キーボード沼へ沈むための第一歩
はじめに
レバテック開発部SREチームに所属している井上です。
普段は、SREエンジニアとしてオブザーバビリティを強化したり、インフラをIaC化をしたりトイルの撲滅活動をしています。
最近弊社の社員がテックブログをたくさん書いており、有益な記事が多く投稿されていますが、真面目な記事が多いので、ここであえてポップな内容の記事を投稿しようと思いました。
新生活の時期となり、キーボードが気になる!という方が大勢いらっしゃると思います。
そこで、ビギナー向けのキーボードの楽しみ方 についてざっくり書いていきます!
(自作基盤やプログラムを作ったりキースイッチをハンダ付けしたり、modしたりしている方々はこの記事の内容では物足りないと思いますので、記事をそっ閉じしてくださいw)
外付けキーボードの魅力
さて、みなさんはパソコンで作業するときに外付けのキーボードを使っていますか?
ラップトップのビルトインキーボードを使っていて十分と思っている方も多くいますが、外付けキーボードは奥が深くとても魅力的なので、魅力を伝えるために以下の観点で解説していきたいと思います。
- ビジュアル
- 機能性
- エルゴノミクス
- 打鍵
ビジュアル
外付けキーボードの魅力1つ目は、やはり 見た目 です。
外付けキーボードは、ラップトップのビルトインキーボードと違って、自分好みにカスタマイズができたり好みのビジュアルのキーボードを購入したりできるので、ムフフしながら仕事や趣味に没頭できます。
ビジュアルをカスタマイズできるのは、本体、キースイッチ、キーキャップですが、デスクマットなど周辺のものもキーキャップと合わせると統一感があって良いです(デスクマットまでいくとデスク作りの話になっていくので割愛)
例えば、私がプライベートで使っているキーボードは Meletrix Zoom65 Yamanote Line Theme Keyboardです。
zoomは打鍵音が最高
こちらは、本体とキーキャップとデスクマットが山手線をイメージしたものになっており、このような斬新なテーマのものが今までなかった、かつ見た目が可愛かったので購入しました。(会社で撮影したため、デスクマットはなし)
自分好みの見た目なだけで、自然と仕事のモチベーションが上がったり趣味が捗ったりしますし、人と違うちょっとおしゃれなキーボードを購入したり作ったりして、特別感を味わうこともできちゃいます。
例えば、これは KiiBOOM Phantom 81 V2 というキーボードで、うちの編集長が使っています。
ビジュが最高
機能性
外付けキーボードの魅力2つ目は 機能性 です。
機能性と一言でいってもたくさんあります。
無線機能や防水性能、ラピッドトリガー、マクロなど、挙げるとキリがありませんが、ここではいくつかピックアップして魅力的な機能について語りたいと思います。
ラピッドトリガー
まず、最近ゲーミング界隈で話題の ラピッドトリガー です。
ラピッドトリガーとは、予め自分で設定した長さ分だけキーを戻すと入力がオフになり、さらにそこから設定した長さ分キーを押せばキー入力がオンになるという機能です。
これの何が良いのかというと、自分の感覚に合ったキーストロークでプレイすることで、キー入力のレスポンスが早くなり、FPSゲームでの操作性の向上等が期待できます。
ラピッドトリガーが登場した直後、ValorantというFPSゲームの世界大会では、多くの選手がラピッドトリガーを搭載したキーボードを使用していたそうです。
最初は搭載している機種が少なかったですが、最近は色々なメーカーから出てきました。
伝統的なスタイルのキーボードからロープロファイルの薄型キーボードまでバリエーションが豊かですね。
直近では、ゲーム配信で人気のVtuberをモデルにしたキーボードまで発売され、ゲーミング界隈での話題性が伺えます。
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VSPO! GEAR ゲーミングキーボード
wooting 60 HE
マクロ
次に、マクロ の搭載です。
マクロを使えば、普段の作業中に繰り返し行われるキー入力を省略して作業効率を上げることができます。
例えば、画面ロックや仮想デスクトップの切り替え、認証情報の入力、タブ切り替えや文面のテンプレート等を登録することができ、キー入力ひとつでこれらを実行できます。
また、もっと複雑なこともマクロとして登録が可能なのでとても魅力的な機能です。
マクロが登録できるキーボードはたくさんありますが、モーションジェスチャーの登録もできる HHKB studio や Keychron社製キーボード、logicoolのMXシリーズ 等が一般的に有名です。
UHKのエージェント
