LINEマーケットプレイスの魅力と個人開発でBtoBサービスをリリースし、苦労していること
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2022年5月に行われたLINE DC Monthly LT #2 - 【LINE と 個人開発のTips共有会】では、個人でLINE APIを活用した開発事例が発表されました。この記事ではLINE API Expertのひょうどうさんの登壇を紹介します。
自己紹介
今回は、「LINEマーケットプレイスの魅力について」と「個人開発でBtoBサービスをリリースして苦労していること」について発表したいと思います。自己紹介からしたいと思います。兵藤 悠生、24歳でフリーランスエンジニアをやっています。法人も一応作っています。言語はReactやVueがメインでやっておりまして、TypeScriptをちょっと太字で書いてあるんですけど自分もTypeScriptがとにかく好きでTS以外はここ2,3年書いてないです。趣味はゲームでRainbow Six Siegeってeスポーツのゲームがすごく好きで毎日やってます。
自社のサービスは今、この2つをメインで運用してます。LINE公式アカウントにECとテイクアウトができるよう、「気軽にEC Lea = レア」「もしキチ」という二つのサービスをリリースします。今回紹介するのは、気軽にEC Leaの方になります。サービス事業だけじゃなく、実際に受託事業とかもやったりしてます。
趣味でレゴが結構好きで、アニメの世界に出てくる建物を作ったりとか。動くピタゴラスイッチとかもハマってまして、全部これレゴでできたものです。実際にこれ先週の日曜日なんですけど、BMXとストリートバスケのイベントがありまして。そこでちょっとレゴ出展して欲しいってことで、一応レゴ出展も野外でやったりとかしてます。
個人開発サービスをLINEマーケットプレイスに出店
今回紹介するのが、BtoBサービスのLINE公式アカウントにECサイトが開設できる気軽EC Leaというサービスになります。このサービスは、EC + テイクアウトが拡張できて、LINEアプリ内ですべてを完結できてかつLINEチャットモードの方でお客さんと対応できるようなECサービスになってます。メールアドレスの入力とかは、一切不要のサービスとなっています。このサービスをどこで出店しているかっていうと、先ほど紹介したLINEマーケットプレイスで出店してます。
LINEマーケットプレイスとは、こちらの公式サイトの引用を持ってきたのですが、企業向けのサービスをもっと便利にもっと手軽にするためのサービスを提供するウェブサイトです。その中には、ミニアプリパッケージと拡張サービスという2つのサービスがあります。今回のLea = レアに関しては、拡張サービスの方になります。
では、具体的にどういう拡張サービスなのか。LINE連携の動画を撮ってきたので、こちらを見ていただければと思います。今までLINEを連携するためには、Messaging API、あとシークレットチャネル、そういった情報をコピーしてデータベースとか、環境変数に入力する必要があったと思うんですが、マーケットプレイスに出店することでマーケットプレイスが用意しているAPIを使うことで、簡単に連携することができるようになります。ほかにも、チャットモードやBOTモードの切り分けもできるようになっています。
モジュールチャネルを活用することで非エンジニアとのコミュニケーションコストが下がる
この技術を可能にしているのがモジュールチャネルという技術です。このチャネルは一つの公式アカウントで、本来公式アカウントというのはチャットとBOT両方を使うことができない仕様になっているんですがモジュールチャネルを使えばチャットモードを使いつつ、BOTモードも使えるっていう両方を活用できるようになります。他にも外部サービス。今、巷で有名なLステップとかも連携することができるようになります。ただ、1点デメリットがLINEログインが使えないというデメリットもあります。一応、対応方法としては、JWT,Pasetoという技術を使って擬似の認証をすることが可能です。
こちらはモジュールチャネル、ちょっとLINE公式の方から引用してきたのですが、本来この公式アカウントを連携すると、一つのチャネルシークレットで一つの公式アカウントしか使えないというのが本来の仕様だと思うのですが、さらにモジュールチャネルという一つのチャネルが加わることで、このモジュールチャネルに対して複数の公式アカウントをアタッチしていくことができるんです。一言でいうと、プラットフォームを作ることができます。
これをすることで何がいいかっていうと、非エンジニアの方とアクセストークンとかシークレットキー、webhook、これらの単語を一切やり取りすることがなくなります。苦手な方でも、分かりやすく努力してドキュメントを作ったりとかするのもいいんですけど、自分としてはそもそも触れない方が理想なんじゃないかっていうことで考えた末マーケットプレイスだとそれが実現できるっていうところで今、弊社はマーケットプレイスに力を入れています。
LINEマーケットプレイス最大の魅力とは
