DB Tech Showcase 2025(1日目)に参加してきたよ
これはなに
こんにちは、レバテック開発部のもりたです。
今日は7/10, 11に開催のDB Tech Showcaseに参加してきたので、その参加レポートです。
DB Tech Showcaseとは?
DBTechShowcaseとは、インサイトテクノロジー社が主催する国内最大級のデータ技術系カンファレンスです。毎年夏場に開催されており、今回は7/10(木), 7/11(金)で開催されています[1]。
わりと朝から晩まで複数会場でのセッションが行われており、その合間にも会場限定のLTが...! データベース技術が好きな人間にとってはほんま楽しい楽しい一日になること請け合いのイベントなわけです。
(異様に豪華なLTスケジュール。この選定には著名なLTソムリエの方が関わっているとかいないとか...)
参加したセッションと感想
ここからはわたしの参加したセッションと簡単な感想を書いていきます。会場でのセッションの様子は撮影禁止なため基本的にすべて文字での解説になります。また同時に複数セッションが開催されているためご紹介できるのは一部です...😢
Spnnerの内部シャーディング(split)徹底解剖 2025
こちらはsatoさんの分散データベースの内部構造に関するセッションです。Spannerを例に分散データベースがどんな構造になっているのかを解説しています。
分散データベースにとってのデータを分散させるためのシャードは重要な概念ですが、それがRDBMSにおけるシャーディングとはどう異なるのか、Spannerではどんな仕組みでどのように分割されるのか? といった話をされていました。もりたはRDBしか使ったことがなくNewSQLは何も知らないのですが、そういったRDBとの違いがロックや性能にどう影響してくるのかという内容はもうめちゃくちゃに面白く、30分間、ずっと前のめりで聞いていました。
監視を超える信頼性とセキュリティのためのMySQLオブザーバビリティ
こちらはOracle社によるセッションでした。セッション内容はMySQL Enterprise環境向け監視ツールの製品内容といった感じです。昨今の監視ツールのトレンドとして可観測性があげられますが、そこを念頭に置いたセッションでした。自分はAWS環境でのMySQLを触ることが多いんですが、フルマネージドではない環境向けにOracle社が出しているツールの機能を知れて面白かったです。結構充実してそうでした。
また、めちゃくちゃしっかりしたメモ帳をいただけて嬉しかったです。
NewSQLのユースケース8選 - 結局NewSQLってどう使うのが正解? -
続いてはミックさんによるNewSQLのユースケース紹介です。
最初にNewSQLの何が嬉しいのかを説明し、そこで説明された「スケール」「高可用性」「マルチテナント」という強みに沿って国内外の活用事例を8ケースあげられていました。
自分が聞いていて面白かったのはNewSQLが金融系のサービスで使われていることです。可用性の高さや厳格なトランザクション管理が求められる金融系はなかなか新しい技術にチャレンジしにくい印象を持ってたんですが、むしろNewSQLは金融で求められる要件を満たしており、近年採用されてると聞きました。これはわりと世界的にそういう傾向があるらしいです。
またマルチテナントの観点では、マイクロサービス化によって増えすぎたDBクラスターを一元管理できる点が紹介されており、その事例としてレバテックのスライドが引用されていました。
(ミックさんがスライドに載せていたのはおそらくこのスライドです)
河合塾が抱えていたDB運用におけるジレンマの改善 ~DBの可視化で何が変わったのか?~
河合塾さんのセッションはデータベース運用に監視ツールを導入して改善していったお話でした。改善活動に取り組む前は何か問題があると各種指標を手作業で取得し、それを5分に一度実施したものをエクセルにまとめて分析していたそうなのですが、もちろんそれだと問題が起きてから事象の解明までには多くの時間が必要になります。そういった課題に対して日本エクセム社のMaxGuageという製品を導入し、改善したとのことでした。こういう課題に対して実直な改善事例って勇気もらえますよね、よかったです。
Aurora Audit Log 深掘り実践 〜Insight SQL Testing を通じた運用改善への道〜