VIAというキーマクロ設定のエージェント
エルゴノミクス
外付けキーボードの魅力3つ目は、エルゴノミクス です。
エルゴノミクスとは、身体への負担が小さく、長時間・長期間使用しても疲労や疾病が起こりにくい構造や、身体の動作に最適化され操作しやすい設計デザインを指します。
キーボードにおけるエルゴノミクスデザインで代表的なものは、分割キーボード です。
分割キーボードは、肩こりや腕の疲労を軽減することが可能であり、近年は多くの企業が製品化しています。
いくつか代表的なものをご紹介します:
- BAROCCO MD770
- ERGODOX EZ
- Moonlander
- Voyager
- Knesis Advantage 360
- Naya Craete
- UHK 60 v2
- RAISE
- Defy
- Keychron Q11
分割キーボード以外のエルゴノミクスデザインキーボードは、Kinesis Advantage2 や Logicool ERGO K860(キー自体はスプリットであるが、本体が分離していない)などがあります。
基本的に高価なものが多くなりますが、仕事をする上で健康は最も大切なことなので、数万円で健康が買えると思えば安いものですね。
私は仕事では Ultimate Hacking Keyboard(UHK 60 v2)という分割キーボードを使用しています。
閉じて使うこともできちゃう
打鍵
外付けキーボードの魅力4つ目は、打鍵 です。
打鍵は大きく 打鍵音 と 打鍵感 に分けられます。
ラップトップのビルトインキーボードは、基本的にペチペチといった打鍵音、板を打つような打鍵感です(パンタグラフ方式でこれはこれで味はある)。
一方、外付けキーボードの打鍵音・打鍵感の幅は広くなります。
キーボードの打鍵を構成するキーボードパーツはさまざまな要素がありますが(キーキャップの材質やボディ、フォームとか)、ここでは主にキースイッチを取り上げて紹介していきます。
キースイッチは、以下のような基本要素で性能が語られることが多いです。
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押下圧(Actuation Force)
- キーを押すときにかかる力
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作動点(Actuation Point)
- キー打鍵時に内部のスイッチがOFFからONへ切り換わるポイント
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キーストローク(Key Stroke)
- キーを押したときに沈み込む深さ
また、キーボード入力の物理的な仕組みとして、メンブレン方式、パンタグラフ方式、メカニカル方式、静電容量無接点方式があります。
これらの入力方式は、打鍵音と打鍵感は大きく影響を与えるものですが、ここでは メカニカル方式 と 静電容量無接点方式 について紹介します。
(入力方式の違いについてはこちらの動画が素晴らしくまとまっています)
メカニカル方式
まず、メカニカル方式です。
それぞれのキーにスイッチがあり、キーを押すと電極が基盤と接触して信号を送る仕組みです。
メカニカル方式のキーボードの魅力の一つとして、選択できるキースイッチの種類が豊富にあります。
上記の基本要素の違いをもとに、キースイッチは大きく分けて リニア、タクタイル、クリッキー という種類に分かれます。
俗に言う 赤軸、茶軸、青軸 です。
リニアは適度に静音で軽い打鍵感、タクタイルは打鍵音と打鍵感がどちらもそこそこ、クリッキーは打鍵音が大きく打鍵感も強くあります。
これらは、基本要素に加え、内部パーツの出っ張りの大きさによって変わってきます。
そして、リニア/タクタイル/クリッキーの特徴をベースに、更にさまざまな軸が性能別に派生していきます。
例えば、Cherry Mx の銀軸はリニアに分類されますが、作動点が浅くなっているのでレスポンスが非常に良い軸です。
そのため、ゲーミングキーボードのキースイッチに採用されることが多くなります。
他にも、Gateron の Box Silent Switch もリニアに分類されますが、より静かで、キーストロークは長めに設定されています。
このタイプのキースイッチは、オフィスでの使用や夜中の作業音が気になる方に最適です。
最近のメカニカルキースイッチ対応のキーボードは、ホットスワップ対応のものが多く、キーボードの基盤上でハンダを使わず差し込むだけでキースイッチを入れ替えられる仕様になっており、気軽に自分にあったキースイッチを選び、入れ替えることもできます。
