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LINEだけで在宅勤務連絡を完結する便利ツールを個人開発 ヤマタケ @gas_seo

2022/06/20に公開

LINE Developer CommunityはLINE APIに関連する最新情報や開発Tipsを共有するコミュニティです。
2022年5月に行われたLINE DC Monthly LT #2 - 【LINE と 個人開発のTips共有会】では、個人でLINE APIを活用した開発事例が発表されました。この記事ではイベントの司会も務めたヤマタケさんの登壇を紹介します。

https://www.youtube.com/watch?v=2Olz2bsjx3A

自己紹介

「LINEだけで在宅勤務連絡を完結する便利ツールを個人開発」という発表をさせていただきます。私はヤマタケと申します。普段はメディア系の企業で働いており、 GoogleAppsScriptと呼ばれるスクリプトサービスを使った業務改善を好んでやっており、業務でもいろいろな業務改善をしています。Twitterは@gas_seo、auto-wokerというブログを運営しています。ブログは趣味みたいな形でのめり込んでいて、SEOなども追求していて、現在月間PVが大体30万PVくらいとなっています。

2020年から突然のリモートワーク

2020年からリモートワークや在宅勤務が多くの会社で普及しました。もともと私も基本的には会社に出社して仕事をしていたんですけども、2020年新型コロナの流行によって出社が難しくなった結果、在宅勤務が中心の生活になりました。特に緊急事態宣言が何度も出たり蔓延防止措置法が出たときは、ほぼ会社には出社せずに在宅勤務をしていました。

私の勤めている会社の場合なんですけども、このような流れで業務を行います。まず朝起きて、在宅勤務を開始するために、パソコンを起動します。パソコンを起動したら、その起動したメールソフトを使って上長に対して在宅勤務開始のメールを送りました。それが送ったところで在宅勤務スタートという形で自宅で作業を進めていきました。一定時間予定されていた時刻まで働けば、上長に対して在宅勤務終了メールを送信して、本日どういった仕事をしたかっていう終了メールを列記して。1日の在宅勤務が終了になっていました。

在宅勤務でもメールが必須な会社は多い


在宅勤務になっていてもですね、まだメールで連絡が必要なケースというのは、いろんな会社で多いんじゃないかなと思っています。やっぱり在宅勤務連絡はメールよりLINEの方がよくない?っていうのを思いました。

その理由としては、パソコン起動にやっぱり時間がかかるっていうところ。特に第2火曜日の翌日ですとWindowsUpdateが当たってしまったりした時はですね、何度も再起動が走って、全然パソコンが立ち上がらないみたいな形でメールを打てなかったり。メールを打つといってもですねメールの作成にもメーラーを立ち上げて、メール文面作って送信というところが結構手間がかかってくる。出社してた頃は出社したタイミングで勤務開始というところで、PC起動も業務時間内っていうふうな考え方だったんですけども、在宅勤務のやりとりになると、どうしてもメールを送ったタイミングは勤務スタートという風になってしまうので、パソコンの起動している時間だけその分、連絡が遅れてしまうというところはちょっとロスかなと思いましたが、そういった時にLINEでさくっと連絡できればパソコンの起動を待たずに在宅勤務開始ができるんじゃないかなと思いました。

会社のルールを変えるのではなく、自分のシステムを変えた


ただですね、残念ながら、会社のルールを変えるのは非常に困難でした。どうしても皆さんメールはかなり使える方が多いんです。やはりそういった新しいツールを使うことも抵抗感を示される方というのは、会社内に多くいらっしゃいましてメールがいいだったり。また、そういった在宅勤務の連絡の規則を変えるのは大変。そのままLINEに置き換えましょう、というのは難しいなと思いましたので、メールで在宅勤務連絡できるLINEアカウントを個人で開発してしまおうと思いました。

ここで用いたのがGoogle Apps Scriptです。Google Apps Scriptを知らない方もいらっしゃると思いますので、ご説明しますとこちらはGoogleが提供しているサーバーレスのスクリプトサービスです。いろんな自動化の処理だったり、メールを送るといった動きをですね、スクリプトで記述することで自動化ができるようになっています。何か情報を取ってくるのはAPIリクエストだったりもできるので、LINE Messaging APIとの連携もできますし、何よりGoogleのサービスというところで、スプレッドシートやGoogleドライブなどのサービスの連携が非常に強みになっています。WEBアプリケーションとして利用することでLINE Messaging APIのWebhoolに使用して、簡単にLINEのアプリケーションが作れるというメリットがあります。そして、3つ目が非常に大きいんですけども、なんと無料で使えますプロトタイプ的に作ったり、また、そんなにユーザー数が多くないものであれば、そのまま無料で運営が続けられるというところで、非常にコストがかからずというところでメリットがあるかなと思っています。