魅力はこれだけではありません。これは自分の過去のツイートなんですが、LINEマーケットプレイスに出店すれば、Google広告とかLINEのオフィシャルアカウントのバナーにたまに出てきたりします。広告をLINE社がやってくれる。本当に不定期なんで依存していたらかなり痛い目にあうかもしれませんが。外にもGoogle検索とかで、今現在はLINE ECっていう単語にSEOでは3位とってます。このようにメリットがたくさんあります。
最後に最大のメリットなんですがLINEマーケットプレイスっていうところに出店するだけでLINE社公認という看板を付与することができるんです。小規模とか今回、自分は個人で作ったんで、個人の運営者にとっては非常に強力な肩書きになります。ただ、このLINE社公認という看板で宣伝もしてくれるから、勝手に流入してくれるだろうって思うと大きな落とし穴になります。多少なりとも自分で広告とか営業の仕組みを構築した上で出店することで、この肩書きが非常に強力な武器となってきます。実際に自分はリリース当初、それちょっと痛い目に遭ったので、是非皆様気をつけていただければなと思います。ここまでがマーケットプレイスの魅力の紹介になります。
個人開発のExit戦略
ここからは個人開発について語っていこうかなと思います。まず皆さんにちょっと考えてほしいんですけど、個人開発にとってのゴールって何だと思うでしょうか。よく挙げられるのがM&A、IPOもしくは自分のサービスだけで生活していく3つが挙げられるんじゃないかなと思います。その中でも一番多いのが恐らくM&Aじゃないかなと。個人開発でM&Aを目指されている方が最近多く見えると思います。自分も絶賛目指して頑張っているところです。ただ、個人開発でM&Aを目指そうと思ったら、BtoBサービスがかなり狙い目かなと思って、自分はBtoBサービスを選んだのですが、それを運用する上でかなり大変なことがありました。
個人開発でM&A目指す最初の課題
開発以外がとにかくやること多すぎます。実際に何があるかと言いますと、カスタマーサポート・営業・広告・ドキュメント制作・資金源の確保。これら5つ当初は自分全部一人でやっていて、実際に最初の3カ月くらいは結構楽しかったんですね。今までやったことのないジャンルで新しいことが学べて楽しいなって思ってたんですけど、時間が経っていくにつれて、自分がすべきことなんだろうか他の人でもできる。いや効率が悪いんじゃないかって考えるようになったんですね。
ただ、個人開発でM&Aを目指す個人開発っていうところで、ちょっと自分一人でやることにこだわってきたんですけど冷静に考えてみると開発だけ個人でしてそれ以外を他の人に任せても、これ個人開発って言えるんじゃないかなと思ったんですね。そこで方向転換しまして、このように先ほどの5つの業務をすべて他の人に任せてやるようにすることで、今かなり楽ではないんですけど、効率良くサービス運営ができるようになったかなと思います。
個人開発で得た3つの教訓
今後、個人開発でサービスをやってみたいなと思う方に、自分からちょっとアドバイスが3つほどあります。まず開発以外は他の人にお願いしましょう。おそらく、個人開発でサービスを作る人が、ほとんどがエンジニアというかスキルを持たれた方だと思うんですね。そういうエンジニアっていうかなり希少価値の高いジャンルの方は、ぜひ開発だけに専念した方が効率がいいんじゃないかなって思っています。
次にこれかなり落とし穴なんですけど、自分の稼働時間を前提にプランを練らないってことです。常に自分がやればいいやという考えで、色々アプリとかアップデートとか戦略練ったりすると思うんですけど、そうじゃなく、自分が働かないと動かない仕組みを作らず、他の人にお願いするってことを念頭に入れた方がいいです。
最後にこれら上の2つを行うには間違いなくキャッシュが必要です。業務委託などが並行でできるような仕事を持った上でスタートするのがいいんじゃないかなと考えております。
まとめ
まとめに入りたいと思います。LINEマーケットプレイスAPIを活用することでLINEの開発の幅がすごく広がることができます。個人の方にもマーケットプレイスへの出店はかなりお勧めです。これは先ほど紹介したLINE社が広告をしてくれたり、LINE社公認という看板を得ることができといった点です。最後に個人開発でBTOBサービスを目指すなら、開発以外は一人でしないことがおすすめです。
以上になります。
最後に告知になります。先ほど発表で、資金源確保で補助金って書いてましたが、実際に自分も補助金申請とかやってみたんですね。補助金申請と書類や検索やもうやることが多すぎるというところで。自分は補助金を簡単に検索できるLINEボットを作ってみました。よくメジャーなのは低感染リスク型補助金とか小規模持続型補助金、あとは事業再構築とかそのあたりになると思うのですがそれらの情報が簡単にLINEボットで確認できて、そのサイトにすぐ行けるというようなサービスになっています。
このサービスは5月26日のLTイベントでリリース目標でやっています。最後に余談ですが、今後BtoBサービスを作るなら、最初からチームを作ろうと思いました以上で発表終わりたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
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