど）。ただ、ほとんどのデジタル情報環境は多くの場合非常に異質

3. 視点の違い

4. 内部政治

第8章「ナビゲーション」