LINEBotシステム構成図と要件整理


このGoogle Apps Scriptで在宅勤務のメール送信とLINEとのやりとりの処理の部分を今回開発しました。実際にLINEへの投稿から在宅勤務メールを送信するフローはGoogle Apps ScriptのWebhookでLINEの投稿をトリガーにメールを送信するする仕組みとなっています。まず、ユーザーはLINEの投稿を行うと、Messaging APIがその投稿を受け取ってGoogle Apps ScriptのWebhookに情報を飛ばしてくれます。その情報を飛ばすと、GAS側で在宅勤務のメールを送りとともに勤務記録をですねスプレッドシートに記録して処理結果という形で、ユーザーの手元に戻してくれるような動きになってます。
このLINE Messaging APIとGASの利用事例っていうのはQiitaだったり、Zennでも多く書かれており色々わからないことがあれば、そういったプラットフォームで調べることで実装方法がわかるところも初心者でも実装しやすいっていうメリットがあるかなと思っています。実際にLINEによる在宅勤務でやりたいことリストとしては、この4つを要件として考えました。

まず開始と打てば、それで在宅勤務の開始メールが送信完了できるというところ、そして終了と打つと、その日に実施した内容を入力するようにして、在宅勤務の終了連絡をできるようにするという仕組み。3つ目にその終了連絡する際には開始時間と終了時間がメール本文が自動挿入される。4つ目にLINE投稿時にスプレッドシートに勤務実績が記録される。この4つを要件として、私が勤めている会社で在宅勤務の連絡で必要となる要件を整理しました。

LINEのボタンを押すだけでメールが上長に送られる


実際にこのラインによる在宅勤務連絡ツールを試したのがこちらになります。左側のところで在宅勤務のLINEアカウントを開くと説明文が出てきますので、在宅勤務を開始したい場合は開始という投稿を行います。そうするとレスポンスとして勤務記録連絡完了という形で、右側にあるようなメールが送られます。こちらが自分の上長に送られるものになります。

続いて、在宅勤務が終了した際には終了と投稿するか、本日の作業内容をまとめて投稿するっていうところ、自分のやったことを再び投稿すると、こちらで在宅勤務の連絡が完了しました。お疲れ様でしたっていう形で一番右にあるような在宅勤務を終了しましたという風なメールが送られるようになりました。

このようにLINEの開始と終了という投稿で、在宅勤務メールが自動的に送られるツールになっています。今回、GASを使ったメリットとしては、実はGoogleアカウントはGmail.comのアカウントだけではなく、組織のメールアドレスも利用することができます。Gmail.comではなく、私のブログで使ってるメールがGoogleアカウントとして登録できるようになってます。これメリットとしては、この自分のメールアドレスでGoogleアカウントを作ると、メールの差出人が自分のメールアドレスで登録できるようになって、それでメールを送信できるようになっています。この仕組みを使うことでメールを受け取る上長もですねまさかLINEから在宅勤務の連絡が来ているとは思わないということで、きちんとLINEでメッセージを送れるというメリットになっています。

勤怠管理のコストも大幅に軽減された


さらに、4つ目の要件のところで少し書かせていただいたLINE投稿の際にですね、スプレッドシートに在宅勤務の実績が自動記録されるという仕組みも設けています。ちょっとサンプルにはなるんですけど、こういった形ってナンバーをふって、自分の名前で現状のステータスだったり、開始時刻、終了時刻というところと実際にその日行った作業内容はこのように記録されています。

多くの企業では、おそらく勤務表っていう形で通常の日々の勤務とは別にですね月末だったり、月初にその月、前月どのように勤務したかっていう勤務表を出される会社も多いかなと思うんですけども、そういった際にですね在宅勤務のメールだった場合は自分が送ったメールをひたすら30日分見返して、何時から何時まで働いたいうのを入力しないといけないんですけども、このようにスプレッドシートに吐き出しておくことで、一つのシート上で自分の勤務がどれだけ働いたのか見返すことができます。これによって勤務表を提出する際に、非常に入力コストが大きく下がったというメリットがありました。

