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Pythonのアンダースコア _ の全て：7つの意味と文脈を完全整理

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🐍 Pythonのアンダースコア _ の全7パターン徹底解説

_（アンダースコア）は、Pythonで文脈に応じて7通り以上の意味を持つ超多機能記号。
慣習、内部設計、国際化、REPL……
Pythonの哲学がぎっしり詰まっています。

🎯 本記事の目的

Pythonにおけるアンダースコアの使い方と意味を、体系的にすべて整理する

📚 _ の使い方【7パターン一覧】

# 書き方 主な用途 概要
① _ 🗑️ 無視する変数 for文やアンパックで「使わない」と明示
② _var 🔒 内部用変数（慣習） 外部から使わないでね、の合図
③ var_ 🚧 予約語の回避 class, fromなどと衝突しないため
④ __var 🥷 名前マングリング クラス外からアクセスしにくくする
⑤ __var__ ✨ マジックメソッド __init__, __len__などPython構文専用
⑥ _ = expr 💭 REPLの直前結果 対話モードで前の出力を再利用できる
⑦ _() 🌐 i18n（国際化）関数 翻訳関数 gettext() のエイリアス

🔍 詳細解説

1️⃣ _（無視する変数・捨て変数）

  • 🧠 意味
    この値は使わないから名前なんて不要、という合図。

  • 🛠 使い所

    for _ in range(3):
    print("hello")           # ループ変数を無視

x, _, y = (1, 99, 3)        # 真ん中の値を無視

list(map(lambda _: "ok", range(5)))  # 引数を無視

  • 📌 ポイント

    • あくまで「人間への合図」。
    • 実体は普通の変数。上書きすれば通常の値に。

2️⃣ _var（内部実装用変数・慣習）

  • 🧠 意味
    内部的に使う変数・関数です。外部には公開しないでね、のサイン。

  • 🛠 使い所

    class Foo:
    def __init__(self):
        self._cache = {}

foo = Foo()
print(foo._cache)  # ⚠️ アクセスできるけど、控えてね

  • 📌 ポイント

    • Pythonに本当の private はないので、ソフトプライベートとして扱う。
    • ライブラリのドキュメント外APIの目印にもなる。

3️⃣ var_（予約語回避）

  • 🧠 意味
    Pythonの予約語（class, from, lambda, …）と名前が被らないように回避。

  • 🛠 使い所

    from_ = "Tokyo"
class_ = "Car"
lambda_ = lambda x: x + 1

  • 📌 ポイント

    • 末尾に _ を付けるだけで衝突回避。
    • 動作に制限はなく、普通の変数として利用可能。

4️⃣ __var（名前マングリング）

  • 🧠 意味
    クラス内だけで使うように“見せる”ための仕組み。
    Pythonが自動で名前を変換（Name Mangling）してくれる。

  • 🛠 使い所

    class A:
    def __init__(self):
        self.__secret = 42

a = A()
print(a.__secret)     # ❌ AttributeError
print(a._A__secret)   # ✅ アクセス可能

  • 📌 ポイント

    • 完全な private ではないが、誤用を防ぐ防衛線。
    • 継承時の名前衝突も避ける。

5️⃣ __var__（マジックメソッド／特殊変数）

  • 🧠 意味
    Python構文や仕組みに深く結びついた特別な名前。
    “ダンダーメソッド”とも呼ばれる。

  • 🛠 使い所

    class MyClass:
    def __init__(self, v):        # インスタンス生成時
        self.v = v

    def __str__(self):            # print(obj)の出力
        return f"MyClass({self.v})"

    def __len__(self):            # len(obj)
        return self.v

  • 📌 ポイント

    • Python内部が自動で呼び出す“契約名”。
    • 自作は仕様厳守。__mycustom__ などは非推奨。

6️⃣ _ = expr（REPLでの直前評価結果）

  • 🧠 意味
    インタラクティブシェル（REPL）で最後に評価された式の結果が自動的に _ に格納される。

  • 🛠 使い所

    >>> 10 + 5
15
>>> _ * 2
30
>>> print(_)      # 30

  • 📌 ポイント

    • REPL限定の機能。スクリプト中では無効。
    • 自分で _ = … と書くと上書きされ、特殊動作を失う。
    • IPython/Jupyterではさらに _i, _ii, _oh などの履歴変数あり。

7️⃣ _()（国際化・翻訳関数エイリアス）

  • 🧠 意味
    国際化（i18n）の翻訳関数 gettext() を _() として呼び出す慣習。

  • 🛠 使い所

    from gettext import gettext as _
print(_("Hello, world!"))  # 翻訳された文字列を表示

  • 📌 ポイント

    • Django、Flask、GNU gettext などで広く使われる。
    • _() があると“翻訳対象文字列”としてマークされる。

📦 まとめ（全7パターン）

書き方 目的 主な使い所
_ 🗑️ 無視する変数 for _ in … / x, _, y = …
_var 🔒 内部用変数（慣習） self._cache
var_ 🚧 予約語回避 from_ = "Tokyo"
__var 🥷 名前マングリング self.__secret
__var__ ✨ マジックメソッド __init__, __len__, …
_ = expr 💭 REPLでの直前評価結果 >>> 3*7 → 21 → >>> _ + 1 → 22
_() 🌐 翻訳関数エイリアス（i18n） _("Welcome")

💡 補足

Pythonのアンダースコアは、単なる記号を超えた、“設計者とコミュニティの暗黙の対話”。

Explicit is better than Implicit — 明示は暗黙に勝る

この思想が、アンダースコアの多彩な使い方に息づいています。

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