KINTOテクノロジーズ株式会社の粟田さんによるセッションです。150をこえるクラスタでAurora2系→3系のアップグレードを実施した際に、クエリの同一性を担保するために行なったInsight SQL Testingでの検証事例を紹介されていました。KINTOテクノロジーズ社さんはDBREツールを自作して開発現場に活かしている印象(例)があるんですが、今回もAudit Logをパースして使いやすくするツールを作っていてさすがだなあと感じました。また、スライドに出てくるウサギもかわいかったです。
Devinで切り拓くDB革命:価値創出に集中せよ
こちらは自立型AIエージェントの登場でDBエンジニアの取り組むべき仕事が変わってくるのではないかというお話でした。想像していたよりもだいぶDevinの話がメインで、かつ普段バックエンドエンジニアとしてDevinを使っている身としても得るところの多いセッションでした。特に「普段の業務の延長線上でDevinを使うと1.5倍とかの成果しか出ないけど、10倍の成果を出すつもりでやってみると4倍くらいの成果が出る」というようなお話をされていて、ああ確かにその通りだなあと感じました。今回のイベントから持って帰ってチーム内で喋りたいネタの一つです。
進化し続ける YugabyteDB の最前線 ~ミッションクリティカルを支える分散型データベースの実力~
最後に聞いたのがYugabyteDBについてのセッションです。代表的な分散DBの一角であるYugabyteDBの概要とユースケースの紹介という構成であり、特にOSS版があるというのは自分にとっては大きな発見でした。RDBのPostgreSQLとNoSQLのCassandraどちらにも互換性があるYugabyteDBがどんな製品なのか使ってみたいなと思うセッションでした。
会場限定LT
参加したのは上記のセッションだったのですが、その合間にも15分のLTが行われており、そちらにも参加しました。こちらは簡単にご紹介します。
DBA/DBREしくじり先生 ~やっちゃったな実録集~
SB社はらともさんの発表です。DBA/DBREとして実現してきたものの裏に存在する様々なしくじりを紹介していました。LTが上手くて面白かったです。
DBのスキルで生き残る技術 - AI時代におけるテーブル設計の勘所
そーだいさんの発表です。数日前にはてブのランキング載ってましたね。データベースって面白いな!! って思いました。あと基礎をちゃんとやろうとも思いました。
ScalarDB: 汎用的なデータベース仮想化エンジン(Universal HTAPエンジン)
Scalar社山田さんの発表。ScalarDBってすごいらしい(けどどういうものなんだろう...)とずっと思ってたんですが、様々なDB製品を抽象化して一つのインターフェースからアクセスできるというものらしく、めっちゃ面白かったです。もうちょっと長い枠で聞きたかったなあと思います。
いまさらMySQLの非同期レプリケーションでのHAの難しさについて考える
yokuさんの発表です。大学の講義みたいなスタイルで始まって熱量高いまま終わりました。内容はレプリケーションの話で自分はあんまり業務的に知識のない範囲だったんですが、とにかくよかったです。
おわりに: 感想
やっぱこういうイベントで一日中ずっと好きな技術についての話が聞けるのっていいな〜〜って思いました。特に今回はNewSQLについてのセッションが多くあり、その内部構造がどうなっているのか? という点はまさに自分がデータベースを好きな理由ドンピシャで本当に時間が飛んでいくように感じられました。また、普段オンラインでやりとりさせていただいている方々とリアルで初めて会えたのも嬉しかったポイントです。名刺作らなきゃなと思いました。
最後に快適なイベントを設計実施してくださったインサイトテクノロジー社さん、ありがとうございました。面白いセッションだらけでなかなか抜けられない中、軽食として配られたまい泉のカツサンドに命を救われました。おいしかったです。
最後の最後に
このセッション聞けなかったんですが面白そうなので今から読もうと思います。ぜったい面白いじゃんね。
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この記事の公開が7/10(木)なので、つまり明日もやってます。行こう! ↩︎
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