LINEによる在宅勤務連絡ツールがもたらす4つの効果


LINEによる在宅勤務連絡ツールがもたらす効果というところなんですけども、まず1つ目、大きなところはPCの起動の完了を待たずにですねこのようにスマホを用意すれば、スマホから勤務連絡ができるので、PCの起動完了を待たなくていいところがあります。2つ目はメールを自分で打たなくてよくて開始と打つだけでいいのでメールを書く必要がないっていうのも大きいです。やはりメールの文面の中にいろいろ挨拶の文面だったり宛名とかを書いたりというところがあって、時間は意外とかかってくるので、そういったところが省力化できるかなと。3つ目に先ほど紹介したように、勤務実績がスプレッドシートに自動記録されますので、勤務表を提出する際に在宅勤務の実績データが出しやすいっていうのはあります。日々の在宅勤務連絡の負担軽減に加えて、勤務管理にもメリットがあるなと感じました。

LINE Bot開発の課題はオウム返しの次


ここからは少し個人開発というところで、LINE Messaging APIを使った個人開発の初期あるある。みなさんTwitterとかで見てたりするとLINEのオウム返しのBOTのつくり方わかったけど次なに作ったらいいかわからないって話がよく見かけます。やはりMessaging APIを使えるようになったとしても、個人開発するまでには大きな壁があるのかなという風に考えています。実は少し前のLTでもご紹介したんですけども、DeepLとGoogleとLINEを組み合わせた和訳アカウント瞬間Deep和訳っていうのを作ったことがあります。こちらはどのようなサービスかというと、LINEアカウントに英文が写った画像を送ると、自動で翻訳してくれるというサービスで、このグーグルのOCRとDeepLの翻訳精度で高い精度の高い和訳文を返信してくれるサービスになります。QRコードを載せておりますので、こちらからLINEのお友だち追加できますので、ぜひ追加いただければ、プロダクトアウト思考というものから生まれました。
プロダクトアウト思考ってのは今ある技術だったり、そういったテクノロジーからこういうものが作れるんじゃないかなっていう風な発想になります。

私もですねこの瞬間Deep和訳を作った時にはDeepL翻訳のAPIがあることを知ってDeepLの翻訳は世界一の性能なので、APIを使えば何か便利なサービスが作れるんじゃないかなっていう、技術的な部分からですね作ったのがこの瞬間Deep和訳になります。

GoogleのOCRを組み合わせたりとか、LINEの手軽さっていうところを組み合わせて瞬間Deep和訳を作ってですね友達も今230人ぐらいって比較的使っていただいているんですけども、やっぱりGASの機能制約もあるっていうところとプロダクトアウト的に作ったところで、この先何を改善していけばいいのかなっていうところ分かんなくなってしまった部分がありました。結構プロダクトアウトからだと、自分のニーズではなかったりするので、何を付けるとより改善できるかというところが思い浮かびにくいデメリットがあるかなと私は思いました。今回、在宅勤務連絡ツールなんですけども、こちらは自分のニーズによるマーケットイン思考になります。

マーケットイン思考と個人開発


マーケットインというのは、そのマーケットが求めているものに基づいて、サービスやアプリケーションを開発するという感じの開発方法で、今回は私が在宅勤務の連絡面倒だよなとか、PCの起動に時間がかかるとか、メールを書くのが負担っていうところでこんなツールを開発しました。

やっぱり自分が欲しいと思ったツールを、LINE Messaging APIを使って開発したというものになります。これは今もまだまだ便利になるアイデアがどんどん思い浮かんでいる状態です。投稿時間のうちで勤務開始終了時刻の切り上げ切り下げができたり、更に作業開始時や作業予定も連絡できるようにしたりとか、LINEトーク上でメールの文面や各種設定もできるようにしたり、更に自分だけじゃなくて他のメンバーも使えるようにしたいとか、こういったニーズによるマーケットイン思考って非常にアイデアが浮かびやすいので、個人開発にはあるマーケットイン思考って非常にアイデアが出しやすいのかなと考えています。

なので仕事や困りごとに結びつけたマーケットインで個人開発すると自分が困ってることは、他の人も困ってたっていうケースがあるので、ニーズが高い個人開発ができるんじゃないかなと思っています。非常にアイデアが出やすくてメリットが大きいです。

私はLINEを使って、自分が好きな仕事の業務改善というのを今回取り組んだんですけども、非常に面白かったなっていう風に感じた個人開発でした。以上が私の個人開発の発表になります。
皆様、ご清聴ありがとうございました。

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