キースイッチはたくさんの企業から様々な種類が出ていますが、実際に触ってみないと感触等わからないことも多いので、遊舎工房などの実店舗でキースイッチを実際に触って自分好みのキースイッチを探すのがおすすめです。
静電容量無接点方式
次に静電容量無接点方式です。
静電容量無接点方式は、電極が接触しない無接点構造を採用しており、キーが押し込まれ電極同士が一定レベルまで接近すると、静電容量の変化を検知して入力されたことを伝える仕組みです。
メカニカル方式と違って、キーの接点が無いので耐久性が高く、指への負担が少ない等のメリットもありますが、なんといっても打鍵音と打鍵感が独特で癖になります。
打鍵音はオノマトペで表すと「スコスコ」と言われており、打鍵感は力を入れずともスッと打鍵できます。
これがとても心地よく、国内では人気です。
RealforceやHHKBというキーボードが有名で、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
他にも、Niz などが挙げられます。
Nizのキーボードはメカニカルスイッチを使用した静電容量無接点方式のキーボードであるため、他のメカニカルスイッチと互換性がありますが、Realforce、HHKBは東プレ軸という東プレオリジナルの軸が採用されており、他メカニカルスイッチとの互換性はありません。(HHKB Studioは東プレ軸ではないので、他のスイッチに交換可能)
ちなみに、弊社エンジニアはRealforceR3 for MACかHHKBが選択できて、支給されます。
キーボードの打鍵音や打鍵感を自分好みにすることによって、心地よい音と感触を感じながら作業に臨むことで集中力の向上やリラックス効果が期待できます。
今回はキースイッチについて取り上げましたが、キースイッチ以外の多くの要素が打鍵に影響を与えているので、奥が深く非常に魅力的です。
おすすめのサイト
最後に、よく利用するショップをご紹介します。
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遊舎工房
- 日本で最も有名な専門店。オンラインだけでなく秋葉原に実店舗もあるため、実際に行って触ってみるのも良い。初心者から上級者まで楽しめるショップ。
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Keychron
- 他のメーカーのものに比べるととても安価で、かつ組み立てられた状態で発送してくれるため入門用によい。ここで買ったものをベースにカスタマイズするのもおすすめ。
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Wuque Studio
- タッチスクリーン付きなどユニークなキーボードが多く、オリジナリティの高いキーボードを持ちたい方におすすめ。このメーカーから出ている Zoom75 は、海外で2023年のThockyキーボードとしてベストバイに選ばれている。また、このメーカーの WS Morandi Switch というキースイッチも評価が高い。
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CannonKeys
- 充実したラインナップでグループバイも盛んに行われていたり、デスクマットやマウスパッドのようなキーボード本体以外のものもたくさん売っているアメリカのショップ。
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KiiBOOM
- ここの Phantom81 は性能や品質面で非常にコスパがよく、クリアボディのキーボードが欲しい人はこれがおすすめ。組みたてられた状態で発送してくれるのもポイントが高い。また、このメーカーのキースイッチも良いものが多い。
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ふもっふのお店
- VarmiloやDuckyを取り扱ってるお店。ゲーミングデバイスやデスクマット等も幅広く取り扱っており、上記のサイトとは違ったものが手に入ります。Youtubeチャンネルもあっておすすめ情報が観られます。
まとめ
今回は、ビギナー向けのキーボードの楽しみ方についてざっくり書きました。
仕事や趣味をより楽しくするためにもみなさんも買ってみてはいかがでしょうか。
もし、キーボードが欲しいけど、どれを買ったらよいのかわからない、やキースイッチのおすすめを知りたいといった方がいらっしゃいましたら、こちらにお気軽にDMで問い合わせください。相談に乗りますw
次書く機会があれば、よりニッチな内容も書いてみようと思います。
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